風邪やインフルエンザのときは「タウリン」がいい理由 (1/2)
風邪やインフルエンザの流行シーズン。まずは罹らないように予防すべきですが、感染してしまった場合は、なるべく重症化するのを避けたいもの。
大正製薬株式会社が、感染症に罹患したとき、なるべく重症化させないためのコツをリリースしているので紹介します。
感染症を意識した腸活、救世主はタウリン
腸は免疫の70%以上を担う重要な器官で、小腸に存在する「パイエル板」は免疫細胞が活発に働く拠点です。
腸内環境を整えることで、感染症の重症化リスクを下げることが期待できます。
魚介類に多く含まれる「タウリン」が腸の免疫細胞の助けに
実は腸の免疫細胞の助けになるのが、イカ、タコ、牡蠣などの魚介類に多く含まれるタウリン。
タウリンは損傷した腸管バリア機能を改善して腸管の微細炎症を抑え、免疫低下時のパイエル板の減少を抑制することがわかっています。
腸内細菌叢の構成を調節する働きも
また、特定の腸内細菌叢を増加させて腸内細菌叢の構成を調節する働きもあります。
タウリンは体内で胆汁酸と結合し、タウロコール酸やタウロデオキシコール酸など呼ばれる抱合胆汁酸を生成し、抱合胆汁酸は腸内細菌によって代謝されデオキシコール酸やリトコール酸などと呼ばれる二次胆汁酸を生成します。
これらの二次胆汁酸には抗菌活性があり、病原性細菌の増殖を抑制し、腸内環境を整えることにつながるのです。
炎症性サイトカインを抑制する可能性
また今年の11月、タウリンには、感染症に罹ってしまった際に長引く疲労などの症状を抑制する可能性があることも発表されました。
ウイルスを退治するために炎症(炎症性サイトカイン)が発生しますが、その悪影響として痛み、咳、鼻水などの症状を引き起こします。
この炎症性サイトカインの異常発生(サイトカインストーム)が重い症状につながりますが、タウリンがこの異常を抑制する可能性があることが明らかになったのです。
さらにタウリンには細胞の抗酸化作用や保護効果もあり、体内のさまざまな臓器の慢性炎症を抑制してくれることもわかっています。
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