フィットネス
2020年9月14日

体を鍛える、ちょっと変わったエクササイズ&筋トレ4選

 カラダを鍛えるためのトレーニングは、ウエイトトレーニングだけではありません。最近では多様なトレーニングギアが販売され、変わったトレーニング方法もたくさん行われています。今回はウエイトトレーニングとは違った、変わり種のエクササイズをご紹介しましょう。

1.ロープトレーニング

 最近では、スポーツクラブでも見かけるようになったロープトレーニング。マシンが並ぶトレーニングエリアに、やけに長い綱引きのようなロープが置いてあり、一体何に使うのかと疑問に思った人もいるはずです。名称はいろいろありますが、一般的には「バトルロープ」と呼ばれています。太めのロープを使って、波打つようにロープを動かすトレーニング方法です。

 ロープトレーニングでは、ロープを動かすための上半身の筋肉やカラダを支えるための体幹部・下半身の筋肉など、全身の筋力と筋持久力を一度に高めることができます。また、一定時間ロープを動かし続けることで心肺持久力を高めるほか、脂肪燃焼効果も期待できます。

 トレーニング方法としては、20秒全力でロープを動かし、20秒間休むというようなインターバルトレーニングとして行います。かなりハードなエクササイズですが、振り方やペースなどを個人の体力に合わせて行えるので、誰でもチャレンジできるでしょう。いつも通っているスポーツジムにロープが置いてあったら、取り組んでみてはいかがでしょうか。ちなみにロープトレーニングを行うタイミングとしては、筋トレ後をオススメします。

2.ウォーターバッグトレーニング

 アスリートが、ボストンバッグのような大きなバックを抱えてエクササイズしているのを見たことはありませんか? それは「ウォーターバッグ」と呼ばれるトレーニングギアです。ウォーターバッグはその名の通り、バッグの中に水が入っていて重さがあるバッグ。しかしこの水が、トレーニング効果を高めてくれるポイントになります。

 水は、バッグの中一杯に入っているわけではありません。そのため、動作を行うとバッグの中の水が揺れることで負荷が変化し、バランスを崩しやすくなるのです。バランスを崩さないようカラダを安定させることで、筋肉に対する負荷を強くさせたり、カラダを安定させる能力を高めることができます。

3.ViPR(ヴァイパー)トレーニング

 丸太のようなものを持ってエクササイズするのが「ViPR(ヴァイパー)」です。ウォーターバッグ同様、さまざまな持ち方でViPRを保持したままカラダを動かすことにより、動きに対して負荷をかけ、全身を刺激します。ViPRはカナダ発祥で、アイスホッケー用のフィジカルトレーニングとして考案されました。ただ筋力を向上させるだけではなく、人間の動きに対して負荷をかけることで、筋トレの効果と競技の動きをうまく結びつけ、パフォーマンスを向上させるトレーニングとして取り入れられています。

 ViPRは、プログラムや教育制度がしっかり整っているのが特徴です。ViPRを購入するためには事前に講習を受講し、ライセンスを取得していることが条件。その背景には、きちんとしたプログラムや指導方法を理解してからようやく使えるという、プログラムの質を低下させない工夫がされています。

 ViPRを使ったエクササイズをやってみたい人は、指導ライセンスを持ったパーソナルトレーナーに指導を受けるか、スポーツクラブでのスタジオレッスンを受けてみてください。

4.スライドボードトレーニング

 滑るシートの上を、スケートのように横に滑るようにカラダを動かすトレーニングが「スライドボード」です。一見するとただ滑って遊んでいるように見えますが、実はけっこうきついトレーニングです。特にお尻を中心に、太ももなどの下半身全体や体幹部に大きな刺激が入ります。

 また、有酸素運動としての効果もあり、ダイエットのためにスライドボードを行っている人もいるようです。ウォーキングやランニングなどの有酸素運動に比べ、着地時にカラダが地面から受ける衝撃がありません。そのため、膝や足首などの関節に負担が少なく、ケガをしにくいというのもポイントです。スケートのような動きですが、スケートの選手だけでなく、さまざまな競技の選手がスライドボードをトレーニングに活用しています。

筋肉をうまく使って体を鍛えるエクササイズ

 今回は、少し変わったトレーニング方法を4つご紹介しました。どれも一般の人からプロアスリートまで、誰もが行うことができるトレーニング方法です。これらトレーニングにおける共通の目的は、「動けるカラダづくり」という点です。筋肉を大きくしたり持久力を求めたりするというより、動きに対して負荷をかけることで、競技や日常生活で必要とされる動作の筋肉を鍛えるというのが1番の目的となっています。

 ウエイトトレーニングで高めた筋力も、うまく動作につなげなければ意味がありません。これらのトレーニングは、筋トレと競技技術の橋渡し的なトレーニング方法といえるでしょう。

[筆者プロフィール] 
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師のほか、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、さまざまなメディアで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会(JATI-ATI)の認定トレーニング指導者
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<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>