【箱根駅伝】歴史やルール、専門用語、区間コースの特徴、見どころスポット、小ネタまで (1/2)
1月2~3日に行われる“正月の風物詩”「東京箱根間往復大学駅伝競走(通称:箱根駅伝)」。2023年の大会で99回目という長い歴史を持ち、テレビの視聴率は毎回28%前後を記録する大人気コンテンツです。
そんな箱根駅伝について、歴史やルール、専門用語、走るコースの特徴ほか、天気と気温などのトリビア、そして応援スポットについてまとめました。
箱根駅伝とは
箱根駅伝は東京・大手町から神奈川・箱根町までを2日間かけて往復する、217.1㎞の大規模駅伝大会です。
コースは10区間に分けられ、箱根の芦ノ湖をフィニッシュとする5区までを往路、折り返して東京まで戻ってくる6区~10区を復路(2日目)と表します。
箱根駅伝のルール
現行のルールでは、参加20校にオープン参加の関東学生連合チームを加えた21チームで争われ、上位10校が次回大会の予選会が免除される「シード権」を手にすることができます。
下位チームは毎年10月に行われる予選会を勝ち上がらなくてはならず、チームの年間スケジュールをも左右する大きな転換点とも言えるでしょう。
箱根駅伝の1番の特徴と見どころ
箱根駅伝の1番の特徴といえば、何といっても箱根の“山”を走ることでしょう。この大会の5区(山上り)と6区(山下り)は標高差800m以上を一気に駆け上がる(下りる)ため、平地でのスピード以外に特別な“適性”が求められます。
山の上と下では気温差も激しいため、汗をかくと低体温症や脱水症状に陥りやすく、これまで何人もの途中棄権者を出してきました。
一方でこの区間で活躍した選手は「山の神」という称号を手にし、新聞やワイドショーを賑わせることも少なくありません。
箱根駅伝は大正時代から始まった
箱根駅伝の始まりは大正時代まで遡ります。
1920(大正9)年、“マラソンの父”として知られる金栗四三(かなくり・しそう)さんの「世界に通用するランナーを育成したい」との思いからすべては始まりました。
“マラソンの父”金栗四三(かなくり・しそう)とは
金栗さんは、熊本県玉名郡和水町出身。日本が初めてオリンピックに出場したときに選ばれた選手の1人です。マラソンでオリンピック3回出場経験を持ち、世界記録も3回樹立、生涯で走った距離は約25万キロメートルという強者です。
マラソンシューズの原点となった初期の「金栗足袋」の発明や、日本女子スポーツの振興、そして一度に多くのマラソン選手を育成する方法として「駅伝」をスタートさせたほか、オリンピックなどの国際大会で活躍するランナー育成に貢献し続けました。
その結果、多くの実績と功績が認められ、1955年スポーツ界初となる紫綬褒章を受章し、“日本マラソンの父”と呼ばれるようになりました。
記事を読む:箱根駅伝を創った伝説のマラソンランナー・金栗四三。2019年NHK大河ドラマでも描かれる功績と激動の人生をたどる
第1回大会に出場した大学は?
第1回大会に出場したのは東京高等師範(現・筑波大学)、明治大学、早稲田大学、慶應義塾大学の4校。
東京高等師範が初代の箱根王者に輝き、第2回大会からは東京農業大学、法政大学、中央大学の3校、第3回大会からはさらに3校が追加されるなど、徐々に大会の規模は大きくなっていきました。
記事を読む:正月といえば箱根駅伝!これまでの歴史やルールをおさらいしよう【箱根駅伝2022】
この第1回目の箱根駅伝、宮藤官九郎さん脚本による2019年NHK大河ドラマ『いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~』でも描かれました。箱根駅伝で数々の名勝負を演じてきた瀬古利彦さん、谷口浩美さん、原晋さんが語る箱根駅伝の魅力とは。
記事を読む:箱根駅伝×いだてん。瀬古利彦・谷口浩美・原晋らが語る、箱根駅伝の魅力&『いだてん』への期待
続いて、シード校、山の神、フレッシュグリーンといった専門用語について説明します。