インタビュー
2018年12月14日

まねきケチャ・深瀬美桜「目立ちたくないから、器械体操をやっていたことは隠していた」(前編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#16 (2/3)

バク転ができたときがうれしかった

——普段はどんな練習をしていたのでしょうか?

機械体操って鉄棒、平均台、床、跳馬の4種目があるんですけれど、最初に柔軟体操をしたら、それぞれの種目ごとに用意された器具を使って技を練習するんです。加えて、小学校の高学年からは、演技の表現力を高めるために週に1回バレエのレッスンもありましたね。あと大会前は、本番を想定した練習もありましたね。

——器械体操をしていて何がうれしかったですか?

小学校のときに、バク転ができるようになったのはうれしかったですね。体操って「技を覚えたい」「完成度を上げたい」という向上心が必要なんですよ。私は、新しいことにどんどん挑戦したいタイプなので、けっこう向いてたのかなって。続けていくうちに忍耐力もついたと思います。

——ひとつの技を覚えるのに、どのくらい時間がかかるのでしょうか?

技の難易度にもよりますが、3週間くらいでできるようになったと思います。最初の1回が成功すれば体が覚えてくれるので、あとは完成度を上げるために練習を続けるだけなんですけれど。思った通りにできた瞬間はやっぱり気持ちいいですね。

——鉄棒や平均台など、高いところで演技をする種目もありますよね。怖い思いをしたことはありませんでしたか?

平均台はちょっと怖かったですね。いちばん苦手でした。高さが1メートル以上あるのに、幅が10センチしかないんです。平均台の上でバク転をするときは後ろが見えないので、なんとか手をついても、足が落ちるとすごく痛い。100回連続クリアをノルマに練習していたんですけど、50回くらいで落ちてやり直しになったこともあります。

——小学生でバク転ができると、体育の時間ですごく目立ちそうです。

実はみんなの前ではやったことがないんです。なんか恥ずかしくて(笑)。でも、マット運動のときにお手本役を任されることが多かったです。普通に倒立しただけで「すごい!」って言われて、そうなんだと思ってました。

——つまり、倒立ひとつだけ見てもフォームが綺麗なわけですね。

おそらく体操をやっている子はみんな綺麗だと思います。私が所属していたクラブでは、準備運動の段階で50メートルのマットを逆立ちして歩くんですよ。倒れたらやり直しだったので、すごく集中してやってました。

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