坐骨神経痛の痛みを悪化させる「やってはいけないこと」 (1/5)
腰から脚にかけてしびれや痛みを伴う、つらい坐骨神経痛。
「坐骨神経痛になったらどうすればいいの?」
「もしかして梨状筋症候群かも」
「痛みを和らげる方法は? ストレッチは効果ある?」
このような悩みをお持ちの人へ、坐骨神経痛の症状や原因、セルフケア方法とやってはいけないこと、坐骨神経痛の改善におすすめの漢方薬について、ヨガインストラクターが詳しく解説します。
坐骨神経痛とは
坐骨神経痛とは、腰やお尻、下肢にしびれや痛みなどの症状があらわれた状態です。
坐骨神経は、体内で最も太くて長い末梢神経。太さは鉛筆ほどで、長さはおよそ1メートルもあり、腰から出てお尻を通り、足先にかけて伸びています。
これらの広範囲に及ぶ坐骨神経が何らかの原因で圧迫されることで、坐骨神経の支配領域である部位に痛みやしびれなどが生じます。坐骨神経痛は病名ではなく、これらの症状の総称です。
坐骨神経痛のときに現れる症状
坐骨神経痛の症状としてはお尻や脚の痛み・しびれが挙げられますが、その特徴には個人差があり、感じ方もさまざまです。
多いのは「お尻から太ももにかけて痛みがある」「ふくらはぎや足首がしびれる」「歩いていると痛みが強くなる」などです。
痛みやしびれの感じ方も「急に激痛が走る」「ジンジンしびれる」「鈍痛が消えない」など多岐にわたります。
一般的には、症状は左右どちらかに出る場合が多いとされています。
ほてりや冷感、締めつけ感、脱力感
また、痛みやしびれ以外にも、ほてりや冷感、締めつけ感、脱力感といった感覚異常があり、ひどい場合は歩行や排尿、排泄が困難になるなど、日常生活に支障をきたす場合も。
姿勢や角度によって痛みが増す
さらに、坐骨神経痛を引き起こす要因によって、前かがみの姿勢で症状が出るタイプ、腰を反らせると痛むタイプがあるのも特徴です。
坐骨神経痛の原因はおおよそ3パターンが多い
坐骨神経痛を引き起こす要因として代表的なものは、高齢者に多い「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」、若年層にも多く見られる「椎間板ヘルニア」。
そして、お尻の深層部にある筋肉の硬直によって引き起こされる「梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)」などがあります。
▼梨状筋まわりが固いと坐骨神経に障る
また、加齢による筋力の低下や、長時間座りっぱなしの姿勢でいること、激しい運動や重労働によって腰に過度な負担がかかることも、坐骨神経痛の原因とされています。
坐骨神経痛でやってはいけないこと
坐骨神経痛のときにやってはいけないことは、「長時間同じ姿勢でいること」。
痛みが怖いとつい安静にしてしまいがちですが、動かないでいると筋力の低下を招き、症状が悪化したり治りが遅くなったりする可能性があるといわれます。
立ちっぱなしや座りっぱなしはなるべく避けて、痛みがひどくなければ少しずつストレッチをし、適度に体を動かしましょう。
ただし、日常生活に支障をきたすほど痛みがひどい場合や発熱を伴う場合は、放置せずに医療機関を受診してください。ほかの病気が潜んでいる可能性や手術が必要な場合もあります。
次は、坐骨神経痛の痛みを和らげるストレッチを見ていきましょう。