【精神科医師監修】夜に落ち着かない、そわそわする。原因や対処法は? (2/2)
夜そわそわして眠れないときの対処法
夜にそわそわして眠れない人は、まず寝室の室温や湿度を適正(ご自身が心地よく眠れる室温や湿度)に調整してみましょう。
それでもどうしてもどうしても眠れない場合は、無理に横にならずに暖色灯のまま、以下などの対処法を行ってみてください。
- ホットミルクを飲む
- ヒーリングミュージックを聞く
- リラックスできるフレグランスをかぐ
寝ないといけないと焦ると、気持ちが焦って余計に眠れなくなってしまいます。まずは気持ちを落ち着かせて、ゆったりとした時間を過ごしてくださいね。
【体験談】落ち着かずそわそわする夜の乗り越え方
ストレスや不安から落ち着かない夜って、悲しくなったり寝ようとしても眠れなくなったり……つらいですよね。そんな不安な夜の乗り越え方・過ごし方を、100人の男女に聞いてみました。
動画を見る
- スマホで動物の癒される動画を見る(50代女性)
- ドラマやアニメを見る。無理に寝ない(20代女性)
- 楽しい動画を見て眠らず過ごす(50代男性)
動画に没頭すると、不安な気持ちが和らぎますよね。ただ、スマホなどから発せられるブルーライトは、睡眠の質を下げるのでほどほどに!
誰かと話す
- 友人と他愛もないことを話す(20代女性)
- 夫に話を聞いてもらう(40代女性)
夜は静かだからこそ、孤独を感じやすいもの。そのため、誰かと話して「つながっている」ことを実感できれば安心して眠れるかもしれませんね。
読書をする
- ベッドで横になって難しい本を読みます。数ページで眠気がやってきます(50代女性)
- 買ったまま読んでない本を読む。夜は静かなので集中できます(20代女性)
本の中の物語に集中すれば、心のざわつきが落ち着くでしょう。難しい本であれば、眠気がやってくるかもしれませんね。
あたたかいものを飲む
- 温かい飲みものを飲んで、心を落ち着かせる(30代女性)
- ホットミルクを飲む(60代女性)
森永乳業が行った調査によると、「スマホを見ながら過ごす休憩」と「ホットミルクを飲む休憩」では、ホットミルクを飲む方が約4倍も落ち着いた気持ちになれるそうです。
思い切って寝ない
- 眠ろうとすればするほど絶対に眠れなくなるため、もう寝ないぞ、起きていてやる!と逆に考える。そうすると意外と眠れるのでオススメ(40代女性)
- 無理に眠ろうとせず、録り溜めた録画を見ます。少しでも眠れそうな感じがあれば、布団に入ったまま、音声だけでも楽しめるトークバラエティをオフタイマーで聞きます(50代女性)
「寝なければ」と思うと焦って、逆に眠れなくなってしまいますよね。そんな時はいっそのこと開き直って寝ないという声も多かったです。
その他
- リラックスできる音楽を聴く(30代女性)
- ホットアイマスクをしたり、睡眠導入音楽を聴いたりする(50代女性)
- 不安な夜は思い切り泣いてしまいます。泣くとスッキリしますし、疲れからいつの間にか眠れています。(30代女性)
- radikoでラジオを聞く(50代男性)
音楽やラジオなど、目を閉じながらも楽しめることをする人も多かったです。また、不安な気持ちに寄り添って泣くという意見も。
自分の感情を思い切り吐き出すのは、スッキリして良いかもしれませんね。
夜になると不安に襲われる人は、就寝環境づくりも考えよう
夜になると不安に襲われて寝付けないという人は、就寝環境にも注目しましょう。就寝環境を改善することで、気持ち良く入眠でき、質の良い睡眠が取れるでしょう。
具体的にどんな就寝環境がいい?
- 眠りやすい気温や湿度に調整する
- 自分に合う寝具を使用する
- 布団カバーや枕カバーはこまめに洗濯し、清潔な状態を保つ
「夜が怖い大人」は意外に多い
これまで外来いただいた大人の患者様の中でも、「夜が怖い」と訴える方は多いです。夜にあなただけ取り残されているわけではありません。大丈夫ですよ。
特に、日曜夜になると翌日が不安になる方は非常に多いです。(かつてはサザエさん症候群と言いました)その場合、「夜が怖い」=「朝を迎えるのが怖い」という等号関係が成立しており、年齢関係なく夜が怖いと思う方はいらっしゃいます。
私の外来では、いきなり睡眠薬を処方するのでなく、どんな不安や体調不良があるか、家庭や職場環境はどうかの確認から始め、良眠を得るための方策やリラクゼーション法を患者様と相談します。
夜が怖くてご不安であれば、安心して精神科にご相談くださいね。
監修者プロフィール
こころと美容のクリニック東京
院長 大和行男(医師)
専門領域は児童精神科であるが、精神科全般を得意としている。また、漢方治療に加えて、総合診療の何でも診療する外来を行っており、小児科、皮膚科、一般内科の診療を経験し、心身双方を診察することに力を入れている。睡眠についても詳しく、脳波を用いた睡眠検査の読影も得意領域である。
▼取得資格
・子どものこころ専門医
・精神科専門医
・精神科指導医
・精神保健指定医 など
<Edit:編集部/取材協力:ミルトーク>