2020年8月3日

夏のランニング練習は「トラック」がおすすめ。実践者が教えるトレーニングメニュー3選 (1/2)

 いよいよ夏本番! 連日、暑い日が続くことでしょう。暑さに負けて練習をサボってしまうと、いざシーズンとなってから思うように結果が残せないかもしれません。夏こそ周囲と差をつけ、目標達成に近づく重要な時期といえるでしょう。

 とはいえ追い込み過ぎれば、熱中症や脱水症などの危険も高まります。暑さに負けず、しかし効果的に練習するにはどうすればいいのでしょうか。そんなときには、近くに陸上競技場のトラックがあれば、ぜひ活用してみましょう。あるいは、目安1km以内ほどの周回コースがあれば、そうした場所でも構いません。その理由と、トラックを使ったオススメの練習方法を紹介していきます。

暑い時期にトラック練習がオススメの理由

 まず、なぜ暑い時期にトラック練習がオススメなのでしょうか。高いパフォーマンスを維持し、かつ安全に練習するうえで重要なことですので、覚えておいてください。

1)好きなタイミングでこまめに給水できる

 トラックは1周400m。つまりスタート地点に水分を置いておけば、400mごとに給水できることになります。もちろん1周回ごとでなくとも構いませんが、脱水などを予防するには早い段階からこまめな給水が大切です。バックパックを背負えば水分を持ったまま走れますが、練習内容によっては重さが邪魔になります。しっかりペースを上げたい練習でも、重さによって上げきれなければ練習の効果は低下するでしょう。トラックなら身軽に走りながらも給水を十分に取りつつ練習できます。

2)周囲から見えれば“万が一”の際に安心

 多くの陸上競技場には管理者が常駐しているほか、周囲からも中が見える構造となっています。タイミングによっては、他にも練習しているランナーがいるでしょう。もし具合が悪くなって倒れても、すぐに周囲が助けてくれます。もちろん自分が声を出して助けを呼ぶこともできるでしょう。そのため、万が一の備えとして安全性が高まります。

 冒頭で「トラックではなく、短めの周回コースでもいい」とお伝えしましたが、できるだけ「周囲に人がいる」「まわりから自分が見える」場所を選びましょう。

3)周囲のランナーや学生から刺激が受けられる

 平日の日中などを除き、陸上競技場には大勢のランナーや学生の陸上部員がいます。誰もが真剣に取り組んでおり、その姿はモチベーションアップに繋がる刺激となるでしょう。たとえクラブなどに所属せず1人で練習している方でも、まわりに走っている人がいれば仲間ができたかのような感覚が得られます。もちろん定期的に通っていれば、いつも同じ時間に出会うランナーと会話が生まれるかもしれません。

トラックで取り組みたい練習方法と実践ポイント

 それでは、実際にどのような練習を行えばよいのでしょうか。もちろん、ずっと周回しながらジョギングに取り組むこともできます。しかし、せっかくトラックで走るなら、その特性を活かしたトレーニングに挑戦してみてください。ここでは、オススメの練習方法を3つご紹介します。

1)インターバル走

 速いペースでのランニングと、ゆっくりしたジョギングでの休憩(=レスト)を交互に行うトレーニング。最大酸素摂取量や心肺機能、スピード持久力の向上などが目的です。ペースの目安は、「このペースで走り続けるのは10〜15分が限界」と感じる程度。そのため、かなり身体への負荷が高くなります。

 ランニングの距離は400mや800m、1000m、1500mなど。レストは、ランニングした時間と同じくらい取るとよいでしょう。本数は5〜10本ほどとして、距離が長いものほど減らしましょう。私の場合、以下のようなインターバル走をよく行っています。

・1500m×4本
・1000m×5本
・800m×6本
・400m×10本
・800m×5本+400m×2本 など

 ポイントは、しっかり最後まで設定ペースで走り切ること。少しずつ疲労が蓄積してきますが、レストの時間もきっちり守りましょう。なお、走る距離をあまり長く取り過ぎると、前述のようなペースは維持できません。自然とペースを遅く設定することとなり、インターバル走としての効果は下がってしまいます。インターバル走は“長く走ればいい”というものではありませんので、注意してください。

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