ヘルス&メンタル
2025年1月30日

どんどん太る…!なぜ?その理由を管理栄養士に聞いた (4/5)

ポイント2 脂質は控えめに

若山先生:反対に、控えた方が良いのが脂質。脂質は三大栄養素の中で、一番エネルギーが高い栄養素です。

タンパク質や炭水化物が1gあたり4kcalなのに対し、脂質は9kcalと倍以上も高カロリー。そのため少しの量でもたくさんのエネルギーが摂れてしまうため、太る原因になりやすいです。

脂質を控えるのは意外と簡単。

たとえばお肉を食べたい時は、サーロインや豚ばら肉ではなく、脂身の少ないヒレや豚もも肉、鶏むね肉やささみを選んだり、煮物や蒸し料理のように油をあまり使わないメニューにするなど、部位やメニューを変えるだけ。

少しの工夫で控えることができるので、ぜひ意識してみてくださいね。

脱・脂質のとりすぎ。食事を低脂質にしたい人が押さえておくべきポイント│管理栄養士の食トレ学

魚の脂やオリーブオイルなど、良質な脂質ならOK

若山先生:ひとくちに脂質といっても、実は基礎代謝アップに役立つ脂質もあります。

「良質な脂質」と呼ばれる脂質で、魚やナッツ類、アボカドなどに含まれる脂や、オリーブオイル、えごま油、アマニ油などです。

一般的な油と比べて太りにくく、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、血流をサポートしてくれる働きがあります。血流が良くなることで栄養が全身にスムーズに運ばれ、内臓の働きが活発化し、基礎代謝アップにつながります。

そのため脂質を摂るときは、良質な脂質を選んで適量摂るのがポイントです。

魚は油が多いから太る?お肉の脂質とはどう違うのか│管理栄養士の食トレ学

ポイント3 炭水化物は食物繊維が多いものを選んで摂ろう

若山先生:炭水化物は太りやすいと思って避けている方も多いのでは?

実は、炭水化物も基礎代謝アップに必要な栄養素。エネルギーとして消費されやすいので、適量摂る分には太りません。

炭水化物をきちんと摂らないとエネルギーが不足しやすくなります。すると先述の通り体がエネルギーを節約しようとしたり、代わりに筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとするため、基礎代謝が下がってどんどん太る原因に。

太りにくい体を作るためには炭水化物もきちんと摂ることが大切です。

炭水化物を摂るポイントは、食物繊維が多いものを選んで摂ること。

炭水化物が太りやすいと言われるのは、炭水化物に含まれる糖質が血糖値を急上昇させやすいためですが、食物繊維と一緒に摂ることで血糖値の急上昇を防ぎ、太りにくくなります。

血糖値が急上昇するとなぜ太りやすいのかというと、「インスリン」というホルモンが大量に分泌されるから。

インスリンは血糖値を下げるために糖を脂肪に変えてしまう働きがあるので、大量に分泌されるとたくさんの糖が脂肪に変わってしまい太りやすくなるのです。

でも食物繊維は糖の吸収を遅らせて血糖値の上昇を緩やかにしてくれる働きがあるので、一緒に摂ることでインスリンの分泌を抑えて脂肪をつきにくくしてくれるというわけ。

玄米・もち麦・雑穀米などがおすすめ

食物繊維が多い炭水化物とは、ご飯なら玄米やもち麦、雑穀米、パンならライ麦パン、麺なら全粒粉麺など、精製度の低いもの。

また、大豆やエンドウ豆、こんにゃくなどの食物繊維が豊富な食材を原料に使った低糖質パスタなどもあるのでおすすめです。

「もち麦」の“食物繊維”がダイエットに与える影響とは

ポイント4 食物繊維をたっぷり摂ろう

若山先生:食物繊維はたっぷり摂ることがおすすめです。

糖の吸収を遅らせてインスリンの分泌を抑えてくれるだけでなく、痩せるためにうれしい働きがたくさんあります。

食物繊維が多い食べ物は?安くて手軽なおすすめ食材|マッスルデリ管理栄養士が解説

まず、食物繊維は体内で消化されにくいためそのまま腸に届き、腸内環境をサポートしてくれます。腸内環境が良くないと、筋肉をつけることも、体脂肪を落とすことも阻害されてしまうので、どんどん太る原因に。

太りにくい体を作るためには、食物繊維を摂って腸内環境を整えることも大切なのです。女性に多いお悩みの1つである便秘解消にもつながりますよ。

また、食物繊維は食べ応えがあるものが多く、少量で満腹感を得やすいので、食べ過ぎを防ぐことにも役立ちます。

食物繊維は玄米などの他、野菜や果物、きのこ類、海藻類などに豊富なので、積極的に摂るように意識してみてください!

食べる順番もポイント。最初に食物繊維を摂ろう

食べる順番も太りにくい食事のポイント。「ベジファースト」という言葉を聞いたことがある女性も多いと思いますが、最初に野菜などで食物繊維を摂るのがおすすめです。

最初に食物繊維が胃腸に届くので、後から届く糖の吸収を効率よく遅らせ、インスリンの分泌を抑えて脂肪をつきにくくしてくれます。

最初に食物繊維を摂ったら、次はお肉やお魚などのタンパク質、最後にご飯などの炭水化物の順に食べるのがおすすめ。

さらに炭水化物を玄米やもち麦など食物繊維が豊富なものにすれば、二重で対策できてより太りにくくなります。

ポイント5 よく噛んでゆっくり食べよう

若山先生:太りにくくするためには、よく噛んでゆっくり食べることも大事です。

勢いよく食べる場合と、よく噛んでゆっくり食べる場合とでは、よく噛んでゆっくり食べる方が太りにくくなります。

ポイントは噛む回数。「噛む」こと自体が、あごの筋肉を使うため、噛めば噛むほど消費エネルギーが増えて太りにくくなります。

ガムを噛むと、どんなメリットがある?飲み込むのはダメ?ロッテに聞いてみた

また、よく噛むことで食べるスピードがゆっくりになると、血液中に栄養が吸収されるスピードもゆっくりになり、血糖値の上昇も緩やかに。すると先述の通りインスリンの分泌が抑えられるので脂肪がつきにくくなります。

さらに、よく噛むことで食欲を増進するホルモンが減少し、食欲を抑えるホルモンが増えるので、食べ過ぎを防げるメリットもあります。

1 2 3 4 5