インタビュー
2019年12月23日

SUPER☆GiRLS・渡邉幸愛&石丸千賀×バレエ特別対談(後編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#26 (1/2)

 スポーツにガチで打ち込んだ経験を持つアイドルに、その思い出や競技の魅力について語ってもらうインタビュー連載「アイドルと、スポーツと、青春と。」。

 今回話を伺うのは、2020年に結成10年目を迎える人気アイドルグループSUPER☆GiRLSの渡邉幸愛さんと石丸千賀さんです。ふたりはクラシックバレエの経験者。渡邉さんは約10年の経験があり、石丸さんはロシアの超名門バレエアカデミーへの留学経験があります。

 後編では、バレエ経験から得たものや、アイドルとしてのパフォーマンスに通ずることについてお聞きしました。

前編:SUPER☆GiRLS・渡邉幸愛&石丸千賀×バレエ特別対談(前編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#26

バレエは立つだけの練習もあるんです

——ここからは、バレエに打ち込んだ経験が、アイドルとしての活動に活きていると感じることをお聞きします。

[渡邉]根本的なことなんですけど、挨拶はしっかりするとか、話を聞くときは目を見るとか、礼儀の部分で教わったことが染み付いていますね。話を鏡越しに聞いていたときなんかめちゃくちゃ怒られて、レッスンを受けさせてもらえなかったこともあるんですよ。3歳の頃からやっていたので、先生がお母さんみたいに感じることもあります。もうひとつは、どんなジャンルのダンスをやるときもバレエで培った基礎があることで、すんなり理解できる気がします。たとえば、ヒップホップみたいなバレエとは真逆のジャンルだとしても、バレエの基礎を基準にして崩していけばいいので。すごく役立っていると思います。

[石丸]私はロシアの学校や日本の音大で解剖学を学んでいたので、そのときの知識が振り付けを覚えたり、ボイストレーニングしたりするときに役に立っています。体の構造で理解できるというか。

——他人の動きを人体の構造で理解しているということですか?

[石丸]そうですね。ボイストレーニングの先生は、筋肉の構造で説明してくれるんですよ。腹式呼吸をするときも、感覚で話すんじゃなくて「この部分にこういう筋肉があるので……」っていう感じで、すごくわかりやすかったです。そのおかげで、周りから「腹式呼吸がめっちゃうまいね」と言われてます。あとダンスを覚えるときも、この部分はこの関節をこう動かしているのか……と分析しながら見ることもあります。バレエはただ立つだけでも体のいろんな部分を意識するんですけど、踊るときにも意識するべきことがたくさんあるんです。

——バレエでは、立つだけの練習に数時間も費やすと聞いたことがあります。

[石丸]私は3時間のレッスン中ひたすら立つ練習だけをしていたこともありました。バレエではいろんな演目を演じるので、立ち姿だけでキャラクターを演じることが求められるんですよね。だから、ただ立つだけでもいろんなところの筋肉と骨の角度を気にしなきゃいけなくて。

——例えば、どんな部分を意識するのでしょうか?

[石丸]じゃあ、やってみますね。まずデコルテが常にライティングを浴びているような美しさを放っていないといけません。次は、横隔膜を完全に閉じきります。

——横隔膜が開いてるか、まったくわかりません……。これ、渡邉さんもわかるんですか?

[渡邉]わかんないです(笑)。でも、バレエの先生からはよく言われましたね。

[石丸]丹田を常に引き上げて、坐骨を床に垂直に下げて、足の筋肉も土踏まずはちょっと上げて、母子球は床に押し付けて……。お尻の大殿筋は力を入れちゃいけないので、中のほうにある細い筋肉だけ、回している感覚を自分でつくります。これを一瞬でパン! とできるようにしないといけないんです。この姿勢が染み付いてからか、立ち方が少し変みたいで。ライブのMCでも「ひとりだけ貴族が立ってるみたい」「目立ってる」と言われたことがあります。だから最近は、あえて少し崩して立つようにしてます。

[渡邉]キャラとして成り立ってるし、立ち方は綺麗なので、私はそのままでいいと思うけどな。ただ、全員の動きを合わせないといけない曲もあるので、そこでは周りに合わせる努力は必要ですね。

[石丸]アイドルになってから、生まれてはじめて体験する体の動かし方が増えたので、慣れていけるように頑張っています。

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