リトルリーグ(少年野球)の場合は?【子どものスポーツ習い事の費用 #2】
将来、わが子をプロスポーツ選手やオリンピック選手などのアスリートにしたいという夢をお持ちのお父さん、お母さん。そこまでは考えていないけど、何かスポーツをさせたいと思ったとき、スポーツ教室やチームに所属させる費用はいくらぐらいかかるのか? 子どものスポーツ習い事を始める際の初期費用と月謝について調べてみました。
第2回は、少年野球チームのリトルリーグです。高校野球で甲子園を沸かせるスター選手のリーグ出身者も多く、高校野球で歴代最多とされる通算111本塁打を記録した早稲田実業の清宮幸太郎内野手もリトルリーグ出身です。清宮選手は高校卒業後の進路にプロ志望を表明したのも記憶に新しいところですね。
軟式と硬式がある少年野球チーム
日本の少年野球チームには、硬式球でプレーするリトルリーグ、ボーイズリーグ、ブロンコリーグ、また各地域で組織されたサンリーグ(北海道地方中心)、ヤングリーグ(関西地域中心)、フレッシュリーグ(九州地方中心)と、軟式球でプレーする学童軟式野球があります。
学童軟式野球はそのほとんどが全日本軟式野球連盟に所属し、全国で12146チームがあります。小学生の野球組織としては国内最大で、全国大会も開催されています。小学校のグランドで地域の野球好きなおじさんや児童のお父さんが監督やコーチを努めている場合がほとんどです。また、軟式球は約100年前に日本で作られたもので、日本独自のボールです。危険性が少なく、小さな子どもでもプレーしやすいといった特徴があります。
一方の硬式球を使ってプレーするリトルリーグなどは、小さなうちから硬式ボールに触れさせ、中学、高校と将来的にも野球を続けるのに有利ということから入団するという選択もあります。日本リトルリーグ野球協会に加盟するリトルリーグチームは全国で860チーム、日本少年野球連盟に加盟するボーイズリーグは全国に741チームで、硬式の少年野球チームとしては国内ではこの2つが最も大きなリーグとなっています。
学童軟式野球とボーイズリーグは日本のみの組織で国内大会だけなのに対し、リトルリーグやブロンコリーグなどはアメリカほか世界各国で組織されているリーグのため、国際大会への出場も可能なことが大きな特徴です。
リトルリーグの初期費用や月謝の平均は?
将来はプロ野球選手を目指し、メジャーにも挑戦したいといった夢の第一歩となるリトルリーグへの入団。リトルリーグは幼稚園年長から入団できるチームもあり、小学校6年生から中学校3年生まではリトルシニアのチームの所属となります。
前出の早稲田実業の清宮選手の出身チームで、OBには元ヤクルトの荒木大輔選手、元日本ハムの竹田一浩選手、元中日の関川浩一選手らがいる東京都の調布リトルシニアと、ソフトバンクの松坂大輔選手やオリックスの小谷野栄一選手を輩出した江戸川リトルシニアの名門2チームについて調べてみました。
■ 調布リトルリーグ・リトルシニア
チーム名:調布リトルリーグ
募集年齢:幼稚園年長より
会費:4000円/月 別途、傷害保険年間2000円
チーム名:調布リトルシニア
募集年齢:小学校6年生から中学校3年生
会費:5500円/月(父母協力会費500円/月含む)別途、傷害保険年間2000円
※そのほか選手登録料、海外遠征(費用別途)などの諸経費あり
■江戸川南リトル&シニアリーグ
リーグ:マイナー(学年別の2リーグ)
募集年齢:小学1年〜小学2年
リーグ費:1000円、父母会費:1000円、リーグバス維持費:2000円 合計4000円/月
募集年齢:小学3年〜小学5年夏まで
リーグ費:4500円、父母会費:1000円、リーグバス維持費:2000円 合計7500円/月
リーグ:オールスター
募集年齢:小学5年秋〜中学1年夏まで
リーグ費:4500円、父母会費:1000円、リーグバス維持費:3000円 合計8500円/月
リーグ:シニア
募集年齢:中学1年秋〜中学3年
リーグ費:5500円、父母会費:1000円、リーグバス維持費:2000円 合計9500円/月
※初回のみ入会金5000円(保険代、選手登録料込)、そのほか遠征費などの諸経費あり。兄弟で入団の場合は、父母会費、リーグバス維持費は家庭数となり下の子はリーグ費のみ
このほかのチームと比較しても、平均して月会費は5000〜10000円弱といったところが多いようです。月会費の高いチームは、リーグバスを所有していたり、遠征費を積み立てしていたりといったことで単価があがっている場合がほとんどです。
さらにユニホームや練習着、スパイク、ジャンパーやグランドコート、バッグなどチーム指定用品を揃えなければなりません。ミズノの公式HPで少年硬式用のグローブ、スパイク、バットを調べると、グローブが30000円〜、スパイク(小学生用の金具の付かないもの)が5500円〜、バットが22000円〜。ユニホーム、アンダーシャツ×2、ソックス×2、ベルト、ストッキング止めなどの合計で約15000円ほど。チーム揃いのバッグやジャンバーなどはチームによりますが、外算で含めるとトータルで約80000円ほどかかります。
保護者のフォローは不可欠。親子で野球を楽しむことも大切
子どもがリトルリーグに入団すると、親のフォローが不可欠です。実際、調布リトルシニアでは、「レギュラーをとると父親が必ず帯同し、塁審などをやる必要があります」と公式HPに明記されています。
練習時のお茶当番や試合・遠征の付添いなどなど、チームによって要求される役割分担に違いはありますが、父母会のあるチームなどでは保護者のフォローを入団時に明確に提示してくれるところもあります。
子どもがリトルリーグに入団すると、費用の面だけでなく、親自身が出向いてフォローする場面が発生します。野球に打ち込む子どもと一緒に、保護者もがんばる覚悟も必要でしょう。練習や試合で活躍するわが子の姿をグラウンドに見に行ってあげるのも、子どもにとって大きな励みになりますし、何より小学、中学の限られた期間です。わが子の成長する姿を見守ることができるかけがえのない時間を大切に、子どもの夢に寄り添ってあげてはいかがでしょうか。
〈参考サイト〉
・ 公益財団法人 全日本軟式野球連盟
http://jsbb.or.jp/
・ 公益財団法人 日本リトルリーグ野球協会
http://jllba.com/
・ 公益財団法人 日本少年野球連盟
http://www.boysleague-jp.org/
・ 調布リトルリーグ・リトルシニア
http://chofu-little.net/
・ 江戸川南リトル&シニア
http://www.edominalba.com/
・ ミズノ公式オンラインショップ
http://www.mizunoshop.net/nav/野球
<Text:京澤洋子(アート・サプライ)/Photo:Getty Images>