「アイスクリーム屋さんになりたい」、柔道金メダリストを経て子どもの頃作文に書いた夢を叶えた 元柔道日本代表・松本薫(後編)|子どもの頃こんな習い事してました #32 (3/3)
アイスクリームと柔道で世界をつなぎたい
――指導者として柔道界に復帰する予定は。
柔道教室の依頼をいただいたときだけやっています。引退直後は、とにかく柔道から離れたいという思いだったのですが、3年経ってやっと落ち着いてきて、今はちょっとずつ子どもたちに還元していきたいという思いができているところです。
――では、今後は子どもたちに向けた活動があるかもしれないということですね。
そうですね。アイスとスポーツで世界を繋ぎたいですね。世界中にたくさんアスリート仲間がいて、世界選手権のときにはいろんなアスリートが食べに来てくれたんです。そういう仲間と一緒に手を組んで、何かできたらいいですね。
全日本柔道連盟は2022年から「勝利至上主義に陥ることは好ましくない」として、小学生の全国大会を廃止しました。確かに、子どものころから勝ち負けだけにこだわる必要はないと思います。ただ、大会では勝負の他にもさまざまな経験ができます。そういう機会は失いたくない。イベント的な大会を開催して、試合の後にアイスのお楽しみがあって、世界の選手とも交流できる、そんな大会を開催できたらいいですね。
――「ダシーズ杯」があったらいいですね。
そうなんです。ダシーズ杯、ぜひ開催したい。「道場は厳しいけれど、大会は楽しい」となったらいいなと思っています。
[プロフィール]
松本薫(まつもと・かおり)PH:プロフ
1987年生まれ、石川県出身。帝京大学卒業。2009年より本格的にワールドツアーへ参戦し、柔道女子57キロ級で2012年ロンドン五輪金メダル、2016年リオデジャネイロ五輪銅メダルを獲得。鋭い目つき、攻めの柔道から「野獣」の異名を持つ。2016年、大学時代から8年間交際していた男性と結婚。2019年引退。現在は低糖質、グルテンフリーのアイスクリーム「ダシーズ」の製造開発に携わる。2児の母。
<Text:安楽由紀子/Edit:丸山美紀(アート・サプライ)/Photo:小島マサヒロ>