生理中のダイエットは痩せないってホント?楽に痩せる秘訣とは[薬剤師解説] (1/2)
「せっかく順調に痩せていたのに、生理中に体重が増えた!」
「どうして毎月、体重の減りが悪くなるんだろう」
ダイエット中の女性は、生理のせいで思うようにダイエットができないこともありますよね。生理中のダイエットで痩せない理由や、生理周期から見るダイエットに最適な時期、生理中でもできるダイエット方法を紹介します。ダイエットを成功させたい方は、ぜひご覧ください。
<このページの内容>
生理中のダイエットで痩せない理由
生理中のダイエットでなかなか痩せない理由は、主に以下の2つです。
生理中に痩せない理由1:運動しづらい
生理中は運動しづらいため、消費カロリーが減って痩せづらい時期です。経血が出るため貧血気味になり、めまいや立ちくらみを起こす方もいるため、激しい運動や長時間の運動は避けた方がいいでしょう。
また、生理痛があるため動くこと自体がつらいという方もいますよね。貧血や生理痛がない場合も、ナプキンが気になって身体を動かしづらいこともあるでしょう。
このような理由で、生理中はいつもよりも運動量が減り、今まで順調に痩せていたのに、体重が減らなくなってしまうことがあります。
生理中に痩せない理由2:女性ホルモンの影響
個人差がありますが、女性は生理の4~5日前から生理中にかけて、むくむ方が多いです。ちょっと体重が増えるだけではなく、普段の洋服がきつくなってしまう方もいるほど。
むくみの原因は、「黄体ホルモン」という女性ホルモンです。黄体ホルモンは生理前に分泌量が増えるホルモンで、子宮内膜に受精卵が着床しやすい環境を整えます。
その子宮内膜に水分を蓄える作用が全身に作用するため、全身がむくんでしまうのです。
一般的には、生理が終わって黄体ホルモンの分泌量が減ることで、むくみも解消されて体重も減少するので、心配する必要はありません。
ただし、「生理中にもダイエットをしたい」という方にとっては、気になる現象でしょう。
生理中のむくみ解消法を、薬剤師が考えてみる
前述した通り、生理中に太ったと思ったその原因はただの「むくみ」である可能性が高いのです。むくみであれば意識することで軽減できます。
ここではむくみの解消法を2つ紹介しますね。
むくみ解消法1:カリウムを意識的に摂る
水分によるむくみを解消するためには、カリウムを意識的に摂りましょう。
生理前は、味が濃いものや塩分が多いものがほしくなりますよね。そういったものを食べて体内のナトリウムが過剰になると、余分な水分をためこんでむくんでしまいます。
カリウムを摂ることで余分なナトリウムが尿として排出され、むくみの解消が期待できます。
カリウムを多く含む食べ物
- きゅうり
- ほうれん草
- ごま
- 牛肉
とくに、ほうれん草や牛肉は生理による貧血対策にも効果的ですので、生理前に意識的に摂りましょう。
むくみ解消法2:血行不良の改善
むくみは血行不良によって生じることもあります。生理前は黄体ホルモンの分泌量が増えることで、自律神経の乱れにつながります。
その結果、血行が悪くなりむくんでしまうこともあるでしょう。むくみを解消するためには、血行を改善しましょう。
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湯船に浸かる、軽い運動
たとえば、生理前は浴槽に浸かることで全身の血行を改善できます。
生理中で浴槽に入ることに抵抗があるという方は、軽めのウォーキングやストレッチで血行を促進するのもおすすめです。
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緑黄色野菜、納豆などをとり入れる
また、食生活に気をつかうことで血行不良が改善できることもあります。
ビタミンやミネラルが豊富な緑黄色野菜や、血栓を溶かす効果を持つナットウキナーゼが含まれる納豆を摂りましょう。
血行不良を改善することで、むくみの解消だけではなく肩こりや頭痛が解消することもあります。「生理中になると、頭痛がひどい」という方は、ぜひ試してみてくださいね。
生理周期で考える、ダイエットに最適な時期。痩せやすいタイミングは「生理後~排卵日」
女性は、生理周期を考慮することで効率よくダイエットができます。生理中以外の期間はダイエットに向いているのでしょうか。
2つの時期を紹介します。
「生理後~排卵日まで」はダイエットにオススメのタイミング
生理が終わった直後から、排卵日までは痩せやすい時期です。
