マラソン大会前に"疲れる練習”は禁物。コンディションを整える「調整トレーニング」│東京マラソン完走HOW TO #2 (2/2)
2.「良い状態」だと感じるコンディションへ持っていく
自信は心の問題と思われがちですが、身体的な競技パフォーマンスにも大きく影響を与えます。レース中の辛い局面では、「大丈夫、自分なら走れる」という自信が大きな支えとなるでしょう。
そのためには、まず普段から「これだけやってきた」と胸を張れるだけのトレーニングを行うこと。ただ距離を踏むだけでなく、フォーム改善やスピード強化、筋力アップなども大切です。
そして調整トレーニングを経て、「自分は万全のコンディションで大会に臨めている」という精神状態に持っていくこと。脚に違和感や痛み、疲労を感じるようではいけません。セルフケアだけでなく、治療院に行って“お墨付き”をもらうのも良いでしょう。
「良い状態だ」などという他者からの評価も、大きな自信になるはずです。
よく大会の1ヶ月前などに、30km走を勧める人がいます。その目的は、目標タイムあるいはそれより少し速いペースで走りきることで、「これなら本番も大丈夫」という自信が持てることにあるでしょう。
30km走ではなくハーフマラソンなど、実際の大会で調子を確認するのは良い方法です。ただし、もしそこで思うように走れないと、かえって自信を喪失してしまうかもしれません。
諸刃の剣であることを認識し、不安があればファンランに切り替えて気持ちよく終えるなど判断してください。
3.疲労を抜ききる
とにかく疲労を抜ききること。疲労が残った状態で、100%の力は発揮できません。もしそれでも自己ベストを更新できたとして、疲労が取り除けていれば、それ以上の結果が出せたはずなのです。
そのため、もしいつも毎日のように走っている場合でも、調整トレーニングでは休養を入れることも大切になります。
また、走っていなくてもストレッチやマッサージ等のケアを行い、身体を労ってあげましょう。休養日にどうしても身体を動かしたくなったら、散歩したり、負担の軽い水泳を行ったりと、走る以外の軽運動で発散します。
「走りたい」という気持ちは、本番で爆発させるためにとっておいてください。
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4.本番で使用する装備・サプリなどを確認する
トレーニングを行う際、大会本番で着用予定のウェアやシューズ、あるいはレース中に用いる予定のサプリメントなどを実際に使ってみましょう。
シューズは、大会に合わせて新しいものを新調する方も多いはず。しかしいくらショップの試着で問題なくても、いざ走っているとマメが出来るなど不具合が起きるかもしれません。
私はレース中にサプリメントこそ使わないものの、いつも数回はレース用のウェアで走っています。それも、ただなんとなく走るのではなく、ペースを変えてみたり、少し長めの距離を走ってみたり。さまざまなパターンで試すことで、本番を安心して走りきれる装備か確認しているのです。
この確認は、結果的に「最高の装備だ」という自信にも繋がるでしょう。
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自分に合った調整トレーニングを見つけよう
マラソンを含めた陸上競技では、年間を通じてよく準備期・練習期・調整期などに時期を分け、それぞれ適したトレーニングメニューが組まれます。とはいえ市民ランナーなら、そこまで厳密な計画・実施は難しいでしょう。
調整トレーニングだけでも、大会本番のコンディションを大きく変えることができるはず。東京マラソンの快走をイメージしながら、ぜひ調整トレーニングに取り組んでください。
[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】http://www.run-writer.com
<Text:三河賢文>