フィットネス
2020年10月26日

バランスボールで「クランチ」「フロントブリッジ」「ニートゥチェスト」

 自宅筋トレや体幹トレーニングにおすすめのバランスボール。しかし買ってみたものの、イス代わりに座る以外に使い方が分からず、活用できていないという人は多いようです。今回はバランスボールの効果とトレーニングのやり方を紹介します。腹筋運動の定番「クランチ」や「フロントブリッジ」、「ニートゥチェスト」など、初心者でも腹筋や肩、体幹全体を鍛えることができます。

バランスボールの効果

 バランスボールがダイエットや体幹強化に効果的とされる理由には、その特徴である弾性や形状が大きく関係しています。

筋肉のバランスを整える

 ほとんどの人間は、左右の筋肉バランスが全く同じではありません。脚を組んだりカバンをいつも決まった側の肩にかけたりするなど、日常生活の癖によって筋肉のバランスが徐々に異なっていくのです。また、左右だけでなく上半身と下半身、カラダの前面と後面のバランスも同じように変化していきます。

 著しい筋肉のバランスの崩れは姿勢の変化を引き起こし、肩こりや腰痛、関節痛などの痛みに繋がります。バランスボールを使うエクササイズは、正しい姿勢で使用しないとバランスを崩したり転倒したりしてしまうでしょう。そのため、無意識的に均等に負荷がかかり、筋肉のバランスを整える効果を高めます。

不安定性が高いので、体幹部が意識的に使われる

 バランスボールのエクササイズは、バランスを保つために腹筋や背筋など体幹部への刺激が多く入る種目が豊富です。また、肩関節・股関節のような大きく動く関節を安定させる筋肉にも刺激が入りやすいため、カラダ全体の安定性が高まります。

バランスボールでの痩せ効果(ボディメイク効果)について。継続的(年単位)に行うことで体型に変化が出る可能性はあるかと思います。その理由は、“姿勢保持筋”の活性です。バランスボールで正しい姿勢を維持すると、お腹の奥にあるインナーマッスルの活性および重力に抵抗した筋肉(抗重力筋)が使われます。とくに、ウエストまわりの引き締め効果が期待できます。

バランスボール、乗るだけで痩せる効果はある?メガロストレーナーが解説 より

弾性や形状を活かした使い方ができる

 他の器具にはない、弾性や形状を活かしたエクササイズができるのもポイントの一つです。弾性を活用して脚や腕で挟むエクササイズができたり、ボールに座って転がすような動作を行うことで骨盤の動きが良くなったり。あるいは、ボールを転がすように動かすことで筋肉に刺激を与えたりできるなど、バランスボール一つでトレーニングの幅が広がります。

 初心者の場合、ボールに座って弾んだりカラダを揺らしたりするだけでも、筋肉へリラックス効果をもたらしてくれるでしょう。ストレッチとして活用でき、遊び感覚で良い運動になります。また、ボールの形状を活用すると、腹筋や背筋のストレッチを効果的に行うことが可能です。

バランスボールを使ったトレーニングメニュー

クランチ

 バランスボールを使った、簡単な腹筋のエクササイズです。床で行うクランチに比べて安定性が悪いので、転倒に十分気をつけて行いましょう。

1.膝を90度に曲げ、両足を床に置き、仰向けで寝ます。両手は胸の前に組んでおきましょう。
2.上半身を起こしていきます。
3.限界まで起こしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。

 1〜3の動作を繰り返し行います。

◆鍛えられる部位

 体幹部全体に効果的です。

◆回数の目安

 10回×3セットを目安に行ってください。

◆トレーニングのポイント

 クランチよりも可動域が大きくなるため、負荷が高くなります。可動域を大きくするため、戻った時もしっかりバランスボールに背中がつくくらいまで戻りましょう。

 なお、バランスボールの位置を背中側へずらすことで強度が低くなりますが、できるだけ腰(骨盤)のあたりにバランスボールがくるようにしましょう。

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フロントブリッジ

1.バランスボールに両肘と前腕をつきます。脚はまっすぐ伸ばしましょう。
2.頭からカカトまでまっすぐになるように腰を持ち上げ、姿勢をキープします。

◆鍛えられる部位

 体幹部全体に効果的です。

◆回数の目安

 20秒間×3セットを目安に行ってください。

◆トレーニングのポイント

 姿勢をキープしている際、背中が丸まったりお尻が上がったりしないように注意してください。疲れてくるとバランスを取りにくくなりますが、姿勢を一直線にしたまま保持するようにしましょう。

プローンニートゥチェスト

 不安定な姿勢をしながら脚を動かす難しい種目です。よりハードに鍛えたい人は、ぜひチャレンジしてみてください。

1.腕立て伏せの姿勢になり、ボールに両足の爪先(もしくはスネ)を乗せます。
2.股関節と膝を曲げていき、お尻を高く上げながら足のボールを上半身のほうへ引き寄せましょう。
3.限界まで転がしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻します。

 1〜3の動作を繰り返します。

◆鍛えられる部位

 腹筋全体だけでなく、姿勢をキープするために肩関節周辺や腕に強い刺激が入るエクササイズです。

◆回数の目安

 10回×3セットを目安にしてください。

◆トレーニングのポイント

 負荷を高めるためには、ボールをできるだけ胸の方に近づけることがポイント。初めはスネの上で動かすことだけでもきついと思いますが、慣れてきたらスネを浮かせ、つま先でボールを動かすようにしてみてください。すると、可動域が広がりさらにハードになります。

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[著者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​スポーツ系専門学校での講師や健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師経験も多数。そのほか、テレビや雑誌でも出演・トレーニング監修を行う。日本トレーニング指導者協会JATI-ATI。
【HP】https://wada0129.wixsite.com/takumiwada

<Text&Photo:和田拓巳>