痩せるなら「トランポリンダイエット」!その効果とやり方[専門家監修]
最新のフィットネストレンドとして注目を集める「トランポリンダイエット」。なわとびにも代表されるように、“跳ぶ(ジャンプ)”は消費カロリーが高い有酸素運動として知られています。
この記事では、トランポリンダイエットのやり方や効果をお伝えします。
トランポリンダイエットの効果とは。どこに効く?
トランポリンは全身の筋肉を使う全身運動です。ダイエット目線で見ると、以下のような特徴と効果が期待できます。
有酸素運動による脂肪燃焼効果
トランポリンを使ったジャンプ運動は、心拍数が上がる有酸素運動なので、脂肪燃焼効果が期待できます。
有酸素運動は全身の脂肪を効率的に燃焼し、体脂肪の減少につながります。
下半身強化による筋肉量の増加、引き締め
跳び跳ねる動作は、お尻や太もも、ふくらはぎなどの下半身の筋肉を鍛える効果が期待できます。下半身の大きな筋肉を鍛えることで効率よく筋肉量を増やし、代謝アップにもつながります。
また、お尻や太ももの引き締め効果も期待できます。
体幹強化によるおなか周りの強化、姿勢改善
トランポリン上でバランスを保ちながら跳ぶためには、腹部や背中の筋肉を使う必要があります。そのため、トランポリンダイエットは体幹トレーニングにも効果的です。
姿勢改善やおなか周りの引き締めにも効果が期待できるほか、バランス感覚が上がる、からだの安定性が高まることで日常生活やスポーツ活動でのパフォーマンスが上がる、ケガのリスクが減る、といったことにもつながります。
また、腰まわりの筋肉も鍛えられるので、腰痛予防も期待できます。
ストレス解消
適度な運動にはストレス解消効果があるといわれています。
そのなかでもトランポリンダイエットはからだを動かすことだけでなく、普段はなかなか感じることのない無重力感によってストレス解消効果が期待できます。
トランポリンの消費カロリーはどのくらい?
トランポリンの消費カロリーは、個人の体重や運動強度によって異なります。
厚生労働省のメッツ(代謝当量)は、さまざまな活動の強度を示す指標であり、これを利用してトランポリンの消費カロリーを推定することができます。
一般的なトランポリンのメッツ値は約3.5~4.5です(*1)。ただし、トランポリンの使用方法やジャンプの高さ、運動の長さなどによって値は異なる場合があります。
以下の計算式を使って、大まかな消費カロリーを推定することができます。
消費カロリー(kcal)= メッツ × 体重(kg) × 運動時間(時間)
たとえば、体重60kgの人が、トランポリンで30分運動した場合の消費カロリーを計算すると、以下のようになります。
消費カロリー(kcal)= 3.5(メッツ) × 60(kg) × 0.5(時間)= 105kcal
※トランポリン:気晴らし程度の=3.5メッツ
これはあくまで推定値であり、個人の体重やトレーニング方法によっても異なる可能性があります。
より正確な消費カロリーを知りたい場合は、心拍数や酸素摂取量を計測するなど、さらに詳細な測定方法を用いることがおすすめです。
(*1)厚生労働省 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』
トランポリンダイエットのやり方とトレーニングメニュー
ダイエット効果を出すためには、少なくとも10分以上、トランポリンエクササイズを行う必要があります。
好きな音楽に合わせて跳んでもいいですが、より運動効果を高めるために、以下のメニューにも挑戦してみましょう。
両足ジャンプ
足を肩幅に広げ、両足で小さく飛び跳ねます。もっとも基本的な跳び方で、ウォームアップにもいいでしょう。おなかに力を入れて跳ぶと安定します。
トランポリン上でジョギング
跳ぶだけでなく、素早く足踏みをします。運動強度はジャンプより低くなりますが、交互に脚を動かすのでバランスが悪くなり、筋肉への刺激部位が変わってきます。
ケガ後のリハビリなどをする場合は、ウォーキングから始めるといいでしょう。まずは小さな動作から始め、慣れてきたひざを高く上げるなど、動作を大きくしていきましょう。
トランポリンダッシュ
足踏みのスピードを意識した跳び方です。できるだけ速く足踏みするように、脚を交互に動かしましょう。動作の速さを意識することは、心肺機能向上に効果的です。
跳ぶときはできるだけからだの上下動を抑え、頭の位置を変えずに脚を動かしてください。速い動作はバランスを崩しやすくなるので、転倒に注意しましょう。
足幅を広げて跳ぶ
足幅を広げて行うと強度が高まります。動作中のバランスが悪くなることで、太ももの内側にある内転筋群や、バランスをとるためのお尻の筋肉が刺激されます。
足幅を開閉しながら跳ぶ
足幅を閉じたり開いたりしながら飛びます。足を閉じたところから始め、「右足開く・左足開く・右足閉じる・左足閉じる」とウォーキング動作を行います。
その場で行うウォーキングと異なり、重心の移動が必要となるため難しくなるでしょう。
片足で跳ぶ
