ヘルス&メンタル
2024年6月20日

人生に疲れたときのリフレッシュ方法を、薬剤師が教えてみる (2/4)

大人が「人生に疲れた」と感じる3つの瞬間

大人が「人生に疲れた」と感じるときは、以下のような状況が多いようです。

職場でトラブルがあったとき

職場にいると、毎日いろいろなストレスにさらされますよね。順調だと思っていた仕事が他の誰かのミスで台無しになり、がっくりしてしまうこともあるでしょう。

到底達成できないようなノルマを設定されてプレッシャーがかかってしまったり、連日の残業で疲れてしまったりする方もいます。

上司や同僚、取引先と揉めて人間関係に疲れてしまうこともあります。気の合わない人とも大人の付き合いをしなければならない職場だからこそ、人間関係のトラブルで悩む方は多いですよね。

職場でのトラブルは、周りの人のせいばかりとは限りません。自分のミスによって周りの人に迷惑をかけることも、落ち込む原因になるでしょう。

周りの人が「気にしなくていいよ」と言ってくれるほど、罪悪感で落ち込んでしまうのも無理はありません。

友達とうまくいかなかったとき

気の合う友達との付き合いでもストレスがかかり、「人生に疲れた」と感じる要因になることもあります。

今までは普通に交流していたのに、ちょっとした行き違いで喧嘩になってしまい、お互いにもやもやを抱えてストレスがたまることもあるでしょう。

「友達なのに、どうして理解してくれないんだろう」という思いも、ストレスのもとなる恐れがあります。

友達の環境と自分を比較して落ち込んでしまう方もいます。

「友達は仕事も順調で家族仲もいいのに、自分は仕事でも失敗ばかりで家庭でも居場所がない」という状況だと、「自分の人生を生きるのに疲れてしまった」なんて気持ちになるのではないでしょうか。

家族関係で問題があったとき

家族との関係で悩んでしまう方もいるでしょう。

夫婦仲が悪くて喧嘩ばかりだったり、子どもの反抗期だったりすると、疲れてしまうことがあります。また、自分の家族だけがストレスの原因になるとは限りません。

両親や義両親との関係や介護の問題、自分や配偶者の兄弟との関係がストレスになってしまうこともあります。

「人生に疲れた」と感じるのは、生理的な原因も大きい

人生に疲れたと感じてしまうときに考えられる原因には、睡眠やエネルギー不足など、生理的な問題も関係してきます。自分が当てはまっていないか、悲観的になる前に確認してみましょう。

寝不足はメンタルを悪化させる

「最近は睡眠時間が足りていない」と心当たりがある方もいるのではないでしょうか。

一般的に必要だといわれている年齢ごとの必要な睡眠時間は、以下の通りです。

  • 25歳:約7時間
  • 45歳:約6.5時間
  • 65歳:約6時間

体力や体質によって個人差はあるものの、上記の睡眠時間を確保できていなければ、睡眠不足で「人生に疲れた」という気持ちになっているかもしれない、と疑った方がいいでしょう。

また、睡眠時間は足りていても、睡眠の質が低くて疲れがとれていない可能性があります。

睡眠の質を高めるために、寝る2~3時間前には入浴を済ませたり、起床したときに太陽の光を浴びたりしましょう。

●セロトニンをきちんと分泌できていますか?

とくに、日光を浴びることで分泌される「セロトニン」という神経伝達物質は、睡眠の質に大きな影響を与えます。

日光を浴びて分泌されたセロトニンは、14~16時間後に「メラトニン」というホルモンに変わり、睡眠の質を高めます。

セロトニンの材料となる「トリプトファン」を摂取するのがよいでしょう。

その他にも、セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、分泌されると幸せな気持ちになるといわれています。

規則正しい生活をして、積極的にセロトニンの分泌量を増やしましょう。

幸せホルモン「セロトニン」とは。増やす方法を探る!食べ物やサプリ、漢方でも補えるの?不足時の症状は?

栄養不足も心身の調子を崩す

栄養が不足することで、幸福度が落ちることもあります。

豆腐や納豆、バナナに多く含まれる「トリプトファン」は、前述のセロトニンの原料となる物質です。体内では合成できないため食品から摂取しましょう。

【バナナの栄養や効果】毎日食べると太る?カロリーや糖質は?[管理栄養士監修]

また、ビタミンDやビタミンB1、葉酸などの栄養が不足すると、うつ病を発症する方が増えるといわれています。

ビタミンDはきのこ類や魚介類、ビタミンB1は豚肉やナッツ、葉酸は納豆やレバーに多く含まれています。

納豆の栄養と効果的な食べ方。ダイエットにいい? 食べ過ぎるとどうなる? 高たんぱく食べ合わせも解説【栄養士監修】

日々の献立を見直し、これらの食材が不足している方は意識的に摂ってくださいね。

やることが多く、キャパオーバーになると精神的余裕をなくす

自分で仕事や家事、介護といったタスクを抱え込みすぎると、キャパオーバーになって気持ちに余裕がなくなります。

その結果、「人生に疲れた」と悲観的な気持ちになってしまう方もいるでしょう。

責任感が強いことはいいことですが、あまり無理をしないようにしましょう。ときには家族や友達、同僚といった周りの人を頼ってくださいね。

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