
お米ダイエットのやり方|白米の太る食べ方、痩せる食べ方、カロリー過多を防ぐコツ[栄養士監修] (1/4)
- 健康
- 2022年12月20日
古来より日本人は、米を主食としてきました。どんなに食が多様化しようとも、それは変わりません。しかし、糖質制限ダイエットのブーム以来、“瘦せるためにはカロリーや糖質を多く含む白米は避けるべき”と思われています。果たして、本当にそうなのでしょうか?
そこで今回は、白米に多方面からアプローチし、ダイエットへの正しい活用法を探ります。
白米についてのさまざまなギモンを、Japanマラソンクラブでマラソンインストラクターとして走り方の指導や食事指導にあたる管理栄養士の深野裕子さんに解説していただきます。
白米とは
白米は、玄米から糠(ぬか)と胚芽(はいが)を取り除き、胚乳(はいにゅう)のみにしたお米のことで、この工程を精米といい、「精米」「精白米」「銀シャリ」とも呼ばれます。
銀シャリは、炊きあがったお米が銀色に輝いて見えるから、ツヤツヤで真っ白な様が仏様の尊い遺骨「仏舎利」に似ているからなど、その由来には諸説あります。
白米の太りやすい食べ方、瘦せやすい食べ方
いきなり本題です。白米には、太りやすい食べ方と瘦せやすい食べ方があります。
太りやすい食べ方
◎空腹時に大量に食べる
白米の過剰な摂取や空腹状態での摂取は血糖値を急激に上昇させやすく、必要以上に摂取された糖質は中性脂肪として蓄積し体脂肪が増加する
◎夜遅い時間帯に揚げ物など脂質が多い食べ物と一緒に食べる
糖質とともに摂取した脂質は、エネルギーとして使う予定がなければダイレクトに中性脂肪として蓄えられやすい。とくに夜は同じ食事内容でも血糖値が上昇しやすいため、夕飯で白米と揚げ物などの脂質が多い食事をとると太りやすい
瘦せやすい食べ方
◎食物繊維とともに摂取する
不溶性食物繊維(野菜、大豆、きのこなど)や水溶性食物繊維(海藻、納豆、なめこ、おくら、モロヘイヤなど)
◎玄米や雑穀、麦と混ぜて食べる
白米と玄米を半分ずつ混ぜて炊いたり、白米と雑穀米、もち麦や押し麦を混ぜて食べることで食物繊維やビタミン・ミネラルなどをプラスαすることができる
◎主菜(肉や魚などたんぱく質を多く含むもの)や副菜(野菜や海藻、きのこなど食物繊維を多く含むもの)と一緒に摂取する
血糖値の上昇がゆるやかになる
◎ほかほかより冷めたごはんにする
冷めたごはんに多く含まれるレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)が、血糖値の上昇をゆるやかにする
深野さんは「白米として摂取するなら炊き立てのホカホカごはんより、冷めしや、おにぎりのほうがダイエットには向いている」とも。その理由は、冷めたごはんに多く含まれるレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)にあります。
通常、でんぷんは小腸で消化されるが、レジスタントスターチはあまり消化されることなく大腸まで届き、食物繊維と同様の働きをします。「瘦せ成分」「ハイパー食物繊維」とも呼ばれ、近年、そのダイエット効果が注目される成分です。
- 腸内環境を整える:便のカサを増し、便通をよくする。腸内細菌のエサになり有用菌の増殖を促す
- 血糖値の上昇をゆるやかにする:脂肪の合成を抑える
- 脂肪の蓄積を抑える:余分な脂質を吸着して排泄する
一般に常温で1時間程度冷ますとよいとされ、おにぎりにしたり、お弁当のごはんを温めずに食べれば、白米はダイエット向きといえます。
白米はダイエットに向いている食べ物なのか
そもそも、白米はダイエット向きの食べ物なのでしょうか。白米やパン、玄米ごはんなど、各主食の1食あたりのエネルギー、炭水化物、たんぱく質、脂質の含有量を見ていきましょう。
注目は、精白米の脂質の低さ!
「白米は主食の中でも脂質が少ないので、パンやパスタなどを選ぶなら白米を選んだほうが脂質を低く抑えることができます」と深野さん。
※文部科学省「八訂日本食品標準成分表」をもとに監修者作成
パンやパスタなどの「粉食」よりも、「粒食」の白米は比較的ゆっくり消化されるので腹持ちがよいとのこと。満腹感が持続し、間食が減るのでダイエットに向いているといえそうです。
白米に含まれるカロリーと栄養
ここで、ごはんお茶碗1杯(150g)に含まれる栄養とその働きをチェックしてみましょう。
- エネルギー(234kcal)
- 炭水化物(55.7g):体を動かすためのエネルギー源
- たんぱく質(3.8g):筋肉や骨、血液などあらゆる体の材料
- 食物繊維(2.3g):便のカサを増し便の量を増やす、腸内環境を整える
- 脂質(0.5g):体のエネルギー源。ホルモンの材料や細胞膜を構成
- マグネシウム(11mg):リンやカルシウムとともに骨を形成。体内のさまざまな代謝を助ける
- カルシウム(5mg):丈夫な骨や歯を作る。筋肉が正常に収縮するのを保つ
- 亜鉛(0.9mg):体内の代謝に関わる。新しい細胞を作るのにも必須。細胞や味を感じる味蕾細胞形成を助け、各酵素を活性化させる
- 鉄(0.2mg):赤血球に含まれるヘモグロビンの材料。体の隅々まで酸素を運び二酸化炭素を回収する
- ビタミンB1(0.03mg):糖質の代謝に欠かせない。疲れた体を元気にする
※文部科学省「八訂日本食品標準成分表」をもとに作成
ところで、白米は1日どれくらいまでがダイエット的にはよいのでしょうか。