ウェルネスフード
2024年11月22日

魚肉ソーセージの「添加物」を考える。健康に悪いの?管理栄養士の見解は

魚肉ソーセージは健康に悪い、添加物は危険という説があります。魚肉ソーセージは本当に健康に悪いのか、添加物の視点から探っていきます。健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子先生監修の以下記事より、一部抜粋してお届けします。

「魚肉ソーセージは健康に悪い」はウソ?ホント?添加物は危険なのか、管理栄養士に聞いてみた

添加物は健康に悪いのか?

望月先生は、「魚肉ソーセージは、過剰摂取しなければ、大きな健康被害につながるとは考えにくいです」と述べています。

望月先生:魚肉ソーセージで考えると、添加物や塩分を含んでいる魚肉ソーセージの場合、1日2本以上を毎日食べるなど、食べ過ぎによる健康被害(発ガン性や死亡リスクを上げるなど)が発生する可能性があるため、「健康に悪い」と言われることもあるかもしれません。

一部の魚肉ソーセージには、どんな添加物が含まれている?

望月先生:魚肉ソーセージには、以下などの添加物が含まれていることが多いです。

  • リン酸ナトリウム
  • 亜硝酸ナトリウム
  • 着色料
リン酸ナトリウム 保水性、結着性の向上、食感を良くするなどの働きが期待できる。健康な方が過剰摂取しても、尿と一緒に排泄されます。

長期的に過剰摂取すると、腎臓に大きな負担がかかるため要注意です。
亜硝酸ナトリウム 加工食品の発色を良く見せるために使用されます。

亜硝酸ナトリウムは、アミンという物質に反応する性質があります。アミンに反応すると発がん性物質に変化する場合があると考えられています。

さらに、腸内で発がん性物質とタンパク質が結合すると、悪玉菌の作用により、大腸がんを誘発する恐れがあるアミンに変化するケースもあります。

ただし、日本の添加物の基準であれば、そこまで心配する必要はありません。
着色料 色を付ける際に使用されます。よく使われている着色料としては、赤色102号、赤色106号が挙げられます。

ラットの研究で、発ガン性やアレルギー、甲状腺異常、肝臓異常などがあるとの懸念がされています。

ただし、過剰摂取しなければ問題ありません。

望月先生:添加物自体には、発ガン性やアレルギー発症などの懸念があります。

しかし、日本で製造・販売されている添加物入りの食品の適量摂取であれば危険性はないと言えます。添加物の使用量などは食品衛生法によって厳密に管理されているためです。

そもそも、添加物は悪者になりがちですが、栄養成分の保持・味や香りの向上など、メリットがあるからこそ使用されています。根拠のない情報に惑わされることなく、正確な知識を身に付けましょう。

適量の摂取であれば気にする必要はない

望月先生:「魚肉ソーセージを食べてはいけない」という噂は、間違いだと言えます。食べたからといって必ず健康被害があらわれるものではありません。

このような極端な噂は、「添加物や塩分は健康に悪い」というイメージが出回ったからではないかと考えられます。確かに、過剰摂取は健康被害を起こす要因になりますが、適量の摂取であれば気にする必要はないでしょう。

添加物がどうしても心配な方は、合成色素ではなく、植物系色素(クチナシ、トマトリコピン)を使用しているものを選ぶと良いでしょう。

安心安全な魚肉ソーセージの選び方

望月先生:それでもやや心配な方は、以下のポイントを満たす商品を選ぶとよいでしょう。

  • 添加物不使用
  • 植物色素使用
  • 特定保健用食品表示がある
  • 塩分使用量が少ない
  • DHA、EPA、カルシウム等の配合が強化されている

望月先生:先述している通り、適量の摂取であれば添加物も塩分もさほど気にする必要はありません。しかし、健康への意識が高く添加物が気になる方は上記の魚肉ソーセージを選ぶと良いでしょう。

なお、特定保健用食品は、保健効能成分が含まれており、特定の保健の目的が期待できる食品です。国の審査を受け、許可を受けた食品なので、健康面が気になる方はこちらもチェックすると良いでしょう。

参考サイト

監修者プロフィール

健康検定協会理事長
望月 理恵子

株式会社Luce代表取締役、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、小田原銀座クリニック栄養顧問、日本臨床栄養協会評議員。サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。「栄養学の◯と×」、「やせる時間に食べてみた!」など著書も多数。

<Text:編集部>