初心者のゴルフクラブの選び方。種類と費用は? 何本買えばいいの?
ゴルフを始めるにあたっては、ゴルフクラブ、ウェア、シューズなどいろいろな物を買い揃える必要があります。その中でも予算がかかるのがゴルフクラブです。種類も価格の幅も大きく、初心者に立ちはだかる最初の難関です。
そもそも、どんなクラブを買えばいいのか、未経験者にはわかるはずもありません。
今回は必要なクラブの本数など基本的な知識の話だけでなく、最新のゴルフクラブ事情をよく知る「Victoria Golf」に、売れている価格帯などのお話を聞いてきました。予算だけではない、ゴルフクラブの選び方を覚えておきましょう。
ラウンドするには何本のクラブが必要か
ゴルフ中継などでキャディが担ぐバッグには何本のクラブが入っているか知っていますか。たいていの場合が14本。ルールでコースに持っていけるのは14本以下と決まっているからです。
アマチュアにも適用されるルールなので、とりあえず14本を上限に買い揃えるようにします。
ただし、初心者のうちはフルに揃えても使いこなすのは難しいもの。必要最小限の本数でも問題ありません。以下の計9本があれば、ラウンド中のほとんどの局面に対応できます。
必要な9本のゴルフクラブ例
[1本]1W(1番ウッド=ドライバー)
[4本]6I~9I(6番~9番アイアン)
[1本]UT(ユーティリティ)
[1本]PW(ピッチングウェッジ)
[1本]SW(サンドウェッジ)
[1本]パター
ゴルフクラブの販売は、アイアンはセット、ウッドはバラというのが一般的です。これらを購入する場合、アイアンセットに、ドライバーやパターなどを足していきます。
ただしこうした購入法は、クラブに対する知識のない初心者に向いているとはいえません。最低限必要なクラブとキャディバッグを揃えたフルセット商品を利用したほうがいいでしょう。
初心者はどこで購入するのがいいのか
▲Victoria Golf御茶ノ水店 ゴルフクラブアドバイザー 古積豊人さん
ゴルフクラブは、ゴルフショップ、中古店、通販などで購入できますが、初心者には、知識豊富なアドバイザーから適切なサポートを受けられるゴルフショップがお勧めです。
ショップで購入するメリットを「Victoria Golf御茶ノ水店」でゴルフクラブアドバイザーを務める古積豊人さんにお聞きしました。
「初心者から購入の相談を受けた場合は、予算をお聞きし、さらに購入者のスポーツ履歴などを確認して、その方に合うクラブセットをお勧めしています。専門店では試打施設(シミュレーションゴルフ)が充実しているのも特徴です。何度かゴルフを楽しんだことがあってクラブを買い替えようとしているなら、試打をしてヘッドスピードやスイングのクセを分析したうえで、自分にあったクラブを選ぶこともできます」(古積さん)
高性能なクラブは上達も早くなる!?
▲Victoria Golf御茶ノ水店3F「メンズクラブ・パッティングレンジ」フロア
ゴルフクラブは、ドライバーなら1本10万円を超えるようなものもあります。一方、安売りの品では1万円程度のものも。10万円のものは当然高性能、そちらを買ったほうが上手くなりそうですが、ことはそう単純ではありません。
あくまで一般論としてではありますが、高性能なクラブはプレイヤーを選ぶことが多いのです。初心者では使いこなすのが難しくなるタイプも少なくありません。一方、入門用のクラブは幅広い層が使えるように設計されていて、価格も抑えられています。
高性能のクラブにチャレンジするのは、ある程度腕を上げてからでもいいのではないでしょうか。そのころには自分に向くクラブ、不向きなクラブのジャッジもできるようになっているはずです。
クラブを選ぶ基準はほかにもある
ちょっと専門的になりますが、クラブを選ぶ具体的な基準にも触れておきましょう。
ウッド系、アイアン系に共通するのがシャフトの硬さです。硬度別に<S><SR><R>と表記されています。
<S>は硬く、飛ばすには力、つまりヘッドスピードが必要になります。一方、<R>は柔らかく、力がなくてもシャフトのしなりを利用して飛ばすことができます。
<SR>は<S>と<R>の中間、ほどほどの硬さということです。ある程度筋力がある人は<SR>以上、筋力のない人は<R>を選ぶようにします。
ゴルフクラブのシャフト部にはいずれかの記号が表示されているので必ず確認するようにしてください。
もうひとつはヘッド部分のロフト角です。
たとえばドライバーなら9度から11度くらいの範囲で表記されています。角度が小さいほど遠くに飛ばすためにはヘッドスピード(クラブを振るスピード)が必要になります。
クラブ購入の平均予算は「総額10万円」なり
最後に非常に悩ましいクラブセットの価格帯です。初心者が高性能のクラブを購入しても上達に直結しないことは前述のとおりです。
では、セットで購入する価格帯の手がかりを売れ筋セットから探ってみましょう。
「キャディバッグ付きフルセット商品の一般的な価格帯は、7万円から10万円程度です。レディスの場合はフルセットではなく、ハーフセットが主流なので3割~4割程度下がります。7万円のセットを選んだ場合、ウェアやシューズなどクラブ以外に必要なものを入れても10万円あれば足ります。これがひとつの目安になると思います」(古積さん)
ショップで購入する場合、セット商品最低価格帯は「7万円から」を目安にしておくと予算を立てやすいでしょう。
もっと安く上げたいという場合は、ノンブランド商品や中古品などから選ぶ手はありますが、そのときは詳しい人に確認してもらうのが賢明です。
さて、ゴルフは道具を揃えるまでは予算も時間も大変ですが、揃えてしまえば後は自分しだいです。この価格を高いと感じるか、安いと感じるかは、今後のゴルフ人生が答えを出してくれるはずです。
【取材協力】
Victoria Golf御茶ノ水店
[住所]東京都千代田区神田小川町2-5
[TEL]03-3219-2781
[営業]平日11:00~20:00/土・日・祝日10:30~19:30
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<Text:瀬戸嶋勝+アート・サプライ>