インタビュー
2020年12月18日

完全栄養食「BASE PASTA(ベースパスタ)」の誕生秘話。忙しい社会人やダイエット中の食事におすすめなワケ (1/3)

 健康のために食事が大切であることは、誰しもご存知のことでしょう。ましてアスリートをはじめ、日々運動に取り組んでいる方であればなおさらです。しかし、実際に毎日の食事で栄養バランスに気を配れている方は、それほど多くありません。忙しくてつい昼食をコンビニで済ませてしまったり、夜遅くなって晩御飯を外で食べたり。自炊していたとしても、「栄養バランスは完璧です」と言い切れる方は少ないはずです。

 そんなとき、「これを食べれば十分な栄養が摂取できる」という食品があったら? 今回、完全栄養食「BASE PASTA(ベースパスタ)」を開発・販売する、ベースフード株式会社の代表・橋本舜さんにお話を伺いました。

 完全栄養食……もの凄いキャッチコピーですが、果たしてどのような食品なのか。製品の誕生秘話などと合わせ、詳しくご紹介しましょう(初出:2018年3月)。

着想の発端はIT企業での勤務経験

  1食のパスタから、必要な栄養素をまとめて摂取できるというベースパスタ。食品を開発・販売しているということで、代表を務める橋本さんには関連業界でのバックグラウンドがあるものと思っていました。しかしお話を伺うと、ベースフード社を設立する以前、食品に関わる経験はゼロ。むしろ畑違いとも感じられる、IT企業に勤務していたと言います。

「もともと大阪出身で、大学進学を機に上京しました。大学では教養学を先行していて、思いっきり文系です。卒業後はIT企業に入社して、主にWebサービスに関わりつつ新規事業の立ち上げなどを経験しました。よく聞かれるんですが、食品関連の経験や知識はまったくありません」

 では、なぜ食品関連で起業するに至ったのか。その背景には、IT企業に勤務する中で感じていた疑問や違和感があったようです。

「忙しい現代人にとって、栄養バランスを保つことは非常に難しいんですよ。これは個人の問題ではなく、すでに社会問題ですらあると思っています。ランチをコンビニで済ませたり、夜遅くなって外食して帰ったり。私は勤務先が渋谷だったので、周囲に飲食店は豊富でした。でも、夜営業していてお酒を飲まない場所って、もの凄く限られているんですよね。カレーかラーメンか、あるいは中華料理か。全然、栄養バランスなんて考えられないじゃないですか。そういう環境をなんとかできないのか? と考えたのが、ベースパスタのスタートラインです」

 同じような経験をお持ちの方は、おそらく少なくないでしょう。しかし栄養の偏った食生活だと分かっていながらも、実際に改善を図ることは容易ではありません。

「運動と睡眠と栄養。この3つが健康において大切であることは、誰だって知っています。私は運動なら少しランニングしていたし、睡眠はいつも7時間半くらい確保していました。でも、栄養だけは自信がなかったんですよね。でも同じような方って多いでしょ? 運動や睡眠と違って、何をどれだけ摂れば良いのかも不明瞭。栄養をしっかり摂っているか聞かれて、すぐに手を挙げられる方は少ないはずです」

 確かに、たとえば野菜を多く食べるなど気を配っていても、それが合っているのかと言われれば分かりません。学生時代、家庭科の授業で食品成分表を見たことのある方は多いはずですが、今でも知識として覚えている方は少ないでしょう。

 橋本さん自身、実家に住んでいる際は親がバランスの良い食事を作ってくれて、大学進学後は寮生活で食事が提供されていたとのこと。しかし社会人になると全てが自己責任となり、人任せだった食事管理からのギャップを大きく感じたようです。

「だから、“これさえ食べれば全ての栄養バランスがとれる”という食品を作ろうと思ったんです。もっと栄養を簡単にすれば、健康そのものが簡単になる第一歩になるじゃないですか。ベースパスタには人間にとって必要な栄養素が一通り入っています。例えば学生は1ヶ月のうち約20回、平日お昼は給食で栄養バランスの取れた食事が食べられますよね。社会人も同じような環境が作れたら、毎食とは言えなくても、少しずつ健康的になっていけると思うんです」

 学校から提供される給食のように、わざわざ意識することなく、それさえ食べれば栄養が摂取できる。確かに大人になると、いきなり食事や栄養について、自分自身で考えなければいけなくなります。その結果、忙しさなどを言い訳に健康から遠ざかってしまう……。健康でありたいと願う方々にとって、その恩恵は計り知れないのではないでしょうか。

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