鍛えるのが難しい、筋トレ効果が出にくい筋肉部位は?メガロストレーナーが解説
ボディメイクに勤しむトレーニーたちが疑問に思っていることをピックアップし、トレーナーにぶつける本企画。今回は鍛えにくい筋肉について、スポーツクラブメガロスのトレーナーが解説します。
Q. 「ここの筋肉は鍛えにくい」「なかなか効果が見えにくい」という体のパーツはどこですか?
A.背部にある筋肉は鍛えにくいとされています。また、スポーツ経験によっても筋肉がつきにくい部位は異なります。
その方の成長期時のスポーツ経験などにより、同じトレーニングをしても筋肉がつきやすい部位とそうでない部位があります。サッカーや陸上競技など下半身を中心に使うスポーツ経験者は下半身に、体操や水泳など上半身を中心に使うスポーツ経験者は上半身に筋肉がつきやすいのは確かです。
これは運動単位という、ひとつの運動ニューロン(支配神経)が刺激する筋線維の数が多いためと考えられます。逆に、日常生活であまり使わない部位の筋肉は刺激も少なく筋も発達しにくいのも、運動ニューロン(支配神経)が筋線維をコントロールする数が少ないためと考えられます。
また、体の前面にある筋肉は普段から目に入るので筋力はつきやすく、背部にある筋肉は緊張を視覚化しにくいため筋刺激も低くなりがちで、トレーニングの効果も上げにくいのが特徴です。
このため、ビジュアライゼーション(視覚化)をしながらトレーニングし、緊張させている筋肉からのフィードバック(筋緊張の知覚)を一体化させることが重要です。トレーニングの原理原則における「意識性の法則」と同じですね。たとえば以下を行い、収縮感覚や伸長感覚を知覚していきましょう。
◆直接見るのが難しい筋肉は鏡で見ながらトレーニングし、筋収縮を確認する
◆筋からの緊張信号を脳が知覚しやすくするために、「アイソメトリック(等尺性収縮:最大収縮位で2~3秒維持)」、「エキセントリック(伸張性収縮:4秒程度のゆっくりとした筋伸張)」、「スロー・コンセントリック(4秒程度のゆっくりとした短縮性収縮)」といったトレーニングを利用する
こうしたビジュアライゼーション(視覚化)は、どこを鍛え、どんな効果があるのか意識することでトレーニング効果が高まるという考え方「マッスル・マインド・コネクション」を強化し、運動ニューロンによる支配筋線維数を増やすことが目的です。
これがトレーニングの効果の出にくい部分強化へのベストメソッドと言えます。ちなみに障害のリハビリやフォーム改善にも極めて有効です。
[監修者プロフィール]
阿部佳之(アベ・ヨシユキ)
MCSPパーソナル・トレーナー。本社フィットネス事業部(メガロス恵比寿ゼロプラス店)に所属。
記事協力
・スポーツクラブメガロス
・公式サイト https://www.megalos.co.jp/
<Text:編集部>