2024年1月2日

箱根駅伝で強い学校はどこ?過去のデータや傾向から紐解く、箱根駅伝の注目ポイント (2/3)

チーム全体がエース級揃い

2022年の総合優勝は青山学院大学、2023年の総合優勝は駒澤大学。ここ数年を見ても青山学院大学が3回、東海大学が1回、駒澤大学は2回。青山学院大学、東海大学、東洋大学、駒澤大学が優勝常連校となっています。これらの大学で共通して言えることは、突出したエースがいないこと。

「ここ数年は外国人留学生がいるチームが勝っているわけではありません。また、東洋大学の柏原竜二さんのように1年で8人をごぼうぬきしたようなスーパールーキーもいない。それは裏を返せば、すべてのチームの選手層が厚いから。駒がそろっているんです。エースは1人だけではだめ。何枚もカードを持っていることが大事なのです」(牧野さん)

ちなみに2023年に牧野さんが優勝候補としてあげたのは、駒澤大学と青山学院大学でした。

※以下、2022年末時点でのコメントです。

「駒澤大学は、2022年11月に行われた全国大学駅伝では大会記録で優勝していますが、圧倒的に選手の粒が揃っています。2022年世界陸上に出場した田澤廉選手を筆頭に、全国大学駅伝でチームを優勝に導く活躍を見せた主将の山野力選手。そして初の全国大学駅伝で2区区間新記録を叩き出した1年生の佐藤圭汰選手。野球で例えるなら、全員がドラフトで選ばれるような実力を持ったオールエースのチームと言えるでしょう。これは前回優勝校の青山学院大学も同様。いずれのチームも箱根での戦いを知っているので、拮抗した戦いになると思います」(牧野さん)

過去の大会記録を見てみましょう。

総合(217.1km) 10時間43分42秒(2022年)
往路(107.5km) 5時間21分16秒(2020年)
復路(109.6km) 5時間21分36秒(2022年)

いずれも青山学院大学が叩き出しています。これはまさに青山学院大学のチームの総合力によるもの。この記録が、破られるかも注目ポイントの一つです。

箱根駅伝 歴代優勝校の碑

進化し続ける箱根駅伝とスポーツ科学

いまやスポーツと科学は切っても切れない関係ですが、箱根駅伝も例外ではありません。

「箱根駅伝はとくに科学的なアプローチが進んでいます。心拍数を測るのはもちろん、血糖値の上下動も重要なデータ。東洋大学を例にとると、アボットという企業と連携して、腕に計測装置を装着して、血糖値の上下動の推移を測っています。血糖値を計測することで、選手のフィジカルの状態だけでなく、メンタルも把握することができるからです」(牧野さん)

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