
筋肉痛でも筋トレするべき?やめたほうがいい?筋肉の修復を早めるコツ (1/3)
「トレーニングの翌朝、筋肉痛でベッドから起き上がるのがつらい」、「筋肉痛で階段の上り下りもひと苦労」……このような経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
筋トレの後に襲ってくる、うずくような筋肉痛は、ひどい場合は日常生活に支障をきたすこともあります。
そこで今回は、筋肉痛のメカニズムや対処法をヨガインストラクターが詳しく解説します。
筋肉痛とはどんな症状(状態)を指すのか
筋肉痛とは、スポーツやトレーニングなどによって生じる筋肉の痛みを指します。
ハードな運動の後や、同じ動きをくり返して負荷をかけるレジスタンス運動(筋トレ)の後に起こりやすく、負荷をかけた部位の筋肉に痛みが生じ、ひどい場合は動くのも苦痛に感じます。
筋肉痛の種類は以下があります。
- 運動の最中や直後にあらわれる「即発性筋肉痛」
- 運動して数時間から数日経ってから起こる「遅発性筋肉痛」
筋トレにおける筋肉痛の原因
筋肉痛になる原因は諸説あるとされていますが、現在では、筋トレなどの運動によって、負荷がかかった部位の筋肉の繊維や周りの組織が微細に損傷し、それを修復する過程で痛みが生じると考えられています。
筋トレによって損傷した筋線維を修復するときに炎症が起き、ブラジキニンなどの発痛物質が生産されることで痛みを感じるのです。
筋肉痛の痛みはいつまで続く?
一般的にいわれる「筋肉痛」は、運動して数時間から数日後に生じる「遅発性筋肉痛」をいいます。
遅発性筋肉痛は、運動後3~7日ほどで少しずつ痛みが治まることがほとんどです。軽い筋肉痛であれば、2~3日で痛みが引くことも少なくないでしょう。
こんなときは病院へ
筋肉痛は通常であれば1週間ほどで自然治癒しますが、場合によっては病院に行ったほうがよいこともあります。
筋肉痛の痛みや炎症が1週間以上続く場合は、線維筋痛症やリウマチ性多発筋肉症などの病気が潜んでいる可能性があります。また、痛みのほかに腫れやほてり感がある場合は、肉離れなどケガの可能性があり注意が必要です。
「たかが筋肉痛」と放置してしまうと、症状が悪化するだけでなく、ほかのケガや病気の発見の遅れにつながります。異変を感じたら、放置せずに必ず医療機関を受診しましょう。その場合は整形外科を受診するといいでしょう。
筋肉痛があるときは筋トレをしてはダメ?
筋肉痛が起こっているとき、痛みのある部位の筋肉は疲労した状態です。
破壊された筋線維は修復され、筋トレをする前よりも太く強くなります。これによって鍛えた部位の筋力がアップするのです。
個人差がありますが、大きな筋肉ほど修復が遅く、大腿四頭筋やハムストリングスなど太ももの大きな筋肉の場合、およそ72時間かかるとされています。
そのため、筋肉痛があるときは筋疲労の回復期間として2~3日の休息が必要です。
トレーニング後に筋肉痛が現れたら、2~3日の回復期間を設けて休息し、また筋トレを再開しましょう。
完全に止めてしまうのではなく、毎日していた筋トレを2~3日に1回(週に2~3回)ほどの頻度にし、無理のない範囲で継続することが推奨されています。
筋肉痛が少し残っていても筋トレを再開していい?
体を動かしてみて、痛みが激しい場合は安静にして回復を待ちましょう。
痛みがある部位は避け、ほかの部位を鍛える筋トレであれば再開できます。たとえば、腕に筋肉痛がある場合は、スクワットなどで脚力を強化するといった方法です。
また、筋肉痛があるときには、ゆっくり筋肉を伸ばしていくヨガやストレッチ、ウォーキングなどの軽い運動がおすすめです。