胸筋を鍛える筋トレ|大胸筋をブ厚くする「マッチョな鍛え方」 (2/2)
大きく盛り上がった胸筋を作るエクササイズ【家でできる自重編】
今回は、自重やダンベルで行うエクササイズを紹介していきます。自宅でも手軽に行えるものばかりなので、ぜひチャレンジしてみてください。
アイソメトリクスチェストプッシュ
1.掌を胸の前で合わせます
2.お互いに押し合うように力を入れます
3.力を入れたまま10秒間キープします
簡単にできるエクササイズです。
アイソメトリクス(※)のトレーニングは、思いっきり力を入れるのが効果を高めるポイントです。腕の角度によって、鍛える部分を上部・中部・下部と分けることができます。
(※)等尺性筋収縮(とうしゃくせいきんしゅうしゅく)のこと。筋肉の長さが変わらずに力を発揮する筋肉の収縮形態を指す。例:腕相撲で2人の力が均衡してまったく動かないとき、ラグビーのスクラムで押し合って動かない状態など。
腕立て伏せ(プッシュアップ)
1.腕立て伏せの姿勢になります。このとき、手幅は肩幅よりも拳2個ほど外側に広げ、床につきます
2.肘を曲げ、胸が床につくくらいまで体を下ろしましょう
3.下せるところまでいったら、肘を伸ばし、体を持ち上げていきます
この動作を繰り返します。
動作中は腰が反ったりお尻が上がったりしないよう、まっすぐな姿勢で行いましょう。
手幅を広げた腕立て伏せ(ワイドスタンスプッシュアップ)
1.腕立て伏せの姿勢になります。腕立て伏せの手幅よりもさらに拳1~2個ぶん外側に広げて床につきます
2.肘を曲げ、胸が床につくくらいまで体を下ろしましょう
3.下ろせるところまでいったら、肘を伸ばし、体を持ち上げていきます
4.この動作を繰り返します
手幅を広くすることで、胸筋への刺激が増えます。肘を真横に広げるように曲げていきましょう。
斜め腕立て伏せ(インクラインプッシュアップ)
1.両手をテーブルやイスなどの上にのせ、頭が足よりも高くなるようにして腕立て伏せの姿勢になります。このとき、手幅は肩幅よりも拳2個ほど外側に広げて床につきます
2.肘を曲げ、胸がテーブルやイスにつくくらいまで下ろしましょう
3.下ろせるところまでいったら、肘を伸ばし、体を持ち上げていきます
4.この動作を繰り返します
大胸筋下部を刺激するエクササイズです。
ベーシックなプッシュアップよりも負荷が軽くなるので、プッシュアップができない初心者や女性は、このエクササイズから取り組んでみましょう。
ダンベルベンチプレス
1.ベンチに仰向けになります。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます
2.両手にダンベルを握り、胸の前に持ち上げます
3.肘を曲げて、ダンベルをゆっくりと下ろしていきます。動作中、肘は横に開き、肘の真上に手首がくるようにしましょう
4.下ろせるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります
5.この動作を繰り返し行います
動作が不安定になりやすいので、軽い負荷から行い、しっかり動作をコントロールして行うようにしましょう。
ダンベルフライ
1.ベンチに仰向けになります。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます
2.ダンベルを握り、両手を向かい合わせにして胸の前に持ち上げます
3.肘を軽く曲げたまま、ダンベルをゆっくりと真横に下していきます
4.ダンベルが肩の高さくらいにくるまで下ろしたら、ダンベルを持ち上げて元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
動作を通じて、軽く肘を曲げたまま固定しておきましょう。
インクラインダンベルベンチプレス
1.30~45°くらいに角度をつけたベンチに仰向けになります。足は腰幅に開き、しっかり床につけます
2.両手にダンベルを握り、胸の前に持ち上げます
3.肘を曲げてダンベルをゆっくりと下ろしていきます。動作中、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう
4.下ろせるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります
5.この動作を繰り返し行います
大胸筋上部を鍛えるエクササイズです。バランスをとりながら、動作をコントロールして行いましょう。
ダンベルプルオーバー
1.ベンチやイスの座面に背中を乗せるようにして仰向けになります。両手でダンベルを持ち、顔の前でダンベルを保持するように、天井方向に腕を伸ばします。
2.肘を軽く曲げたまま、ゆっくりダンベルを頭上へ下ろしていきます。
3.下ろせるところまでいったら、ダンベルを持ち上げてゆっくり元の姿勢に戻ります
4.この動作を繰り返し行います
ダンベルを下ろしたとき、しっかり胸筋がストレッチされる感じがするくらい下ろすとよいでしょう。
