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楽しくって覚えやすい!元自衛隊員が考案した『あへあほ体操』でエクササイズ

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 最近、さまざまなスポーツで“体幹トレーニング”が注目されています。ダイエット中の人でも、筋力アップやシェイプアップなどのために実践している方が多いかもしれません。しかし中には、「なかなか続けられない」「上手くできない」という声もチラホラ。

 そんな方には、今回ご紹介する『あへあほ体操』がピッタリ!かもしれません。北海道で誕生した『あへあほ体操』。いったいどのような運動なのか、創始者・しものまさひろさんにお話を伺いました。

あへあほ体操って何?

 『あへあほ体操』は、しものまさひろさん考案のエクササイズ。北海道で生まれ、現在は道内各所のほか、道外にも教室が広がっています。これは、簡単に言えば体幹部を鍛えるもの。しかし実際に実践してもらうと、いわゆる“体幹トレーニング”とは一線を画していました。何が違うのか……と言うと、このエクササイズは「あ・へ・あ・ほ」と発声しながら行うのです。

「もともとドローインをベースとしたプログラムを作り、2006年から提供してきました。内容は腹横筋、つまりインナーマッスルを意識したもの。特に高齢の方を中心として腰痛改善などの結果が出始めていたのですが、生徒さんから『家でやりたいと思った時、やり方を忘れてしまう』と言われたんです。確かにその場で習いながら行えても、1人で実践するのって大変ですよね。そこで工夫を考えていたとき、同じように生徒さんから『インパクトも必要だよ』とアドバイスされて、発声を付けるという方法にたどり着きました」

▲しものさんの口元にご注目!

 生徒さんの意見から生まれた『あへあほ体操』。もちろん、この「あ・へ・あ・ほ」という言葉にも意味があります。

「最初はいろんな言葉で試しました。そんな中、ハ行の発音が一番空気を使うことに気付いたんです。口の前に手を当てて、ハ行とその他の発声を比較してみるとよく分かりますよ。武道なんかではよく『ハッ!』なんて声を出して鍛錬していますが、昔の人は、このことを分かっていたのかもしれませんね」

 実際に教室で行ってみたところ、その場の雰囲気も良くなったとのこと。ポップな発声で楽しみながらできるため、教室では笑顔が溢れ人と人との繋がりも生まれやすくなったと言います。

“走る”ために自衛官の道を選んだ

 『あへあほ体操』を生み出した、しものさん。実はご自身の経歴も、他に類を見ない非常に独特なものでした。

「もともと、高校では陸上部に所属していました。しかし故障などで思うように記録が出せなかったんです。それでも走ることが諦められず、高校を卒業後に陸上自衛隊への入隊を決めました。陸上自衛隊には持続走訓練隊という走ることの専門部隊があって、それを目指したんです。なんとか持続走訓練隊に所属できたのですが、実際に訓練では1日50kmくらい走りましたね。2年目に部隊の持続走大会でトップとなり、部隊の代表を任されチーム(持続走訓練隊)に所属できたのですが、もちろん結果が出ないとチームから外されてしまいます。厳しい訓練で追い込んでは、腰を痛める……の繰り返し。タイムこそ伸びていたと思いますが、23歳で2回目の腰痛を起こし、残念ながら原隊復帰、つまりチームから外され、選手としては、クビの宣告を受けることになってしまいました」

 過酷な環境に自らを置き、それでも走ることを諦めなかったしものさん。しかし現実は厳しく、5年間の入隊期間を経て、新たな道を歩むこととなったそうです。

「走ることをテーマに生きてきましたが、新たな人生の目標になったのは、プロトレーナーの道でした。修行期間は、2年間と決めました。カイロプラクティックの専門学校へ夜間で通いつつ、1年目は整骨院の現場でアシスタント勤務。2年目は医療現場を見たいという思いから、整形外科のリハビリ室でアシスタントをしました。そして、独立したのが25歳の頃です」

