ランニング
フィットネス
2025年9月11日

ランニングを毎日続けるとどうなる?効果とメリデメ、走る分数・ペースを専門家が解説 (2/2)

毎日ランニングは、何分・どのくらいのペースが効果的?

毎日続けたい人は、15〜30分程度の軽いランニングを目安にしましょう。強度は「会話できるけれど少し息が弾む」くらいが理想です。無理に長時間走る必要はなく、短時間でも習慣化することが大切です。

軽いランニングでも起こり得るデメリット

短時間で会話できる程度の軽いランニングであっても、毎日続けることで小さな不調や精神的な負担が積み重なる場合があります。ここでは注意しておきたいデメリットを紹介します。

軽い疲労の積み重なり

強い疲労感まではいかなくても、毎日走ると足のだるさや筋肉の張りが残ることがあります。睡眠不足や仕事の疲れが重なると、「軽いジョグでも疲れが抜けない」と感じることがあります。

慢性的な関節や腱の負担

膝や足首、足裏は小さな衝撃でも毎日繰り返し受け続けます。硬い路面や合わないシューズで走ると、軽いジョグでもシンスプリントや足底筋膜炎につながることがあります。

モチベーションの低下

軽いランでも「毎日欠かさずやらなきゃ」と思うと精神的なプレッシャーになることがあります。義務感が強くなり、楽しさを失ってしまうケースも少なくありません。

目的別ランニングのおすすめ頻度

ランニングの効果は目的によって大きく変わります。毎日走る必要があるのか、週に何回が良いのかは目指すゴール次第です。代表的な目的別の理想的な頻度を紹介します。

健康維持の場合

健康を目的とするなら、週に3〜4回のランニングが理想です。1回あたり20〜30分を目安に、会話できるくらいのペースで走りましょう。

短時間でも血流が良くなり、気分のリフレッシュ効果も得られます。毎日走る必要はなく、ウォーキングや軽い体操と組み合わせても十分です。

ダイエットの場合

脂肪を効率的に減らすには、週に4〜5回程度のランニングがおすすめです。1回30〜60分を目安にすると、脂肪燃焼が進みやすくなります。

ただし有酸素運動だけに頼ると筋肉量が落ち、基礎代謝が下がるおそれがあります。スクワットやプランクなどの筋トレを並行して行うことで、体を引き締めながらリバウンドも防ぎやすくなります。

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マラソン完走を目指す場合

大会出場を目標にするなら、週5〜6回の練習が必要です。1週間に40〜60kmを目安に、ロング走やビルドアップ走など強度の高いメニューを取り入れます。

ただし強度の高い練習ばかりを毎日続けるとケガにつながります。週に1〜2日は完全休養を設け、走らない日を戦略的に作ることが完走への近道です。

タイム短縮を狙う場合

記録更新を狙うなら、インターバル走や閾値走を取り入れた週5〜6回の練習が必要です。1回あたり30〜75分を目安に、強度と回復のバランスを意識します。

走力向上にはスピード練習とジョグの組み合わせが欠かせません。疲労を感じるときはあえて休みを取ることが、結果的にパフォーマンス向上につながります。

毎日ランニングを効果的にするコツ

毎日走ることを習慣にしたい場合は、強度や内容を工夫することで体への負担を減らし、良い効果を得やすくなります。ここでは継続のために取り入れたい工夫を紹介します。

距離や時間を短くする

毎日走るなら、1回あたり15〜25分の短時間ランニングがおすすめです。長時間走ると疲労やケガのリスクが高まるため、軽めに抑えることが継続のコツになります。時間で管理すれば無理がなく、忙しい日でも走る習慣を維持できます。

強弱をつけてメリハリを出す

毎日同じ強度で走ると体に負担がかかりやすくなります。ゆっくり走る日と少し速めに走る日を分けると、体にかかるストレスが分散されます。「ジョグの日」「ペース走の日」といった具合に走り方を変えると、飽きずに続けられるのも利点です。

クロストレーニングを取り入れる

走る以外の運動を取り入れると、体への負担を減らしながら運動効果を得られます。筋トレや水泳、自転車などを行えば、下半身以外の筋肉や持久力も鍛えられます。クロストレーニングはケガの予防にもつながるため、ランニングと組み合わせると長期的な成長が期待できます。

路面やシューズを工夫する

毎日走るときは路面の硬さにも注意が必要です。アスファルトばかりを走ると関節に負担がかかるため、芝生や土のコースを選ぶのが理想です。

シューズはクッション性があり、自分の足に合ったものを選びましょう。消耗したまま履き続けるとケガにつながるため、定期的に買い替えることが大切です。

続けるコツとモチベーション維持

ランニングは「継続すること」自体が成果につながります。三日坊主で終わらせず、楽しく走り続けるためには工夫が必要です。ここでは続けるための具体的な方法を紹介します。

データを記録して達成感を得る

距離やタイムをアプリで記録すると、成長を実感しやすくなります。前回より少し速く走れた、長く走れたといった小さな進歩がモチベーションにつながります。記録をグラフで可視化できるサービスを利用すると、習慣化がしやすくなります。

小さな目標を設定する

「週に3回走る」「1回20分続ける」など、達成しやすい目標を立てましょう。達成感が積み重なれば自信となり、自然に次の目標へ進みたくなります。大きな目標よりも、身近で現実的な目標を優先することが継続の秘訣です。

仲間や大会に参加する

仲間と一緒に走ったり、大会にエントリーしたりすると、継続のモチベーションが高まります。コミュニティの存在は「一人では続かない」という課題を解決してくれます。SNSやランニングイベントに参加するのも効果的です。

挫折しても再開すればよいと考える

STRAVAの調査では、新年にランニングを始めた人の多くが3週目で挫折すると報告されています。挫折は珍しいことではなく、誰にでも起こり得ます。

大切なのはやめないことではなく、「また始めること」です。気楽に再開できる気持ちを持つことが、長く続けるための最大のコツです。

よくある質問(Q&A)

ランニングを毎日続けたいと考える人が抱く疑問をまとめました。気になる点を短く分かりやすく解説します。

毎日30分走ると痩せますか

30分走ると体重60kgの人で200〜300kcal程度を消費します。食事管理と合わせれば体脂肪は減りやすくなります。ただし走るだけでは大きな減量は期待できません。

週に何回走るのがベストですか

目的によって異なります。健康維持なら週3〜4回、ダイエットなら週4〜5回、マラソン大会を目指すなら週5〜6回が目安です。

毎日何キロ走ればいいですか

距離で管理するより、時間と強度で調整するほうが安全です。初心者なら1回20〜30分、会話できるペースで走るのが最適です。

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監修者プロフィール

なか整形外科京都西院リハビリテーションクリニック
院長 樋口 直彦 先生

なか整形外科樋口 直彦帝京大学医学部卒業後、いくつかの病院で勤務し、院長を経験後、2021年1月に医療法人藍整会 なか整形外科の理事長に就任。バレーボールVリーグ「サントリーサンバーズ」のチームドクターも務める。骨折治療をはじめ関節外科、スポーツ整形外科を専門に治療。

<Edit:編集部>

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