スクワット
フィットネス
2025年9月26日

毎日スクワットの驚くべき効果とは|30回・50回・100回…ベストな回数はどれ? (1/2)

「筋トレの王様はスクワット」「スクワットが最強」なんて話を聞きますが、毎日スクワットを行う効果はどれほどなのか。トレーナーに聞きました。

Q.毎日スクワットの効果は?

A.自重スクワットを毎日続けることで、ダイエット・体型改善・健康維持のすべてに大きな効果が期待できます。

「下半身には全身の約6割の筋肉が集まっていて、毎日刺激することで基礎代謝が高まり、痩せやすく太りにくい体質づくりにつながります。さらに、継続することで立ち座り・階段昇降などの日常動作の向上、下半身の引き締め、むくみ解消、腰痛予防にも有効であり、見た目の変化や身体の機能改善も得られやすくなります。

一方で、ダンベルやバーベルを担ぐような高負荷スクワットを毎日続けると、筋肉の回復が追いつかず逆効果になることもあります。毎日行うなら、自重で正しいフォームを意識するのが安全で効果的です」

そう語るのは、パーソナルトレーナーの深澤 智也さん。数々のトレーナー資格を持ち、海上自衛隊で10年従事した経験を持つ、トレーニングのプロです。

毎日スクワットの効果がすごい理由

スクワットは単に脚を鍛えるだけでなく、基礎代謝の上昇やスタイル改善、健康面へのメリットまで多方面に作用します。特に注目すべき効果を解説します。

基礎代謝が上がり痩せやすい体質に

スクワットは体全体の約6割の下半身の大きな筋肉を刺激するため、基礎代謝を上げやすい運動です(*)。基礎代謝が上がると、日常生活のちょっとした動きでもエネルギー消費が増えるため、自然と「痩せやすく太りにくい体」に近づいていきます。

ただし効果を実感するには、正しいフォームで継続することが大前提。毎日のトレーニングで成果を出すために、まずは正しいやり方を身につけましょう。

*e-ヘルスネット「筋肉量と基礎代謝」(厚生労働省)

有酸素運動並みの消費カロリーに

研究では、1セットで20〜30回ほどで限界になるような中程度以上の強度でスクワットを行った場合、有酸素運動に匹敵するエネルギー消費が報告されています(*血流制限を伴うものや高負荷条件での研究)。

例えば、体重60kgの人が中程度以上の強度(6〜8MET)で5分スクワットをすると、約40〜60kcalを消費します。これはジョギング7〜9分程度に匹敵します。この強度を意識して続ければ、単なる筋トレにとどまらず、脂肪燃焼や持久力アップといった有酸素運動に近い効果も得られます。

*Garcia-Sillero et al., J. Clin. Med., 2023Hu et al., J. Sports Sci. Med., 2025

血流改善・むくみ解消・冷え改善に有効

スクワットには下半身の血流を促す働きがあり、むくみや冷えの改善に役立つ可能性が示されています(*実験条件は短期・限定的)。血液の巡りがよくなると、脚のだるさが軽くなったり、体が温まりやすくなるメリットがあります。

特にデスクワーク中心で長時間座りっぱなしの方にとっては、立ち上がってスクワットを数回行うだけでも手軽なリフレッシュになります。

*PubMed

骨密度を保ち、テストステロンが増え筋肉がつきやすく

骨密度維持やテストステロン分泌の促進については、中高年男性を対象にした研究で関連性が示されています(*)。骨密度が保たれると骨折や骨粗しょう症のリスクを減らせるほか、テストステロンが増えることで筋肉がつきやすくなり、代謝や活力アップにもつながると考えられています。

対象は中高年男性の研究が中心のため、誰にでも同じ効果が得られるわけではありません。ただし、特に40代以降の男性にとってはプラス要素になりやすく、女性でも骨粗しょう症予防という観点からメリットがあります。

*Wu et al., J. Orthop. Surg. Res., 2021Yeap et al., J. Clin. Med., 2021

次:30回・50回・100回…毎日やるなら何回がいい?

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