坐骨神経痛の痛みを悪化させる「やってはいけないこと」 (4/5)
坐骨神経痛の痛みはいつまで続くの?
個人差がありますが、一般的には2~3週間ほどでよくなることが多いとされています。また、坐骨神経痛の原因が椎間板ヘルニアの場合、およそ80%の人が3か月ほどで自然治癒するという報告もあります。
これに対して、比較的高齢者に多い腰部脊柱管狭窄症が坐骨神経痛の原因の場合は、症状が出るのも引くのもゆっくりであるため、長引くことが多いようです。
坐骨神経痛が急に治った……なぜ?
坐骨神経痛を引き起こす原因である腰椎の疾患が自然治癒した場合、坐骨神経痛の症状も自然と収まります。
軽度の坐骨神経痛であれば、体操やストレッチなどを行って2〜3週間ほどで症状が出なくなることも少なくありません。
また、比較的若い人に多いとされる椎間板ヘルニアが坐骨神経痛の原因である場合は、自然治癒することが多いと言われます。ヘルニアが自然と小さくなり、坐骨神経への圧迫がなくなることで坐骨神経痛が治まるのです。
坐骨神経痛と梨状筋症候群の違いは?
梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)とは、お尻の深層部に位置する梨状筋と、周辺の腱膜が緊張して硬くなり、お尻に痛みやしびれなどの症状があらわれる病気です。
梨状筋はお尻の深いところで坐骨神経と交差しているため、梨状筋が硬直して坐骨神経を圧迫すると、坐骨神経痛の原因になります。
先述の通り、坐骨神経痛は病名ではなく、坐骨神経が何らかの原因で圧迫されることで生じる痛みやしびれなどの総称です。そのため、梨状筋症候群は「坐骨神経痛の要因のひとつ」と考えられます。
坐骨神経痛と腰痛、なにが違う?
「腰痛」は腰部に痛みや張り、炎症などがあらわれた状態で、坐骨神経痛と同じく病名ではなく症状の総称です。
腰痛は腰に症状が出ている状態なのに対し、坐骨神経痛の症状は、坐骨神経の支配領域である腰からお尻、足先まで広範囲に及びます。
坐骨神経痛の原因が、腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなど腰椎にある場合、坐骨神経痛と腰痛が同時に起こることもあります。
坐骨神経痛を放置するとどうなる? 病院に行く目安は?
坐骨神経痛を放置すると、自然に治る場合も、逆に悪化する場合もあります。
ストレッチや体操などを取り入れて2~3週間経っても症状が改善しない場合や、1か月以上など、長期にわたり痛みやしびれがひどい場合は病院で受診することをおすすめします。
また、歩くのもつらい、楽な姿勢がないなど、日常生活に支障をきたす場合や、お尻や会陰部(えいんぶ)にしびれやほてりがある場合、排尿障害を伴う場合は早めに医療機関を受診しましょう。