 自ら学びつつ、これまでの経験を活かしながらトレーナー活動を進めていったしものさん。そしてドローインに出会い、その発展系として『あへあほ体操』が生まれたのでした。元自衛隊で陸上競技経験者という経歴は、トレーナーとしてもなかなか珍しいのではないでしょうか。

高齢者からアスリートまで、全ての人に知ってほしい

 リハビリテーションや介護予防など、中高年層を中心に生徒が増えているという『あへあほ体操』。現在インストラクターは36名おり、各地で85ものクラスを展開しています。北海道のみならず横浜にも教室があり、クラス数は年内に100を見込んでいるとのこと。しかし『あへあほ体操』は、何も中高年にのみ効果的なものではありません。

「実は実績あるアスリート、あるいは子どもまで幅広い方々が実践してくれています。競技歴など関係なく行えるので、子どもから高齢者、アスリートまで、みんなが同じ空間で実践できる点は大きな特徴かもしれません」

 特に効果が期待できるのはウェストの引き締め。その他、腰が安定したり骨盤が調整されたり、便秘改善にも繋がると言います。

「1日3分、2週間継続してくれれば、ほぼ100%結果が出ています。3分はまとめて行わず、1分を3回でも構いません。『あへあほチャレンジ』と読んでいるんですが、ぜひ一度試してみてほしいですね」

 また、発声するという特徴から、呼吸が深くなる効果も期待できるそう。意識せずに腹式呼吸が行えるようになり、より多くの酸素を効率的に体内へ取り入れられるようになると言います。

「酸素を多く取り入れられれば、今度は免疫力アップや脂肪燃焼などへ繋がります。また、横隔膜や腹横筋などのインナーマッスルに働きかけるため、体幹部も強化されるんです。これまで意識的に行っていた腹式呼吸、あるいは体幹部の使用が、無意識の中で行えるようになる。この“意識の無意識化”こそ、『あへあほ体操』の持つ最大の効果ではないでしょうか」

 年齢や競技歴を問わず、まずはやってみてほしい。そう語るしものさんですが、より多くの方々が取り組めるよう、『あへあほ体操』はさらに進化を遂げようとしています。

「現在、ロボットに『あへあほ体操』を覚えさせ、それを配置することで、どこでもエクササイズが行えるように準備を進めています。デイサービスでの実証実験に入っていて、実現は遠い未来ではありません。そうすれば、インストラクターが行けない場所でも、皆さんにエクササイズを継続的に実践してもらえますよね。特に介護予防の観点から進めているプロジェクトですが、過疎化した地域をはじめ人がなかなか呼べない場所でも、ロボットなら置くことができますから。あるいは老老介護を行っているご夫婦が、楽しみの1つとして一緒にエクササイズに取り組む……なんていうことも可能ではないでしょうか」

 将来的にはロボットを通じ、あらゆる種類のエクササイズを指導できるようにしていきたいとのこと。そうなれば、まさに誰でも、どこでも取り組めるエクササイズとして、全国的に定着していくかもしれません。発声は「あ・へ・あ・ほ」という単語ですから、海外でも容易に取り組めるのではないかと感じました。

 『あへあほ体操』は北海道内および神奈川県の教室で、インストラクターから指導を受けることができます。今後さらにエリアも拡大を目指されていますが、待ちきれない方は書籍を参考に実践することも可能。ダイエットから健康維持、競技力向上まで、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

[プロフィール]
しものまさひろ
1979年生まれ、北海道札幌市出身。小中学校時代は野球に取り組み、高校で陸上競技部へ入部。故障などの影響から思うような結果が残せなかったものの、走ることが諦められず、持続走訓練隊を目指して高卒で陸上自衛隊に入隊。故障によって部隊を外れたことを機に、計5年の訓練期間を経てトレーナーの道を志す。その後、ドローインをベースとしたエクササイズプログラムを立案。ここに「あ・へ・あ・ほ」の発声を加え、『あへあほ体操』を創り上げた
【HP】http://shimo-tore.com/

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
【HP】http://www.run-writer.com

<Text & Photo:三河賢文>

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