2025年9月18日

3日で腹筋は割れるのか?トレーニング好きの医師に聞いた

「たった3日で腹筋を割る」――短期間で劇的に体を変えるのは可能なのでしょうか。

今回はトレーニング好きの医師に、腹筋が割れる仕組みと現実的な期間について聞きました。監修は、自身も高い美意識を持ち身体を鍛えている医学博士・美容外科専門医、SOグレイスクリニック院長・近藤 惣一郎先生です。

3日で腹筋は割れる? 割れない?

3日でできるのは「腹筋を浮かび上がらせる」こと

通常、筋肉を大きく育てるには数週間から数ヶ月かかります。一方、腹筋が割れて見えない原因の多くは、筋肉量ではなく「皮下脂肪」や「体のむくみ」にあります。

3日間という短期間では、筋肉を大きくするのではなく、隠れていた腹筋の輪郭を「見えやすくする」こと。

筋肉が増えて「割れる」わけではありませんが、「見えてくる」ことは十分可能です。3日間でむくみや余分な水分を取り除き、食事と運動で腹部のラインを浮き立たせれば、シルエットの変化は実感できます。

食事の見直しや、余分な水分を抜くことで、体が一気に引き締まり、腹部のラインが目立つようになります。とくに糖質や塩分を調整するだけでも、むくみが取れて腹筋がはっきりしてくる人も多いです。

つまり「割る」のではなく、「出す」のが3日間でできることです。

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というわけで、3日でお腹周りに変化を出すやり方を解説していきます。なお、今回の内容は「短期集中リセット」なので、急激な体脂肪の増減はありません。

1日目 余分な水分とむくみを徹底リセットする日

腹筋のラインを浮かび上がらせるには、まず「むくみ」や「水分の滞り」を取り除くことが近道です。1日目は身体をスッキリさせることに集中しましょう。

塩分と糖質を控えてむくみを減らす

塩分と糖質は体に水分をためこみやすく、腹まわりのむくみや膨らみの原因になります。とくにパンやラーメン、スナック菓子などは避け、味つけはシンプルに、素材そのままの食事を心がけましょう。

糖質を一時的に控えることで、体内に溜まったグリコーゲンと一緒に水分が抜けやすくなります。完全に抜く必要はありませんが、1日の糖質量を50〜80g程度に抑えるだけでも見た目の変化は出てきます。

こまめな水分補給を行う

水を控えればむくみが減ると思われがちですが、逆効果です。水分不足になると体は「水をため込もう」として、かえってむくみやすくなります。

1日を通して1.5〜2リットルの水をこまめに飲むようにしましょう。朝起きた直後、食事の前後、運動後などに分けて飲むのが理想的です。

冷たい水より常温や白湯のほうが体に負担をかけません。

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軽い運動で体をリセットさせる

運動をすると血流やリンパの流れが良くなり、体の水分代謝が活発になります。1日目は激しい筋トレではなく、軽めの有酸素運動と腹筋トレーニングで体を温めるのがポイントです。

1日目の食事メニュー例と運動メニュー

2日目 脂肪を燃やして腹まわりを絞る日

2日目は、体に残っている脂肪を燃やし、腹筋の輪郭をよりはっきりと出すフェーズです。有酸素運動と腹筋トレーニングで代謝を一気に高めましょう。

朝に軽く運動をし、脂肪を燃えやすくする

起床後は、血糖値が低く、体脂肪がエネルギーとして使われやすい時間帯です。ここで軽い有酸素運動を行うと、脂肪が燃えやすい状態をつくることができます。

朝食前にウォーキングや軽いジョギング(15〜30分)を取り入れて、代謝スイッチを入れましょう。

ブラックコーヒー1杯(無糖)を飲んでから動くと、脂肪燃焼をサポートしてくれます。

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腹筋を引き締めるトレーニングを取り入れる

2日目からは、少し強度のある腹筋メニューも取り入れていきます。無理のない範囲で、呼吸を止めずにゆっくり効かせるのがポイントです。

食事は「低脂質×高タンパク」を意識して

脂肪を減らしたいときに見落としがちなのが、脂質のとりすぎです。タンパク質は筋肉の分解を防ぎ、燃焼に必要な代謝を維持するために必須です。

2日目の食事メニュー例と運動メニュー

3日目 腹筋を浮き立たせて見た目を仕上げる日

最後の1日は、ここまで整えた体を「映える」状態に仕上げるステップです。筋肉にハリを出し、腹筋のラインをくっきり見せましょう。

「カーボアップ」で腹筋にハリを出す

カーボアップとは、糖質を一時的に多めに摂取して、筋肉にグリコーゲンと水分を送り込み、「ハリ」や「張り感」を演出する方法です。

この状態では筋肉がふっくらと持ち上がり、腹筋の凹凸がより立体的に見えるようになります。ボディビル大会や撮影前にも使われるテクニックです。

ただし、急に大量に摂ると逆効果なので、昼〜夕方にかけて糖質を普段の1.5倍ほどにとどめるのが安全です。

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夜ごはんは軽めにして「むくませない」

せっかく整えた腹筋ラインも、夜に塩分・水分を摂りすぎるとむくんでぼやけてしまいます。夕食は水分と塩分を控えめにして、消化が良くて軽めの食事にするのがコツです。

温かいお風呂にゆっくり入ると、余分な水分が抜けて翌朝の仕上がりがさらに整います。

深層部(インナーマッスル)まで刺激を入れる筋トレをやろう

3日目は筋トレも仕上げのフェーズ。プランクやドローイングなどで腹筋の収縮をしっかり意識し、筋肉の輪郭を浮かび上がらせるようにします。

3日目の食事メニュー例と運動メニュー

監修者プロフィール

美容外科 SO グレイスクリニック院長
近藤惣一郎

近藤 惣一郎医学博士(京都大学)
ロンリー侍ドクター
日本脳神経外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAS)専門医
1988年 京大医学部卒
若返り専門の美容外科医。美は健康の上になり立つという理念のもと、正しい食生活・運動習慣・ダイエットに関する知識が豊富で、自らもダンサーとして、プロフィッシングアングラー(DAIWA)として、若さとナイスボディを保ち続ける。
Instagram:https://www.instagram.com/kondo.soichiro/

<Edit:編集部>