片足でのジャンプ動作で行う跳び方です。
「右・右・左・左」と、2回ずつ交互に足を変えて跳びましょう。
慣れてきたら2回ずつではなく、3回・4回と連続して片足で跳ぶ回数を増やすと強度が高まります。ジャンプ動作も最初は低く、慣れてきたら高く跳ぶように意識するといいでしょう。
両足で行うジャンプに比べ、お尻や体幹部にかかる刺激は大きく、強度が高まります。片足でバランスをとることは難しいので、バランスがとれるようになってから行ってください。
タックジャンプ
ひざを抱え込むようにひざを高く持ち上げながら、高くジャンプする跳び方です。できるだけ高く跳ぶ必要があり、非常に強度が高いので連続して跳び続けるのはかなりハードです。
他の跳び方を交えながらメニューに組み込むといいでしょう。
どれくらいやればいい? 1回あたりの時間と頻度
ダイエット効果を狙う場合、1日30~60分、週3日以上行うことで効果が出やすいとされています(*2)。一気にやらず、10分間の運動を1日3回に分けて行っても大丈夫です。
できる範囲で、継続して行うことがなにより大切ですが、慣れて体力がついてきたら、徐々に1回あたりの時間を増やしていきましょう。
(*2)厚生労働省 e-ヘルスネット 特定健診・保健指導における身体活動・運動指導
どれくらい続ければいい? 継続期間の目安
まずは2~3か月程度、続けてみましょう。
体重1kgを減らすためには、約7,700kcalのエネルギー消費が必要です。これは、1kgの脂肪が約7,700kcalであるという推定値に基づいています。
先述したトランポリンの消費カロリーをもとに計算すると、毎日105kcalの運動を行った場合、1kgを減らすために必要なエネルギーを消費するまでには、約73日(約2か月半)かかると推測できます。
もちろん運動強度や基礎代謝などさまざまな要素によって期間は変動しますが、ひとつの目安にするとモチベーションも維持できそうです。
トランポリンダイエットは痩せるのか
これまでの情報を元に、トランポリンダイエットはズバリ痩せるのかという点で見ていきましょう。残念ながら瘦せないパターンもあります。
痩せるパターン
- 1日30分以上、週3日以上の頻度で運動を継続している
- 適切な運動強度で行っている
- 食事コントロールを行っている
痩せないパターン
- 運動強度が足りない
トランポリンの運動強度が十分でない場合、カロリー消費が十分に行われず、痩せにくい可能性があります。
運動強度を高めるためには、ジャンプの高さや速さを調整したり、トランポリン専用のエクササイズを取り入れたりするなど工夫が必要です。
対処法:会話はできるものの呼吸が上擦るくらいのキツさで行う
- 運動時間と頻度が足りない
運動時間が短すぎる場合、十分なエネルギー消費や脂肪燃焼が行われないため、痩せにくくなります。適切な運動時間を確保し、持続的に行うことが重要です。
対処法:1日30分以上、週3日以上の頻度で行う
- 摂取カロリーが消費カロリーを上回っている
運動だけでなく、食事もダイエットの成功には欠かせません。摂取カロリーが過剰であったり、栄養バランスが偏ったりしている場合、運動による痩せ効果があらわれにくくなります。
対処法:自分がとるべき摂取カロリーを把握し、それを超える量は摂らないようにする
生命活動に必要な最低限のエネルギーである「基礎代謝量」を目安にエネルギー摂取を意識するのもわかりやすいでしょう。厚生労働省は、基礎代謝の平均値(*3)として以下の数値を示しています。
- 成人男性:約1500〜1700kcal
- 成人女性:約1100〜1400kcal
基礎代謝は、年齢、性別、身長、体重などの要素に影響を受けるため、個人ごとに異なる数値となります。
トランポリンダイエットは筋肉量が落ちるってホント?
基本的に、トランポリンダイエットで筋肉量が落ちることはありません。
ただし、トランポリンダイエットは有酸素運動なので「筋肉を増やしたい」人にはあまり向いていない運動です。脂肪を落としつつ筋力アップを目指したい人は、筋トレも並行して行いましょう。
また、女性の場合は、激しく揺さぶられることによって胸が垂れやすくなる可能性があります。トランポリンダイエットをする際は、胸をしっかりホールドしてくれるスポーツ専用ブラジャーなどを身につけましょう。
監修者プロフィール
ヨガインストラクター・ライター
高橋かなこ
2021年よりRYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとしてオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン組み立てを得意とする。自身のダイエット成功経験から、美しい体を作るためには食の大切さや思考も大切だと痛感。同じように悩む人に向けて精力的にメディアでの情報発信を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)
<Text:編集部>