タンパク質を摂りすぎると起こる、3つの弊害とは (1/2)
たんぱく質とは、ヒトの生命維持や身体活動に欠かせない「脂質」「糖質」と並ぶ3大栄養素のひとつ。血液や筋肉、骨や臓器、皮膚、髪、爪などカラダを形成する主要な成分で、体重の1/5を占めています。体内のホルモンや酵素、免疫物質などを作り、栄養素の運搬を行ない、微量のエネルギー源にもなっています。
筋トレ民はとくに意識してたんぱく質を摂取していることと思いますが、ここで気になるのはたんぱく質の摂り過ぎや不足した場合のデメリット。適切な一日の摂取量とはどのくらいなのでしょうか。
たんぱく質を摂りすぎるとどうなる?
栄養として吸収しきれず、脂肪として蓄積されてしまう可能性がある
プロテインの摂りすぎもよくありません。1日の摂取量は“自身の体重×1.5g”程度(例えば、65kgの場合は、65×1.5g=97.5g)のたんぱく質量を目安としましょう。
お肉や魚にもたんぱく質は含まれているので、食事と一緒にプロテインを飲んでしまうと、1食あたりのたんぱく質が過多となり、栄養として吸収しきれず、脂肪として蓄積されてしまう可能性があります。
参考記事:プロテイン、こんな飲み方は逆効果!ライザップトレーナーが解説 より
1日のエネルギーの35%(通常は12~15%)程度のたんぱく質摂取量であれば、健康に大きな弊害が出るといったことは現段階ではないだろうとされています。
腸内環境の乱れによるおなら、下痢など
1回の摂取量が多く、消化・吸収しきれないとお腹の中で滞留し、ガスが発生する場合があります。その場合は摂取量を減らすなど工夫してください。
また、体臭についても、処理しきれないたんぱく質がアンモニアの発生の原因にもなることがあります。どちらも適量を守ることと、消化・吸収と代謝に関わる食物繊維を多く含む野菜や、整腸作用の期待できる食品などをしっかり摂取すると良いでしょう。
関連記事:プロテインを飲むとオナラが多く出る!臭い対策は?ゴールドジムトレーナーが回答より
消化器官への負担が増える
タンパク質の過剰摂取に対する報告はまだ不十分という見解もありますが、過剰に摂取すると消化器官、とりわけ内臓に負担をかけるリスクは高まるとしています。
関連記事:たんぱく質の摂りすぎは体に悪い?コナミスポーツクラブの管理栄養士が解説より
タンパク質の1日の摂取量
なにも運動していない人
体重1kgあたり0.8~0.9g(体重60㎏の人なら48~54g)
フィットネスなど軽い運動をしている人
体重1kgあたり1.2~1.5g(体重60㎏の人なら72~90g)
筋肉をつけたい人/体重を増やしたい人
体重1kgあたり2gが必要摂取量(体重60㎏の人なら120g)
参考記事:「筋トレ民はたんぱく質をどれくらい摂ればいい?1日に必要なたんぱく質量の目安とは」 より
たんぱく質が不足するとどうなる?
筋肉量低下、免疫が下がる、爪や骨への悪影響など
不足したとしても、即座に弊害が起こるわけではありません。体内で、ほかの栄養素からたんぱく質を合成したり、分解したたんぱく質を再利用することもできるため、すぐに症状として何かが現れることはありません。
しかし、当然ながらカラダにとってよい状況とは言えません。
慢性的にたんぱく質が欠乏、とくにエネルギーも同時に不足した場合は、筋肉量低下のほか、爪や骨が弱くなる、免疫が下がるなど肉体的にも機能的にも弊害が起こるとしています。