筋肉痛のときも筋トレしていい?休む基準は?トレーニングのウソ・ホント
筋肉痛が出ている時に筋トレをしても良いのか……悩みますよね。逆効果という噂もあるので、うかつに筋トレができない人も少なくないでしょう。
そこで「筋肉痛でも筋トレしていいのか」「休むべき基準」「逆効果という噂は本当か」などを解説します。
筋肉痛のときでも筋トレしていい? 休むべき?
筋肉痛が出ている時は、基本的に負荷の強い筋トレはおすすめしません。
筋肉痛のときは、休息するか、軽い運動に留めて筋肉の修復(超回復)を優先させたほうが、筋肥大や筋力維持に効率的です。
筋肉痛時の筋トレは逆効果なのか
筋肉痛の時に休息をとらないと、筋肉が十分に回復する前に再び筋肉が破壊されてしまいます。そのため、筋肉が成長しないうえ、疲労が蓄積してパフォーマンスが向上せず、逆効果になる可能性があります。
また、筋肉痛が出ていると以下のようなデメリットが起こる可能性があり、効果的にトレーニングを行うことができなくなります。
筋肉痛のときに筋トレを行うデメリット
- 痛みで全力を出せない
- 痛みで集中できない
- 痛みで関節可動域が狭くなる
筋トレを休むべき基準とは
では、筋トレを休むべき基準とは。
- 疲労が蓄積されて、どうしてもやる気がなくなる
- 筋トレのやりすぎで、疲労が蓄積している
このような時は、十分なパフォーマンスが発揮できずに怪我をしてしまう可能性があります。そういった場合はしっかり栄養補給して休みましょう。
休養も筋トレの一部ですので、自分に合った方法で行なってみてください。
▼トレーニングを休むか休まないか悩むときに
筋肉痛があるときのトレーニングは? 守るべきルール
筋肉痛が起きているということは、筋肉に負担がかかっているということ。そのため、できる限り休息を取った方が良いですが、筋肉痛でも体を動かしたいという人もいるでしょう。
ここでは、筋肉痛のときでもできる筋肉増強方法をご紹介します。
負荷が低い、軽めの運動をする
筋肉痛の時は、筋肉に負担をかけない低負荷の運動ならしても良いでしょう。低負荷と言っても無理は厳禁。息が軽くあがる程度に抑えておきましょう。
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筋肉痛がない部位の筋トレを行う
筋肉痛が出ていない筋肉は、基本的に鍛えても問題ありません。
「腕が筋肉痛ならば、下半身を鍛える」「腹部が筋肉痛なら、肩を鍛える」など、筋肉痛の場所を避けてトレーニングをすると良いでしょう。
とはいえ、過度な筋トレは、慢性疲労の状態につながります。倦怠感・息切れ・食欲低下・不眠の原因になるので注意してください。
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筋肉痛っていいこと? 筋肉に効いてる証拠なのか
筋肉をつけたい人にとって、筋肉痛は「いいこと」と言えるでしょう。
筋肉を使うと筋繊維に小さな裂け目ができ、この裂け目を修復しようと、炎症や痛みが引き起こされます。これが筋肉痛です。
しっかりと筋肉を使った場合、「筋繊維に裂け目ができる→修復される→以前よりも強い筋肉になる」ということが起きるため、筋肉をつけたい人にとって筋肉痛はいいことと言えるのです。
つまり、筋肉痛は筋肉がついている証拠! 筋トレを頑張った自分へのご褒美と言って良いかもしれませんね。
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筋トレ民の疑問! 筋肉痛はプロテインで収まるの?
プロテインによって、筋肉痛の痛みや炎症は収まらないと言えます。
プロテインによって、筋トレで負荷がかかった筋肉の修復・成長を助けることはできると考えられますが、筋肉の損傷による痛みを和らげる効果はありません。
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毎日筋トレをする人はどんなやり方が効果的なのか
毎日筋トレをしたい人は、どのような方法があるでしょうか。
毎日筋トレをしたい人は「パーツごと」に鍛えよう
ちなみに1度のトレーニングで全身を鍛えると、翌日は全身筋肉痛でトレーニングできなくなってしまいます。
そのため、トレーニング頻度を増やすためにも、部位を分けてトレーニングすることをオススメします。筋肉痛の出ていない筋肉は鍛えても問題ないのです。
とはいえ、過度なトレーニングはオーバーワークの原因にもなるため、やりすぎは禁物です。
オーバートレーニング症候群とは、過剰なトレーニングが長時間続くことによって疲労が徐々に蓄積し、回復できなくなった慢性疲労状態のこと。いつも通りパフォーマンスを発揮できなくなるだけでなく、日常生活でもカラダが重く感じたり息切れしたり、食欲低下、手足のしびれ、体重の減少などの「身体的な症状」と、不眠や不安、集中力低下などの「精神的な症状」が現れます。
練習のしすぎで起きる「オーバートレーニング症候群」とは。原因・症状・予防法を解説 より
筋肉痛を早く回復させるには
筋肉痛になってしまったら、アイシング、ストレッチ、軽めの運動(アクティブレスト)、入浴などでサポートしましょう。
血流促進で栄養を早く筋肉へ届けることで、筋肉痛の回復をサポートできると考えられます。
筋肉痛をあらかじめ予防する方法
筋肉痛を100%防ぐことはできませんが、数日前から筋肉痛になりそうな部分をマッサージしておき、運動後の数日間も同じくマッサージを行うと、予防につながると言われています。
運動前には動きながら体をほぐす「動的ストレッチ」を、運動後はゆっくり体を伸ばす「静的ストレッチ」を念入りに行いましょう。
筋肉痛と年齢は関係ある?
「筋肉痛が2~3日後にくるのは、歳をとった証拠」という言葉をよく聞きますが、筋肉痛と年齢に因果関係はないとされています。関係があるのは“運動強度”です。
強度が高い運動を行うと筋肉痛は比較的早く訪れ、逆に強度が低い運動を長時間行うようなパターンでは、筋肉痛が遅れてやってくることが多いのです。
筋肉痛が遅く出る原因に、年齢は関係ありません。筋肉痛が出るタイミングは“運動強度”に関係しているのです。強度が高くハードな運動を行うと、比較的早く筋肉痛は出てきます。逆に、強度が低く長時間行うような運動の場合は、筋肉痛が遅く出てくるのです。
「筋肉痛は年をとると遅く出る」は間違い。その理由は?トレーニングのウソ・ホント より
筋肉痛になりやすい運動とは
筋肉が引き伸ばされながら力を発揮する「伸張性筋収縮(エキセントリック・コントラクション)」は、筋肉痛になりやすい動きです。
重いものを降ろすときや、階段・坂道を下ったり、ダッシュ時に急に方向を変えるなどの動作は、筋肉痛になりやすいと言えます。
また、慣れていない動きも筋肉痛の原因になり得ます。これは鍛え足りないわけではなく、アスリート選手も、普段と異なる動きのトレーニングを行うと筋肉痛になります。
筆者プロフィール
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師のほか、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、さまざまなメディアで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会(JATI-ATI)の認定トレーニング指導者
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<Text:和田拓巳>