「家で育児をする男性は男らしくない」と考える人がもっとも多い国は?31カ国を調査
世界最大規模の世論調査会社イプソス株式会社は、日本を含む世界31カ国24,269人を対象に、女性のリーダーシップに関する世界の考え方について調査を実施しました。
その結果、「家にいて育児をしている男性は男らしくない」という考え方に対し、「そう思う」と回答した日本人は、調査対象国31カ国中最も少ない10%で、2019年の調査から5年間で5ポイント減少していることがわかりました。
「家にいて育児をしている男性は男らしくない」という考えに「はい」と答えた日本人は10%
「家にいて育児をしている男性は男らしくない」に「そう思う」と回答する日本人は、調査31カ国でもっとも少ない10%でした。
5年間で5ポイント減少しており、家にいて育児をする男性を「男らしくない」と考える日本人が減少傾向にあることがわかりました。
31カ国の中でもっとも少ない結果に
また、その割合は調査対象国31カ国の中でもっとも少なく、これは男性のみの回答(12%)でも同様の結果になりました。
「家にいて育児をする男性」に対する価値観の変容が進んでいることがうかがえます。
「家にいて育児をしている男性は男らしくない」と考える人がもっとも多かった国は?
では、「家にいて育児をしている男性は男らしくない」と考える人がもっとも多かった国はどこでしょうか。
グラフを見ると、以下の順位となりました。
1位 韓国
2位 インド
3位 中国
なかでも、韓国とインドがダントツ。
「家にいて育児をする男性」に対する価値観は変化してきたものの、現実は?
育児は2人で。
価値観の変容が進んでいることが伺える数値となりましたが、実際との乖離を感じる人も多いのでは。
次の調査は、「自国の女性が男性と対等になるには」という視点に移ります。
男性と女性の「対等」を実現するためには?
「男性も女性の権利を守るために行動を起こさない限り、自国の女性は男性と対等になれない」と回答した日本人は約半数の57%。
2019年の47%に比べ10ポイントアップです。
男性と女性の対等を実現するためには、男性も行動を起こすべきであると考える日本人が半数以上いることがわかりました。
5年前の2019年よりも増加傾向にあることがわかります。
では、そのような行動を起こせるような仕組みづくりは充分なのでしょうか。
価値観の変容はしてきているものの、実際の対策は不十分
「女性にも男性と同じ権利を与える取り組みに関しては、我が国では十分すぎるほど対策がなされている」という調査に、「そう思う」と回答した日本人は24%。
これは31カ国中最下位です。5年前から5ポイント増加してはいるものの、調査対象国の中ではもっとも少ない31位という結果になりました。
女性に男性と同等の権利を与える取り組みに関して、国の対策が十分と感じている日本人が多いようです。
「国民のジェンダー意識が変わってきているにも関わらず、国の取組みが不十分」
今回の調査結果について、イプソス株式会社代表取締役社長の内田俊一氏は以下のように述べています。
「今回の調査では、日本人のジェンダーに関する意識、価値観が『平等』に向かって変容してきていることがわかりました。しかし、国民の意識が変わってきているにも関わらず、国の取組み対しては、不十分という評価です。世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表している『Global Gender Gap Report(世界男女格差報告書)』では、日本は不名誉な評価が続いています。国民の意識が変容してきているという状態は、いわば変化の土台ができていると考えてもよいのではないでしょうか。そのような時に、国の対策が十分になされていくことで、この変化がさらに加速していくことを期待しています」(内田俊一氏)
<Edit:編集部>