フィットネス
2017年11月28日

ランナーのみなさん、次は砂漠レース「4Deserts」に挑戦してみませんか? (1/2)

 数多くのマラソン大会を走破していると、「もっと大きな挑戦がしたい」と考え始めるかもしれません。実際に私の回りには、ウルトラマラソンやトレイル100mileレースなどを完走し、より高い壁を求める“刺激難民”な方が多く見られます。そんな方々にオススメなのが、砂漠レース『4Deserts』です。

 『4Deserts』はアタカマ砂漠・サハラ砂漠・ゴビ砂漠・南極の4つで構成されるステージレース。それぞれ7日間かけ、6ステージで約250kmを走ります。走行距離も去ることながら、走るなんて想像できないような砂漠という環境。しかしこの『4Desert』はリピーターが多く、日本人も多く参加されているようです。いったい、そこにはどんな魅力が隠されているのか。

 今回、4Deserts砂漠レース・日本事務局の近藤さなえ(Sandy)さんに詳しくお話を伺いました。

200名程度の参加者だからこそ生まれる人と人との繋がり

 4Desertsの参加者は毎回200名程度。いわゆるマラソン大会をイメージすると、少ないように感じるかもしれません。しかしこれは過酷であるが故に参加者が少ないわけではなく、意図的に抑えられた人数なのだと言います。

「せっかく砂漠レースという同じものに興味を持ち、同じゴールを目指す仲間ですから。レースを通じて、みんながファミリーのようになれたら良いなと考えています。そうなると、7日間のステージレースでは200名くらいがちょうど良いんですよ。レースが終わる頃には、参加者からスタッフまで含めて皆が知り合いになっています。砂漠レースは“人生を変えるレース”なんて言われることがありますが、まさにその通りですね。例えばレース中に出会い、結婚したカップルが現時点で8組もいるほどですから」

 毎回、日本人選手は20〜30人が参加しているという4Deserts。近年は大学生から70代までと、参加者の年代が幅広くなっているようです。以前はどちらかというと、お金・時間にゆとりのある方々が多かったとのこと。その理由は、さほど高くない4Desertsの参加資格が挙げられます。

「4Desetsに参加するうえで唯一の条件は、21歳以上であるということ。チャレンジしたい人には、敷居の低いレースとなっています。そのため、レースにはランナーだけでなく、例えば週末にハイキングを楽しんでいるといった方の姿も少なくありません。砂漠レースはいわゆるロードレースと違い、走力だけではクリアできないんですよね。たとえランナーじゃなくても、アウトドア経験を活かせば完走できる可能性は低くない。むしろ走力のあるランナーは、最初から突っ込んでしまって最後までもたないなんていうことも考えられます」

 4Desertsは賞金レースではありませんが、それでも多くのプロランナーが自ら走りたいと参加されています。しかしその反面、ランニングの経験はほとんどない方まで入り混じっているというのは、なかなか珍しい環境ではないでしょうか。同じゴールを目指す仲間だからこそ、お互いが受け入れ、認め合える。こうした繋がりこそが、4Desertsの持つ最大の魅力なのかもしれません。

「レース中は8〜10名程度でのテント泊となります。ある程度の希望は聞きますが、さまざまな年齢・国籍・性別の方々がミックスされるようになっているんです。7日間も同じテントで過ごすと、さまざまなシーンで会話や気遣いが生まれます。すると結果的に、テントメイト同士の絆はより強いものになるようです。レース後も継続的に交流する方々が多いですね」

 4Deserts参加者にはビジネスマンも多く、出張ついでにレースで出会った者同士が再会することも多いのだとか。日本国内でも砂漠レースを通じて出会った方々が、以後も連絡を取り合って交流を深めているようです。

◆アタカマ

◆ゴビ



◆サハラ



◆南極

参加ハードルは低いけれど、走破するには準備と練習が欠かせない

 21歳以上であることだけが条件。そう聞くと、一気に参加へのハードルは低くなります。しかし同時にレースそのものを甘くみてしまっては、痛い目を見ることでしょう。合計約250km、そして走るのは砂漠という環境。さらにステージレースという特性から、やはり完走するにはしっかりとした準備・練習が欠かせません。

「参加者の方々には、スタート直前に誓約書へサインしてもらっています。そこには命に関わる点も含め、あらゆるリスクや責任について細かく記載されているんです。例えば砂漠レースでは、途中で倒れたからといってもすぐスタッフが駆けつけられる環境ではありません。あらゆるリスクを自覚したうえで走る必要があります。ですから単に心構えだけでなく、挑戦するならば最大限の準備と練習を積んで参加してほしいですね」

  例えばレース中は、バックパックに詰めた荷物を自ら背負って走ることになります。この“荷物を背負って走る”ことすら、これまで経験したことのない方は多いでしょう。バックパックが合わない、あるいは上手くフィッテイングできないと、身体に負担がかかり擦れなどの原因になりかねません。私も以前、バックパックの腰ベルトが擦れてしまい、走り終えると血が滲んでいたという経験があります。あるいはテント泊に慣れておらず、周囲の音が気になって眠れないなんていうことも考えられるでしょう。

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