「睡眠不足」「睡眠負債」は子どもにも波及。朝、自分で起きてこない子どもたち
現代人は「睡眠不足」とはよく言われたものですが、「睡眠不足」や「睡眠負債」は、成長盛りの子どもにも広がっている……そんな調査結果をショップジャパンが発表しています。
平日と休日は起床時間に1時間ものズレ
今回の調査は、同社が全国の小・中学生の子どもを持つ30〜59歳の母親を対象に実施したものです。
これによると、母親の平日の起床時間は、「6時より前」が最も多くて、41.9%。 数値は時間の経過とともに減少し、「7時30分」以降は2%強にとどまっています。
一方、休日は、「7時ごろ」が最も多く、20.6%。 次いで、「8時以降」が19.4%と続いており、平日と休日では起床時間の割合が逆転していることが分かります。
子どもは、平日は7時までに起床する子どもの割合が、なんと約9割。けっこう早起きしている子どもが多いですね!割合が最も多いのは、「7時ごろ」で、35.5%という結果になりました。
休日は時間が遅くなるにつれて割合が増えていき、「8時以降」が最も多く、30.6%。7時30分以降に起床する子どもが全体の約7割いることが分かっています。
平日の睡眠不足を休日に補う
起床時間について見てきましたが、続いて平均睡眠時間をチェックしていきましょう。
まず、母親の平均睡眠時間は、平日は「6時間以内」が最も多く、22.6%。これに対して、休日は「7時間以上」が22.1%と最も多く、次いで「8時間以内」が18.1%と続く結果です。平日と比べると、休日はよく眠っていることが分かりますね。
これは子どもにも当てはまります。子どもについても、休日の方が睡眠時間が長く、「8時間以上」寝ている子どもが52%と、過半数を超える結果になりました。
休日の平均睡眠時間が平日よりも2時間以上長い子ども、つまり、休日によく眠る子どもを持つ母親に、子どもがそうした状況になっている理由について尋ねると、「子どもが平日あまり寝てなさそうでかわいそうだから」「子どもが起きないから」が51.4%。「自分も休日なので眠りたいから」が45.7%という結果になっています。
親は子どもの睡眠不足を感じている
こうしたデータを見ていると、子どもの睡眠不足が気になってきますよね。
今回協力してくれた母親に対して、子どもの睡眠不足を感じているか尋ねたところ、39.8%の母親が子どもの睡眠不足を感じていることが分かりました。また、この傾向は、学齢が上がるにつれて割合が多くなる傾向にあります。
子どもの睡眠不足の理由については、「宿題や課題に追われ、寝るのが遅いため」と答えた親が最も多く、34.3%という結果に。
小・中学生別で見ると、中学生は、「宿題や課題に追われ、寝るのが遅いため(40.3%)」「ゲームをしている(34.6%)」、「インターネットの動画を見ている(34.0%)」、「塾通いをして帰りが遅いため(30.4%)」、「夜遅くまでスマホ・ケータイの操作をしている(28.3%)」が上位にあげられました。忙しさとデバイス保有の低年齢化が睡眠不足を引き起こす原因になっているようです。
また、小学生においては「テレビを夜遅くまで見ている(33.9%)」が最も多く、続いて「自分の帰りが遅く、夜ご飯の時間が遅くなるため」という理由も28.3%と多いことが分かっています。これは、働く女性が増えていることも影響しているといえるでしょう。
子どもの睡眠不足のために「子どもに早く寝るように/起きるように注意する」している親が70.4%いるものの、睡眠不足の理由で最も多かった「宿題や課題」に対する管理は15.8%の親しかできていないことも分かっており、子どもの睡眠不足の理由と、実際に行動している内容に乖離が見られる点は問題と言えそうです。
睡眠不足で、「朝自分で起きてこない」子どもたち
子どもたちの睡眠に対しては、親も心配しています。
特に「朝自分で起きてこない」ことについては、41.4%の親が心配しているほか、「(起床時に)機嫌が悪い(16.8%)」「やる気が無い(13.6%)」などの点について不安視している親も存在します。
こうした問題の背景には「睡眠不足」があることも見えてきており、「睡眠不足」と感じている子どもの51.6%が「朝自分で起きてこない」ことも分かっています。
睡眠は、心身の健康を維持するための重要な要素のひとつです。大人であれば、自身の力で睡眠改善と向き合うことができるかもしれませんが、子どもにはそれが、なかなかできません。
健康を維持するためにも、この機会に、ご家庭でも睡眠不足や睡眠負債について考えてみてはいかがでしょうか。
<Text:辻村/Photo:Getty Images>