フィットネス
2025年8月5日

「ゆる筋トレ」って意味ない?楽な筋トレでも効果はあるのかトレーナーに聞いた

ハードな筋トレは続かない。でも、軽い筋トレじゃ意味がない気がする。「ゆる筋トレ」系はSNSでも人気ですが、「本当に効果があるの?」と疑う声も少なくありません。

はたして、軽めの筋トレでも筋肉はつくのか? ダイエットや体づくりに役立つのか?

というわけで、「ゆるい筋トレのリアルな効果」と「正しい取り入れ方」について、STUDIO KOMPAS(スタジオコンパス)のトレーナー・山岸慎さんに聞きました。

「ゆる筋トレ」とは

「ゆる筋トレ」とは、短時間・低負荷・無理のない回数で行う軽めの筋力トレーニング。継続しやすさと習慣化を重視した運動スタイルです。

\たとえばこんな運動/

「ゆる筋トレ」って効果ある? 体にどんな変化が出るのか

筋肉をつけたい、健康維持、瘦せたい。「ゆる筋トレ」を行う理由はさまざまですが、ゆるくても続けていれば効果は期待できるものでしょうか? 筋肉をつけるには、筋肉に負担をかける「キツさ」も必要な気がしますが……。

「ゆる筋トレ」で筋肉はつく?

山岸さん:「ゆる筋トレで筋肉がつくかどうか」は、その人の運動習慣や身体の状態によって異なります。

たとえば、ケガの後で足を固定していたようなケースでは、一時的に筋肉量が大きく減少します。そういった状態から日常の歩行や軽い運動を再開することで、いつの間にか左右の筋肉バランスが整い、見た目も元に戻ることがあります。

このような例では、低負荷な運動でも十分に筋肉が反応し、回復や成長につながります。

「ゆる筋トレ=効果がない」というわけではありません。普段からある程度運動習慣があり、筋肉にある程度の刺激を与えている方にとっては、ゆるい運動だけでは負荷が足りず、筋肉量の維持や向上にはつながりにくいです。

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「ゆる筋トレ」で健康維持はできる?

山岸さん:私は、ゆるい筋トレでも健康維持には十分な効果があると考えています。

もちろん、筋肉量を大きく増やすにはある程度の負荷が必要です。しかし、健康を維持するために最も重要なのは、「日常的に体を動かし続けること」です。

身体は、使わない動作からどんどん衰えていきます。関節の可動域が狭くなり、筋肉の使い方にも偏りが生じると、そのアンバランスがやがて関節の痛みや不調として現れ、健康的な生活を妨げることにもつながります。

軽いスクワット、ウォーキング、椅子に座ったままでの体操といった低強度の運動でも、筋肉や関節に適度な刺激を与え、可動域の維持や機能改善を図ることができます。

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特に、運動が苦手な方や高齢の方にとっては、「きつくない」「続けやすい」ことが何より大切です。習慣として継続できる運動こそ、健康への最短ルートと言えます。

私自身がトレーニング指導を行う際も、常に「その方にとって無理がないこと」「その中で最大限の効果が得られる強度」を意識しています。

無理なく取り組める“ゆる筋トレ”は、健康的な日常を守るための確かな第一歩です。

「ゆる筋トレ」で痩せることはできる?

ゆるい筋トレだけで体脂肪を落とすのは難しいです。

脂肪を減らすためには、「カロリー収支」が重要です。消費カロリーより摂取カロリーが多ければ、どれだけ運動していても体脂肪は落ちにくくなります。

もちろん、ゆるい筋トレも代謝を維持したり、筋肉の減少を防いだりといった面では役立ちますが、減量やダイエット目的で効果を出すには、「食事管理との組み合わせ」が不可欠です。

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改めて知りたい!「ゆる筋トレ」に期待できる効果とは

健康維持や動作の質を高めるうえで、ゆる筋トレには大きな価値があると考えています。

人の身体は、使わない筋肉や関節はすぐに機能を低下させる性質があります。激しい運動でなくても、日常的に「刺激を与え続ける」ことが、身体の機能維持には不可欠です。

たとえば、「関節可動域を保つことで姿勢の崩れを予防」「立つ・座る・歩く・持ち上げる・引き上げるといった基本動作をスムーズに保つための土台を作る」といった効果が期待できます。

監修者プロフィール

トレーナー山岸 慎

2011年からトレーナーとして、モデル・アーティスト・俳優のサポートを行う。現在はJリーガーなどトップアスリートをはじめ、運動初心者まで様々な身体レベルの方のトレーニング指導を行なっている。所有資格NSCA-CSCS。

パーソナルトレーニングジム STUDIO KOMPAS渋谷南平台
ストレッチリラクゼーションサロン ESL(エッセンシャル ストレッチ ラボ)

<Edit:編集部>