生理周期が28日だとすると、排卵日は生理が終わった日から14日後。その期間は、代謝をアップさせる働きを持つ卵胞ホルモンの分泌量が増加するので、ダイエットの成果が出やすいでしょう。
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水分排出によるむくみ解消
黄体ホルモンの分泌量が増えた影響でむくんでいたからだも、水分が排出されることで元に戻ります。
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食欲も安定しやすい
さらに、生理前から生理中にイライラして食欲が増すという方も、この時期は精神的に安定していて食欲もコントロールしやすいでしょう。
生理が終わってから排卵日までは、痩せるチャンスだと考えてしっかりダイエットをしましょう。
「排卵日~生理開始まで」は痩せにくい
排卵が終わると、女性の身体は妊娠に向けて水分や栄養を蓄え始めます。
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黄体ホルモンの影響でむくみやすい
前述の通り、黄体ホルモンの分泌量が増えるので、身体もむくんで痩せづらい時期に入るでしょう。
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イライラして食欲も増す
さらに、生理開始日が近づくほどイライラすることも増え、食欲が増すことも。ダイエットには不向きな時期です。
生理周期が28日の場合、生理が終わってから14日経過すると痩せづらい時期に入ります。この時期は体重が減らなくても、あまり落ち込む必要はありません。
また、「生理周期が不安定で排卵日がいつなのかわからない」という方は、基礎体温をつけてみましょう。排卵後は体温が上がるため、気が付きやすいでしょう。
ダイエットを成功に導く秘訣は「代謝アップ」と「脂肪燃焼」、そして「ストレス管理」
「生理中に痩せることは難しくても、なんとか現状維持くらいはしたい」
「ホルモンの関係で劇的に痩せられなくても、少しでも痩せたい」
このような悩みを持つ方に、生理中のダイエットを成功に導く秘訣を紹介します。生理中もダイエットを継続し、理想の体型に近づきたい方は参考にしてくださいね。
生理中ダイエットの秘訣1:筋トレで代謝を高める
生理中は、運動してもあまり体重が減りません。そこでおすすめなのは、筋トレをして基礎代謝を高めること。
基礎代謝とは、生命を維持するための最低限必要なエネルギーのことをいいます。何もしなくても消費されるエネルギーですので、基礎代謝が高い方ほど痩せやすいと言えるでしょう。
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筋肉をつけると基礎代謝が上がりやすい
基礎代謝は年齢を重ねると下がりますが、筋肉量を付けることで高めることができると言われています。
生理中でも、無理のない範囲で筋トレをして基礎代謝を高め、生理が終わった後に痩せやすい身体を作りましょう。
ただし、貧血気味になる方が多い時期ですので、無理は禁物です。怪我をしないように注意して、無理のない範囲で筋トレをしてくださいね。
生理中ダイエットの秘訣2:食事はバランスよく、貧血予防食材をとり入れる
生理中は食事のメニューも意識してみましょう。「どうしても体重を減らしたい」と極端な食事制限をする方もいますが、それは逆効果。
体調を崩して、生理が終わった後も運動ができなくなる恐れがあります。生理中も栄養バランスを考えて献立を決めていきましょう。
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レバーや赤身のお肉はとくにオススメ
とくに、貧血予防のためにレバーや赤身のお肉を食べるのがおすすめです。貧血を予防すれば、軽い筋トレやストレッチもしやすくなりますよ。
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甘いものは「食後に少しだけ」
また、生理前や生理中は甘いものがほしくなる方も多いですよね。
ストレスをためないためにも、少しであれば食べても構いません。ただし、急激に甘いものを食べると血糖値スパイクを起こし、身体に負担がかかる恐れがあります。
血糖値スパイクを起こすことで「満腹なのに、まだ甘いものが食べたい」という気持ちになってしまい、結果的に摂取カロリーが増えることもあります。
甘いものを食べるときは、「食後に少しだけ」のようにルールを決めて食べましょう。