2021年10月28日

バナナを食べるメリットとは。管理栄養士に聞いてみた

バナナの栄養素にはカリウムやカルシウムなどのミネラル類、ビタミン類、葉酸など多くの栄養素が豊富に含まれています。そのため、健康や美容効能を期待して食べる人も多いでしょう。

その中でも注目すべき栄養素とその働きとは? 東京慈恵会医科大学付属病院栄養部で管理栄養士を務める赤石定典さんに聞きました。

バナナ1本あたりの栄養素

エネルギー 86kcal
水分 75.4g
タンパク質 1.1g
炭水化物 22.5g
カリウム 360mg
カルシウム 6mg
マグネシウム 32mg
0.3mg
カロテン 56μg
ビタミンA(β-カロテン当量) 56μg
ビタミンB1 0.05mg
ビタミンB2 0.04mg
ナイアシン 0.7mg
ビタミンB6 0.38mg
ビタミンC 16mg
ビタミンE 0.5mg
葉酸 26μg
食物繊維総量 1.1g(水溶性食物繊維0.1g/不溶性食物繊維1.0g)

生のバナナ可食部100gあたりの主な栄養成分
(文部科学省「五訂日本食品標準成分表」の数値をもとに筆者作成)

バナナの注目の栄養素1「カリウム」

「ひとつはカリウムです。カラダの水分調整や高血圧改善に有効なカリウムは、ナトリウムとともに細胞内液の浸透圧を一定に調節する機能があり、体液バランスをサポートします。スポーツで汗をかくと水分と一緒にナトリウムやマグネシウムなどの電解質も失われます。カリウムが不足すると、筋肉に負担がかかったときに足がつりやすくなったり、痙攣(けいれん)の原因となります。しかし、カリウムを摂取することで筋肉の収縮が助けられ、予防することができます」(赤石さん)

バナナの注目の栄養素2「ポリフェノール」

「もうひとつはポリフェノール。フルーツではブドウに多く含まれていると思われがちですが、実はバナナのほうが多い。強い抗酸化作用があり、活性酸素を取り除いてくれるので、スポーツ後の疲労回復にも効果的です」(赤石さん)

フルーツのポリフェノール含有量ダントツがバナナとは、驚きです。

バナナの注目の栄養素3「オリゴ糖」「食物繊維」「ビタミンB群」

さらに、腸内環境を整えるオリゴ糖や食物繊維、代謝促進に機能するビタミンB群にも注目だそう。

バナナの注目の栄養素4「トリプトファン」

「バナナに含まれるトリプトファンは脳でしあわせホルモンのセロトニンを分泌させ、それが睡眠を促すメラトニンを分泌させる。すなわち、しっかりとトレーニングをしたあとは、質のよい睡眠をしてカラダを回復させる力を秘めている。それには朝食バナナがおすすめです」(赤石さん)

バナナは100g中15mgのトリプトファンを含有し、セロトニンの材料として必要なトリプトファン、ビタミンB6、炭水化物のすべてを含んで効率的にセロトニンを生成します。

[監修者プロフィール]
赤石定典(あかいし・さだのり)
管理栄養士。1991年3月、学校法人華学園栄養専門学校を卒業後、4月より東京慈恵会医科大学附属病院栄養部に勤務。管理栄養士として栄養管理や栄養の重要性を広く伝えるために書籍監修、メディア出演にも関わる。

※本記事はMELOSで公開された記事「バナナは毎日食べると太る?筋トレやランニングとの相性は?バナナの栄養素や効果を栄養士にとことん聞いた」を再編集したものです。

<Edit:編集部/Text:京澤洋子(アート・サプライ)>