フィットネス
2020年10月19日

“筋を伸ばして”筋トレすると、筋肥大効果が高まる。立命館大学研究グループが発見

 日々行うトレーニングも、可能な限り効率的に行いたいもの。そんな方に耳寄りな情報が入ってきました。

 立命館大学総合科学技術研究機構の前大純朗専門研究員らの研究グループは、筋が伸ばされた状態でトレーニングを行うと、筋肥大効果が高まることを明らかにしました。

スポーツパフォーマンスの向上やトレーニング効率アップに有効な研究成果

 同グループは、今回の研究にあたり、健常な若年男女20人に対して片脚を座位で、逆脚を伏臥位(うつ伏せ)で、同じレッグカールトレーニングを実施。太もも裏に位置するハムストリングスの増長効果について検証しました。

▲座った状態でのレッグカール

▲うつ伏せの状態でのレッグカール

 どうしてハムストリングスが研究対象にチョイスされたかと言うと、ハムストリングスは膝関節の屈曲(膝を曲げる動作)と股関節の伸展(脚を後方に押し出す動作)によって作用する筋なので、関節の角度の影響を受けやすい=体勢に左右されやすいため。

 結果、ハムストリングスがより伸ばされる座位(座った状態)でのレッグカールトレーニングは、うつ伏せで行う場合と比べ、ハムストリングスの筋肥大の程度が1.5倍も大きくなったといいます。

 ハムストリングスの増強は、走るスピードをはじめ、運動パフォーマンスアップに役立つ部位。もちろん、鍛えることで肉離れをはじめとした怪我の予防にも有効です。

 同グループは今回の研究成果について、「アスリートや運動愛好家だけではなく、健康の維持・増進のために積極的な運動・トレーニングが推奨されている現在、本研究の成果は、多くの人々の運動パフォーマンスや生活の質の改善に大きく寄与しうると期待できます」としています。

<Text:辻村/Photo:Getty Images>