ギア&アクセサリー
2022年4月14日

トレーナーおすすめの疲労回復グッズ。筋肉の痛みやだるさ、疲れはこのアイテムで解消

 毎日の練習やトレーニングによって疲労したカラダを、どのようにケアしているでしょうか。ストレッチや入浴、マッサージなどケアの方法はいくつかありますが、どれも痛みの症状や疲れが出てからでは遅いのです。日頃から予防対策を行うことが本当に大切なのです。

 今回は、セルフケアの効果を高める疲労回復アイテムを紹介していきます。

1.テニスボール・ゴルフボール

 手軽でオススメなのが、「テニスボール」や「ゴルフボール」です。テニスボールは適度な弾力性と柔らかい肌触りによってちょうどよい圧迫を得ることができるため、セルフマッサージに最適です。自分で行うのが難しい腰部やハムストリングス、臀部や大腿筋膜張筋などのマッサージに使用すると、効果的に刺激することができます。ラップや靴下などで2個くっつけた状態にすると、さらに使い勝手がよくなります。ぜひ試してみてください。

 強い刺激が欲しい人は、ゴルフボールがオススメです。疲れている部分に対し、テニスボールよりもピンポイントで刺激することができます。特に、肩甲骨まわりや足裏のマッサージに活用すると効果的です。どちらも持ち運びが楽なため、遠征先や試合先などさまざまな場所へ持っていくことができます。

2.ストレッチポール(フォームローラー)

 スポーツショップなどでも販売されるようになったストレッチポールも、セルフケアで活躍してくれるアイテムです。ストレッチポールは円柱状の長い丸太のようなトレーニングギアで、仰向けで寝ることで体幹部を中心にさまざまな筋肉の緊張をやわらげてくれます。ストレッチポールの上に背骨に沿って寝ると、頭(後頭部)、背中(胸椎)、腰(仙骨)がストレッチポールに接地するでしょう。この姿勢で四肢(両腕・両足)をだらんと脱力させた姿勢が、筋肉のバランスを整える効果を高めます。

 カラダの中心のことを「正中(せいちゅう)」、その正中を通って頭のてっぺんからカラダを左右に2分する軸のことを「正中線(せいちゅうせん)」といいます。ストレッチポールに乗ると、正中線上でカラダを保持することになり、左右対称の状態を作り出すことができるのです。

左右対称の姿勢を作るのは難しい

 筋肉がアンバランスになっているせいで、左右対称の姿勢を作ることは困難です。両足で意識してまっすぐ立っていたとしても、左右対称でないことの方が多いはずです。これは、日常生活のクセ(足や腕を組んだり、いつも同じ側の肩でカバンを持ったりするなど)によって、気づかぬうちに「前面・後面」「左側・右側」「上半身・下半身」の筋肉バランスが崩れてしまっているからです。

 立った姿勢や座った姿勢でのセルフストレッチでは、左右の筋肉のアンバランスを意識しにくく、筋バランスを改善することは難しいでしょう。そこで、ストレッチポールに乗って正中線上にカラダを位置し、その姿勢でいろいろな動作を行なう。これによって筋バランス、関節の可動域や機能、感覚を整える効果が高まるのです。

力を入れず、自重で動くこと

 ストレッチポールは、自体重(腕の重さや足の重さ)を使うことで効果を発揮します。力を入れて動かすわけではないため、リラックス効果が高いだけでなく、普段意識して動かすのが難しい関節や筋肉に対して刺激を入れやすくなるでしょう。

 最初のうちは、動かしにくい側と動かしやすい側があるかもしれません。それも筋肉のアンバランスから生じるものです。継続して行うことでアンバランスが解消され、左右同じように動作ができるようになってきます。筋バランスが改善してくると、自然と姿勢も整えられていくはずです。

ほかにもさまざまな形状のローラーがある

 最近ではストレッチポール以外に、グリッドフォームローラーや振動フォームローラーなど、形状や長さが異なるものや、振動するものなどが販売されています。足やお尻をのせて転がしたりすることで、筋肉の緊張を改善させることも可能です。

3.氷嚢(ひょうのう)

 スポーツにはケガがつきもの。そんなときのために、氷嚢は欠かせないグッズといえます。足関節捻挫をはじめ、打撲や肉離れなどの筋肉の痛み、使い過ぎによる関節の炎症や痛みなど、幅広い症状に対してアイシングは有効です。氷嚢がひとつあれば、氷を入れてすぐに冷やすことができます。

 たとえ痛みがなくても、練習や筋トレで酷使する部位に関しては、日頃からアイシングを習慣づけるとよいでしょう。痛みを防いだり疲労回復を早めることができます。

関連記事:スポーツ時の打撲・捻挫・突き指は「アイシング」で応急処置。患部を冷やす" RICES"の効果とやり方

怪我や痛みの予防にセルフケアは必須

 手軽に手に入れることができ、効果も高いセルフケアグッズをご紹介しました。どれもひとつ持っているだけで、セルフケアの幅が大きく広がります。

 カラダの痛みがないときは、どうしてもケアをおろそかにしがちです。しかしセルフケアは、ケガ予防のためにもっとも基本的なこと。このようなグッズを活用して、日頃からしっかり対策を行ってみてはいかがでしょうか。

[筆者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​医療系・スポーツ系専門学校での講師のほか、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、さまざまなメディアで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会(JATI-ATI)の認定トレーニング指導
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<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>