胸筋は「上部・中部・下部」と分けて鍛えるのが効果
ここでは、胸筋を効果的に鍛えるためのポイントを紹介していきます。
上部・中部・下部と分けて鍛える
大胸筋は上部・中部・下部と分けることができ、それぞれを刺激するエクササイズの方法が若干異なります。
部位を分けて刺激すると、以下のようなメリットが期待できます。
- 上部 → 鎖骨のすぐ下から盛り上がる胸筋を作る
- 中部 → 横に広い大胸筋を作る
- 下部 → 大胸筋のボリュームを増やし厚みを作る
それぞれを意識してトレーニングすることによって、大胸筋全体を大きくすることができます。
基本的なエクササイズに慣れてきたら、部位を意識してエクササイズを選んでみましょう。
3回×3セットなど、高重量を使ってみる
胸の筋肉は大きいので、高重量を扱うことができます。
10回×3セットのようなオーソドックスな負荷設定だけでなく、3回×3セットのような高負荷で行うことも効果を高めるポイントです。
トレーニング前半は高重量×低レップ数、後半は低重量×高レップ数
また、トレーニングの前半と後半で、重量を変えるのもよいでしょう。限界まで大胸筋を追い込むのに効果的です。
- トレーニング前半の筋肉が疲れていないとき:高重量×低レップ数
- 疲労が溜まっているトレーニング後半:低重量×高レップ数
高重量を扱う際は、正しいフォームや動作を行うように気をつけましょう。無理なフォームでの動作は、効果が低くなるだけでなく、ケガのリスクが大きく高まります。
肩甲骨をしっかり寄せて動作を行う
胸筋のトレーニングは、肩甲骨をしっかり寄せて胸を張った姿勢が大切です。肩甲骨を寄せることで、肩関節の可動域を最大限に動かすことができます。
また、寄せた肩甲骨は動かさず、固定したまま動作を行うことを意識しながら行うようにしましょう。
呼吸は止めない
エクササイズ中は、呼吸を止めないようにしましょう。とくに高重量を扱う際に呼吸を止めてしまうと、怒責などを引き起こすリスクが高まります。
力を入れる動作の際に、息を吐くように意識しながら行いましょう。
腕ではなく胸で“押す”感覚を意識して
押す動作の際、腕を伸ばす意識が強いと、上腕三頭筋が多く使われてしまい、胸への刺激が逃げてしまいます。
プッシュアップなどで腕ばかり疲れてしまうという人は、胸をしっかり意識できていない可能性が高いです。
胸のトレーニングを行う際は、腕の曲げ伸ばしよりも、胸に負荷がかかっていることを感じながら、胸で押すように意識して動作を行いましょう。
毎日やったほうがいい? どのくらいやればいいのか、頻度と継続期間を探る
同じ部位のトレーニングは週に1~2回
胸筋に限らず、同じ部位のトレーニングは休息をしっかりとる必要があります。部位を分割してトレーニングを行うのであれば、同じ部位のトレーニングは週に1~2回が適切です。
2か月目あたりから見た目に変化が出てくる
胸筋トレー二ングを始めた初めの1か月程度は、見た目はあまり変わりませんが、急激に筋力が向上します。
そのまま適切な負荷で行っていけば、2か月目あたりから徐々に見た目にも変化が出てくることでしょう。筋力が高まっていくとキツさが軽くなるので、徐々に負荷を上げながら続けていきましょう。
胸筋トレーニング後にオススメのストレッチ
トレーニングをした後はしっかりストレッチで、ケアをしておきましょう。
大胸筋のストレッチ
- 壁の横に立ち、前腕~肘を壁につきます。この時、腕は水平より少し上になるようにします
- 腕を壁についたまま、壁を背にするように体を捻ります
- 胸筋が伸びているのを感じながら、20秒キープします
胸筋を筋肥大化させる食事・サプリメント
筋トレを頑張ったのなら、食事にも意識を向け、筋肥大効果を高めましょう。
筋肉を大きくするなら、「たんぱく質」の摂取が欠かせません。肉や魚、卵、乳製品、大豆などに多く含まれるたんぱく質は、筋肉の元となる栄養素です。
筋肥大のためには、体重1kgあたり2g程度(60kgの場合、120g)を目安に、たんぱく質を摂取するとよいでしょう。
小食の人は、サプリメントの活用も視野に入れましょう。プロテインやBCAAなどのアミノ酸は、食事からでは不足してしまうたんぱく質を、効率よく摂取することができます。
著者プロフィール
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴22年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院や競技チーム帯同で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆や商品監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信中。2021年 著書「見るだけ筋トレ」(青春出版社)発刊。
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<Text:和田拓巳/Edit:編集部>