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フォームローラーの効果的な使い方。いつ使うべき?トレーニングの前、それとも後?

 スポーツジムやリハビリ施設などで、フォームローラーをよく目にするようになりました。筒状の形をしていて、人がその上に足や腕を乗せてゴロゴロと転がしている、あの器具です。フォームローラーはセルフマッサージアイテムとしてよく紹介されており、セルフ筋膜リリース(SMR:Self-MyofascialRelease)の器具としても知られています。

 スポーツジムでフォームローラーをよく見かけるようになったのは、だいたい10年ほど前のこと。新しいモノの常として、フォームローラーについてさまざまな疑問を抱いている人は多いでしょう。フォームローラーにはどんな効果があり、いつ使うとよいのか。フォームローラーの人気が高まるにつれ、こうした疑問に答えようとする研究が、この数年で数多く行われてきました。2019年には、それらの研究を比較・解析したシステム・レビュー論文も発表されています(*1)。

フォームローラーを使うタイミングは「ウォームアップ」と「クールダウン」

 フォームローラーを使うタイミングは大きく分けて2つ。「ウォームアップ」と「クールダウン」です。ウォームアップ時に使う場合はパフォーマンスを向上させることが目的になりますし、クールダウン時に使う場合は筋肉疲労からの回復を早めること、あるいは筋肉痛を軽減させることが目的になります。

 どちらがフォームローラーの使い方として効果的なのか調べたのが、システム・レビュー論文です。2006年から2019年までに、7つの学術論文データベースに発表された49の研究を解析対象に選んだものとなります。

トレーニング前のウォームアップに効果的な使い方

 49の研究のうち26が、フォームローラーはパフォーマンス向上に効果があると結論づけています。特に垂直跳びやダッシュ走など、瞬間的にパワーを発揮する動作に多くの効果があることが証明されました。多くの研究はフォームローラーを使うことによって関節の可動域が広がること、また筋肉の張りを和らげることが、パフォーマンス向上に繋がっているとしています。

 実際にウォームアップに組み込む場合、フォームローラーだけに長い時間をかけるわけにはいきません。しかし、十分な効果を得るためには一箇所に90~120秒かけることが望ましいと、システム・レビュー論文は述べています。そのため、その日のトレーニングによく使う体の部分を選び(スクワットなら下半身、ベンチプレスなら上半身)、優先度の高い箇所だけをローテーションするのがよいでしょう。

 フォームローラーは痛みを伴うものですが、ウォームアップ時にはあまりゴリゴリと体に押し付けるのはおすすめできません。痛みの度合いを1から10の数字で表すとしたら、5ぐらいに留めておきましょう。

 注意しなくてはいけないのは、フォームローラーには可動域を広げる即効性があるものの、その効果はそれほど長くは続かないということ。ウォームアップを終えてから本番のトレーニングに移るまで、10分間以上の間隔を空けないようにしましょう。

トレーニング後のクールダウンに効果的な使い方

 クールダウンに関しては、研究者たちの論調は少しトーンダウンします。疲労からの回復や筋肉痛の軽減にフォームローラーの効果は認められるものの、他の方法(静的ストレッチ、アイシングなど)と比べて格別に優れているわけではないそうです。それでも、はっきりとした悪影響があると証明した研究も見られません。

 ウォームアップとは異なり、クールダウンには時間をたっぷりとかけることができます。痛みのある個所もそうでない箇所も、全身をマッサージするような感覚でフォームローラーを使用してみましょう。クールダウンでは、フォームローラーをやや強めに押してもよいと論文では述べています。

 筆者の実体験では、激しいトレーニングをした後、痛みで思わずうめき声が上がるほどの強さでフォームローラーをじっくりと行うと、翌日以降の筋肉痛はほとんど消えています。もっとも、フォームローラーだけを行うわけではありません。そのため、効果を科学的に証明することはできないので注意してください。

就寝前などにも活用するとよい

 なお、ウォームアップでもクールダウンでもなく、就寝前などの時間にフォームローラーを使ってセルフマッサージを行うことも悪くはありません。ある研究では、週に3回のフォームローラーのセッションを4週間続けた結果、柔軟性のテストに顕著な向上があったことが報告されています。

参照文献:
*1
Effects of foamrolling on performance and recovery:A systematic review of the literature to guide practitionerson the use of foamrolling.
HendricksS.etal.,2019
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32507141/

[筆者プロフィール]
角谷剛(かくたに・ごう)
カリフォルニア在住。公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、コーチング及びスポーツ経営学修士(コンコルディア大学)、CrossFit L1 公認トレーナー、TVT高校クロスカントリー部監督、ラグナヒルズ高校野球部コーチ。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
Facebook: https://www.facebook.com/WriterKakutani

<Text & Photo:角谷剛>

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