インタビュー
2024年8月16日

APFフィジーク初代王者・竹下竜陛選手に聞く、大会優勝のために行った食事戦略&トレーニング (2/3)

──たとえば残業が多い、家庭の事情などで自炊の時間がとれないトレーニーもいるかと思います。とはいえすべて外食やコンビニで賄うのも気が引ける。そうした場合、おすすめの対処法はありますか?

竹下さん:最近はコンビニでも高タンパク食品が増えていますので、お金はかかってしまいますが手間は省けるので、サラダチキンや出来合いのものでもいいと思いますよ。

──塩分や添加物が気になってしまうトレーニーの場合は?

竹下さん:自炊もレベルによると思うんですよね。たとえば僕の場合、鶏むね肉を買ってきて、皮を剥いでから茹でてカットして……という手間があり、これに1~2時間ほど調理時間が掛かっています。

そういう時間がとれない場合は、何かひとつの食べ物を自炊して、どれかは出来上がったものを購入するなどでしょうか。

僕の例で言うと、さつまいもはそのまま買ってレンジで温めるだけにして、鶏むね肉はきちんと処理するとか。逆に鶏むね肉はコンビニで買うけれど、さつまいもは添加物が入らないように自炊するなど。

なにか妥協しないと続かないと思いますし、続けることが大事なので、自分なりに続けやすい方法を探るといいのかなと思います。

──続いてトレーニング戦略について。大会優勝を狙うためにどんなルーティンでトレーニングを行ったのでしょうか。

竹下さん:トレーニングは「部位分割法」で組んでいます。たとえば月曜日は胸、火曜日は背中、水曜日は肩、木曜日は腕、金曜日は足という感じで、部位を分けて、その日ごとにトレーニングを積んでいくスタイルです。

基本的に、僕はオフをあまり取らないです。ありがたいことに、いま少し仕事が忙しくて、休憩時間しかトレーニングする時間がなくて。今のルーティンだと、朝7時からパーソナルトレーニングを担当して、お昼休憩の1時間、そこで50分のトレーニングをします。

そして残りの10分で次のお客さまの準備をして、13時から次のお客様を担当する。それが16時まで続き、そこからはVALX のYouTubeチャンネル『VALX 山本義徳 筋トレ大学』の撮影や、本社に行くなどして19時ぐらいになります。トレーニング時間が確保できないので、1日のトレーニング時間は短い代わりにオフは取らないというスタイルです。

1日2~3時間ほど確保できる方であれば、週5ほどトレーニングをガッツリやって、2日オフでもいいですし。ライフスタイルに合わせて変えていくことが大事なんじゃないかと思います。

──トレーニング全体で意識している共通ポイントなどはありますか?

竹下さん:目的によりますが、たとえば筋肉を大きくしたいという場合は、やっぱり重さを求めていかないとなかなか難しい。

なのでトレーニングノートやスマホアプリとかで記録をとることが大事だと思います。今日何キロ上げたかメモを残しておいて、次回のトレーニング時に、前回より自分は強くなっているのか確認するなどですね。なんとなくトレーニングを行っても成長は難しいので、記録を取って成長を確認していくことが大事だなと思います。

僕も、最初の頃は記録を取っていなくて、自分が成長してるのかどうか曖昧だったのですが、記録を取り始めてからよくなってきて、今も記録を取り続けています。

──筋トレ初心者だと、重いものを持てるようになってきたという感覚はあるものの、記録をつけていない人も多そうです。

竹下さん:そうなんですよ。あとは、体重や食事内容も記録するといいですね。

たとえば体重が1キロ増えて、挙上重量が2キロ増えた場合、増えた体重に対して挙上重量のほうが重くなっているので、すごく大きな成長です。でも、もし体重が10キロ増えて挙上重量が3キロしか増えていない場合、増量に見合う成長なのだろうか? と。

そういうふうに、増えた体重に対して挙上重量がきちんと上がっていくように注意してノートをとる、これは意識して行っています。

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