
お米はダイエット向きか、否か。白米の糖質とカロリー、効果的な食べ方を探る[栄養士監修] (2/3)
白米は実はダイエット食だった⁉
さて、ここで本題。白米はダイエット向きの食べ物なのか、否か? 以下は、各種主食の1食たりのエネルギー、炭水化物、たんぱく質、脂質の含有量です。注目は、精白米の脂質の低さ。
1食あたりの目安量 |
エネルギー |
炭水化物 |
たんぱく質(g) |
脂質 |
ごはん1膳<精白米(めし)150g> |
234 |
55.7 |
3.8 |
0.5 |
ごはん1膳<玄米(めし)150g)> |
228 |
53.4 |
4.2 |
1.5 |
食パン1枚<(6枚切り)60g> |
149 |
27.8 |
5.3 |
2.5 |
クロワッサン1個<40g> |
162 |
20.6 |
2.6 |
8.2 |
パスタ1食<乾100g> |
347 |
73.1 |
12.9 |
1.8 |
※文部科学省「八訂日本食品標準成分表」をもとに監修者作成
「白米は主食の中でも脂質が少ないので、パンやパスタなどを選ぶなら白米を選んだほうが脂質を低く抑えることができます」と深野さん。
また、パンやパスタなどの「粉食」よりも、「粒食」の白米は比較的ゆっくり消化されるので腹持ちがよいとのこと。満腹感が持続し、間食が減るのでダイエットに向いているといえそうです。
さらに深野さんは、「白米として摂取するなら炊き立てのホカホカごはんよりも冷めしや、おにぎりのほうがダイエットには向いている」とも。その理由は、冷めたごはんに多く含まれるレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)にあります。
通常、でんぷんは小腸で消化されるが、レジスタントスターチはあまり消化されることなく大腸まで届き、食物繊維と同様の働きをします。
「瘦せ成分」「ハイパー食物繊維」とも呼ばれ、近年、そのダイエット効果が注目される成分です。
◎腸内環境を整える:便のカサを増し、便通をよくする。腸内細菌のエサになり有用菌の増殖を促す
◎血糖値の上昇をゆるやかにする:脂肪の合成を抑える
◎脂肪の蓄積を抑える:余分な脂質を吸着して排泄する
一般に常温で1時間程度冷ますとよいとされ、おにぎりにしたり、お弁当のごはんを温めずに食べれば、白米はダイエット向きといえます。さらに白米には、太りやすい食べ方と瘦せやすい食べ方があります。
太りやすい食べ方
◎空腹時に大量に食べる
白米の過剰な摂取や空腹状態での摂取は血糖値を急激に上昇させやすく、必要以上に摂取された糖質は中性脂肪として蓄積し体脂肪が増加する
◎夜遅い時間帯に揚げ物など脂質が多い食べ物と一緒に食べる
糖質とともに摂取した脂質は、エネルギーとして使う予定がなければダイレクトに中性脂肪として蓄えられやすい。とくに夜は同じ食事内容でも血糖値が上昇しやすいため、夕飯で白米と揚げ物などの脂質が多い食事をとると太りやすい
瘦せやすい食べ方
◎食物繊維とともに摂取する
不溶性食物繊維(野菜、大豆、きのこなど)や水溶性食物繊維(海藻、納豆、なめこ、おくら、モロヘイヤなど)
◎玄米や雑穀、麦と混ぜて食べる
白米と玄米を半分ずつ混ぜて炊いたり、白米と雑穀米、もち麦や押し麦を混ぜて食べることで食物繊維やビタミン・ミネラルなどをプラスαすることができる
◎主菜(肉や魚などたんぱく質を多く含むもの)や副菜(野菜や海藻、きのこなど食物繊維を多く含むもの)と一緒に摂取する
血糖値の上昇がゆるやかになる
白米は1日どれくらいまで?
ダイエット中の白米の1日あたりの適正量は以下の通り。(35歳男性/85㎏/筋トレを行ってダイエットを行う場合)
炭水化物の必要量=332g(目安)
白米(めし)100gに含まれる炭水化物の量=37.1g
白米(めし)1膳150gに含まれる炭水化物の量=55.7g
白米(めし)1膳180gに含まれる炭水化物の量=66.8g
※1日あたりの適正量は、1膳150gなら約4杯/1膳180gなら約3.5杯(主食以外からとる炭水化物量を除いて計算)
《1日に必要な炭水化物量の計算方法》
上記条件の男性を想定し、1日のエネルギー量を2300kcalに設定した場合
①たんぱく質の必要量を設定 128g(体重1kgあたり1.5g)(128g×4kcal=512kcal)
②脂質の必要量を設定 2300×20%=460kcal
③炭水化物の必要量=2,300kcal(1日必要エネルギー量)-512kcal(たんぱく質)-460kcal(脂質)=1328kcal
※1,328kcal/4kcal=332gが炭水化物の目安量となる