ライフスタイル
2018年5月10日

本当に全身運動だった! 噂のノルディックウォーキングに挑戦

 普通のウォーキングよりエネルギー消費量が約20%も増加すると言われている「ノルディックウォーキング」。誰でも簡単にはじめられると言われていて、ジワジワと認知度を上げています。

 といっても、普通のウォーキングやランニングと比べてしまうと、まだまだマイナー・スポーツです。その実態やいかに……? というわけで、都内で行われた体験イベントに参加してみました。

ノルディックウォーキングとは?

 「ノルディックウォーキング(ポールウォーキングと言われる場合もあり)」は、スキーストック(※)のようなポールを突きながら行うウォーキング運動です。普通のウォーキングと比べて運動効率が良く、ダイエット、生活習慣病の予防にオススメされているほか姿勢の矯正にもつながり、さらに関節などへの負荷も軽いことからリハビリにも利用されるという、非常においしいスポーツ&健康法と言われています。

 発祥は北欧とされており、ここ10~15年ほどの間に日本でもじわりと普及が進んでいる様子。特にここ最近は静かなるブームが巻き起こっているのか、都内で毎月のように体験イベントが組まれたり、昨年応募殺到の「さんだノルディックウォーキングフェスタ」(兵庫県)の募集枠が倍以上になったり、富山市が無料のポール貸出を始めたりなど、話題に事欠きません。

※スキーストック=スキーで滑走する時、バランス調整や加速をするために使用する杖のこと

用途によって使い分ける2つの歩き方

 今回、取材のために参加したのは、東京都三鷹市の都立野川公園で行われた「はじめてのノルディックウォーキング」(西武・武蔵野パートナーズ主催)。教えてくれたのは、スポーツ・コーディネーターの親松駿介さん。当日は平日の午前中ということで、筆者を含めて3名と参加者は少なめでしたが、土日祝日のイベントは極めて盛況とのことです。

 イベントはポールの持ち方を教えることからスタートしました。スキーのストックであれば、ストラップに手を通してグリップを握るだけですが、ノルディックウォーキングの場合、マジックテープでしっかりと固定します。これによって歩いているときも、ポールを自由にハンドリングすることができます。

▲ストラップはしっかりと手に固定

 また、ポールの長さを自分の背丈に合ったものにすることも重要。長さが合っていないと、歩くときの姿勢が猫背になったり、背を反らすようになってしまうからです。今回使ったミズノ製のポールには、“この身長ならこの長さでOK”を示すメモリがついていたので調整は簡単でした。

▲ポールは身長に合った長さに調整する。メモリつきのものなら簡単

 簡単な手足の準備運動を済ませると、いよいよ実際のノルディックウォーキングに挑戦です。歩き方にはいくつか種類がありますが、まずは比較的軽い運動のディフェンシブスタイルと呼ばれるものから教わりました。

 ディフェンシブスタイルでは、肘を地面と水平に伸ばし、ポールを垂直に突いて歩きます。歩き始めてすぐに実感しましたが、ポールを突くと推進力が得られるので、ちょっと身体が軽くなったような感覚になり、いつもよりすいすい歩くことができました。要は2足から4足歩行になるわけで、ポールを使うと足への負担が軽くなると言われていますが、すぐに納得しました。

▲ディフェンシブスタイルで歩いているところ。真ん中の親松先生の歩き方はやはり美しい!

 もうひとつ教わったのが、腕を自然に伸ばして斜めにポールを突く、アグレッシブスタイルという歩き方です。こちらは普段の歩き方に近く、より推進力が得られるので、速度も速くなり運動量も高くなります。ノルディックウォーキングで積極的に運動をしたいのであれば、やはりこちらなのでしょう。

▲こちらはアグレッシブスタイル。身体を前に押し出す力を強くなり、歩くスピードも速くなった。

これで運動になったの?……と疑問を抱いたけれど

 しばらく各々自由に歩いてノルディックウォーキングに慣れていくと、次は公園を回ってみました。イベント会場となった野川公園は約40万平方メートルある広々とした公園。武蔵野という都心近くの立地ながら、小川が流れ、緑が映える自然豊かな場所です。ここでウォーキングをするだけでも、それは気持ちの良い体験です。

 今回は筆者以外の参加者が年配の方ということもあって、みんなでのんびりと歩く雰囲気でしたが、それでも普段の歩き方よりペースが速くなります。当日は曇り空でちょっと肌寒い気候だったものの、すぐにポカポカと身体が暖まっていきました。

▲緑深い公園の中を歩くのは、それだけで気持ちがいい

 休憩もはさみつつ、30分ほどかけて辺りを一周。気分的にはあっという間でしたが、健康促進という意味ではやはり30分程度がいいそうです。その後、整理体操をしてイベントは終了となりました。

 実はウォーキング中、“これでダイエットになったりするのかな?”と思うほど、運動をしている気がしませんでした。終わってから、健康目的ならもっと速く・長く歩いた方がいいのかも……? などと考えていましたが、しばらくしてびっくりするほど全身に疲労がやってきました。

 ウォーキング中はがんばって身体を動かしている感覚がなく、むしろ自然を楽しみながら散歩している気分でしたが、知らぬ間に身体全体を使っていたようです。無理のない運動で身体全体を効率良く動かすことができ、リラクゼーション効果も認められているということですが、今回体験イベントでもその妙味をばっちり感じることができました。はっきりいって大納得です。

 健康のために身体は動かしたいけれど、あまり激しいスポーツはイヤ。何時間も費やす暇もない……なんて人にはもってこいではないでしょうか。子どもから年配の方まで幅広く無理なく楽しめるスポーツ&レジャーとして、ぜひ一度体験してください。

お家でもできる手軽な踏み台を使ったウォーキングメニューをチェック

<Text:大久保徹/Photo:辰根東醐>