2023年10月10日

「自分はメンタル不調に陥らない」と思う人、26.8%!その理由とは (3/3)

臨床心理士・公認心理師のコメント

公認心理師 石井 真由美氏


全体の約4割が「メンタルヘルスが重要だと思うようになった」ことは、SNSの普及によって、精神疾患を抱えている人の体験談や、精神科医の解説動画など、メンタルの悩みについて考えるきっかけや、自分だけじゃないんだという感覚を持つ人が増えたことが大きな要因としてあると考えられます。

若い世代は、学校にスクールカウンセラーが在籍しているため、悩みを相談するという術を早くから獲得できるようになったのも変化の一つになっているのではないでしょうか。

公認心理師 山口 徹平氏


コロナや円安、(働く人々にとっては)M&Aなど、自分でコントロールできない外的要因が増えているから、『すぐに経験すると思う』、『いつか経験すると思う』が47%を超えているものと考えられます。

約半数の20代が精神科や心療内科の受診経験があることついて、会社側がハラスメントについて必要以上に意識をしているため、20代に限らず、上司に相談し辛い、上司も相談に乗り辛い傾向があると思います。

心療内科の数が増加していることもあり、従業員にとって、精神科・心療内科が、より身近なものになっていると感じます。

臨床心理士 空閑 由氏


約半数が「今後自分がメンタル不調を経験しそう」という結果について、こちらは意外でした。

もっと「他人事」として捉えられていることが多い印象でしたが、「明日は我が身」という意識をもっている方が多くなったということだと思います。

ただ、相談者様・クライアント様から、周囲からの偏見をお悩みとして語られる頻度は変わっていない気がします。

「全体の約4割、中でも20代の約半数が精神科や心療内科の利用経験あり」について、ひとつは、20代が精神疾患の好発年齢であることも関係しているかと思います。

しかし全体でも半数近く受診経験があるということは、それだけアクセスしやすさ、受診の選択肢が増えていると言えると考えます。

<Edit:編集部>

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