テーピングってどんな効果があるの?メリットは?専門家が回答
マラソンランナーやサッカー、テニスなど、スポーツをしている人が貼っている印象がある「テーピング」。運動をしない人だと、突き指や腱鞘炎といった怪我のときにつけるイメージかもしれません。しかもなんだか難しそうで、一般人にはうまく巻けなさそうな……そもそもどんなときに使うものだっけ? 正しい巻き方は?
そんな疑問あふれるテーピングのアレコレについて、テーピングやサポーター、コンプレッションウェアなどを展開するピップ株式会社「プロ・フィッツ」ブランドのテーピングインストラクター、丸山里夏さんに聞いてみました。
今回のテーマは「テーピングの基礎知識」。テーピングとはどんなものなのか、その種類やメリットなどを伺いました。
Q.テーピングという名前はよく聞きますが、どんなときにやるものなのでしょうか。ランニングや突き指したときにやるイメージですが……。
テーピングはケガの予防や再発防止、パフォーマンス向上のために使用します。なかでもキネシオロジーテープと呼ばれるものは、貼ることで筋肉の動きをフォローし、疲労軽減を助ける、関節に貼ることで可動域を制限する、またパフォーマンス向上のサポートを行います。
テーピングには主に4つの種類があります。
テーピングの種類
固定用非伸縮テープ
テープ本体が伸びないので固定力が強く、関節や筋肉を固定・圧迫することが目的で使用されます。テニスやゴルフといったコンタクトスポーツや、激しい動きのあるスポーツでよく使われます。
伸縮テープ
厚手の布地で伸縮性、強度に優れたテーピングです。肩やひざなど可動域の大きな部位や、ある程度自由な動きを望む部位に適しています。コンタクトスポーツや激しいスポーツでよく使われています。
自着式テープ
肌にはくっつかず、テープ同士がくっつきます。巻き直しやができて、はがす時に痛みがありません。伸縮性が高く、適度な圧迫、固定が可能です。コンタクトスポーツ以外の運動、ランニングやウォーキングで使用できます。
キネシオロジーテープ
筋肉と同じくらいの伸縮率があるテープです。筋肉に沿って貼ったり、関節可動域の制限を行う目的で使用されます。
テーピングのメリット
テーピングを行うことで、ケガの予防、再発防止、そして精神的な支えとなってくれます。ケガや不安な部位があると、どうしても気になってしまい、力を発揮しにくくなりませんか?
「『テーピングをしている』ことが安心材料になり、ケガが怖くて60%しか発揮できない力が80%になるなど、精神的な支えとなってくれます」(丸山)
テーピングのデメリットや注意点
強く巻きすぎ、ひっぱりすぎに注意
強く巻いたり、強くひっぱって貼ることで血液などの循環障害が起こりやすくなります。
皮膚トラブルに注意
皮膚に直接貼るものなので、一日で貼り直しましょう。肌が弱い方は皮膚トラブルを避けるため、事前にテーピング用の肌保護ジェルを使ったり、テーピングをはがす際にはしっかりと濡らし、静かにはがしてください。
サポーターとはどう違うの?
サポーターはサイズや部位が決まっていますが、テーピングは自由度が高く、ひとつあればサイズや部位を気にすることなく使用できます。
[プロフィール]
丸山里夏(まるやま・りか)
愛称まるちゃん。兵庫県神戸市出身、大学時代はテニス部に所属。2018年にピップ株式会社に入社し、テーピングインストラクターとしての活動を開始。テーピング施術人数1045名(2021年5月末)、テーピングセミナー受講者数は約2300名にのぼる。NESTA-PFT認定。
記事協力
ピップ株式会社
プロ・フィッツ公式サイト https://pip-profits.com/
<Text:編集部/Photo:Getty Images>