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「陸王」で話題になったランニング足袋の原型。Vibram FiveFingersの国内唯一直営専門店が沖縄に

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 人気ドラマ『陸王』(TBS系)の影響から、ミッドフット着地(接地)や裸足感覚でのランニングなどに興味を持たれた方は多いはず。ではドラマの第1話で、Vibram FiveFingers(ビブラムファイブフィンガーズ)というシューズが登場したことをご存知でしょうか? 役所広司さんが演じた、こはぜ屋社長・宮沢紘一がスポーツ用品店で手に取り、ランニング足袋の着想を得た5本指のシューズです。

 このVibram FiveFingersはスポーツ用品店のほか、オフィシャルを含めたインターネットサイトで実際に販売されています。しかし、やはり実際に履いてみたい、また同シューズについて詳しい人からアドバイスを受けたいという方は少なくないでしょう。そんな方は、ぜひ沖縄県那覇市へ。那覇新都心には、国内唯一の直営専門店『Vibram Island(ビブラムアイランド)』があります。どんなお店なのか、コンセプトやオープンの背景などについて、代表の砂川伸彦さんにお話を伺いました。

Vibram Islandは国内唯一の直営専門店

 2017年9月29日、那覇新都心に新しくオープンした『Vibram Island』。実は砂川さん、これまでもVibram FiveFingersを取り扱うお店『ハダシストア』を運営されていたそうです。しかし市議会議員選挙への出馬をキッカケに、2017年3月で閉店。その後は選挙活動に専念するも、残念ながら当選には至りませんでした。しかし、すぐに『Vibram Island』での活動を決めたのかといえば、そうではなかったと言います。

「市議会議員選挙が終わってから、正直、どうしようかと悩んでいました。しかし、またゼロからお金を掛けてお店を立ち上げるというのは、考えていなかったですね。むしろ、普通に会社員にでもなろうかと思っていたんですよ」

 そんな砂川さんに道を示したのは、以前MELOSでも取材した吉野剛さん。そして、Vibram FiveFingersの輸入・卸売業を行っている、Barefootinc Japan株式会社のCEOであるJason Williams(ジェイソン・ウィリアムズ)氏でした。

「以前運営していたハダシストアには、多くのお客さんがいました。実際、閉店した際にはお問合せもたくさん。すでにお客さんがおり、マーケットができ上がっている状況をもったいないと思ってもらえたんですね。吉野さんとジェイソンさんから、またやらないかと声を掛けていただきました。しかも、今回は直営店としての運営。もちろんOKを出して、店舗オープンとなったわけです」

 現在、Vibram FiveFingersはスポーツ量販店などでも取り扱われています。しかし直営専門店は、なんとVibram Islandが国内で唯一。こうした巡り合わせは、砂川さんのVibram FiveFingersに対する強い思いと愛着があればことでしょう。

自宅での販売が出発点

 Vibram FiveFingersといえば、おそらく怪我の予防・改善などを目的に選ばれる方が多いことでしょう。裸足感覚で走ることで、効率的かつ負担の少ないランニングフォームが身に付く。しかし砂川さんは33歳の頃からランニングを始めて以来、特に怪我に悩んだことはなかったそうです。

「トレーニングジムに通っていた際、トレーナーがVibram FiveFingersを教えてくれたのが最初のキッカケ。2010年にインターネットで購入し、翌年には吉野さんに会って“裸足ラン”を知りました。その頃は会社をやっていて、東京にいたんですよ。でも、特に故障が多かったわけではありません。面白そうという好奇心から、とりあえずVibram FiveFingersを履いてみました」

 もともと、人のやっていないことをやっていたいという考えを持っていた砂川さん。Vibram FiveFingersは、その好奇心をそそったのでしょう。やがて吉野さんとの出会いからミニマリストな考えが芽生え、シューズ故の問題が存在するのではという思いに行き着きました。無駄なものをなくすことで、人本来の動きを取り戻せるのではないか……。そういった考えの中、Vibram FiveFingersをより多くの方に知ってもらいたいと、具体的な行動を起こしていきます。

「東京から出身地である沖縄に戻ってきたタイミングで、とりあえず自宅でVibram FiveFingersを売ってみました。5本指で薄い靴底の裸足感覚シューズなど沖縄では誰も知らなかったので、まずは履いてもらって感じて欲しい。その思いから、無料試し履きのためにと60足を購入しました。地元のマラソン大会で販売ブースを出したこともあります。そんな中、1年くらい経った頃、Vibram FiveFingersが好きだという知人から、お店を作ってほしいと言われまして。その声に応えたのが、ハダシストアだったんです。2013年7月にオープンして、3年8ヶ月営業していました」

 Vibram Islandには、現在も初期に購入したものを含め30足ほどのVibram FiveFingersがあります。これらを無料で貸し出し、お客さんがその良さを知るキッカケにしているとのこと。もちろん、砂川さんの足元もVibram FiveFingersでした。

お客さんが来ても「売り込まない」のがVibram Island

 ではいったい、Vibram Islandはどんなお店なのか。取材中、ちょうど前日に開催された『沖縄100Kウルトラマラソン』に出場したという県外の方が来店され、対応する砂川さんから面白い一言が聞けました。

「このお店は、Vibram FiveFingersを売らないんですよ。つまり、買ってくださいと言ったり、売り込んだりしていません。気になるものがあれば、ぜひ履いてみてください。気に入って頂けたら、お金と商品を交換しましょう」

 販売店ですから、当然ながら売れなければ運営していけません。しかし、あえて売り込まないという砂川さん。Vibram FiveFingersは裸足感覚ゆえ、足の保護が必要最低限です。そのため、最初は足への負担も大きく筋肉痛があるかもしれません。しかし、多くの方に人間本来の走りを取り戻して欲しい。そして本当に欲しいと感じてくれた方にこそ履いてほしい……そんな強い思いを感じました。もちろん気になる点などは何でも答えてくれますので、気軽に話しかけてみてください。

 Vibram Islandは、ゆいレール『おもろまち駅』もしくは『古島駅』から徒歩10分。店内には、実にさまざまな種類のVibram FiveFingersがズラリ。私もVibram FiveFingersは長く履いていますが、これほど種類があるとは知りませんでした。

 中には、非常にカジュアルなデザインのものも。ちなみに取材後、写真の『CVT-HEMP』を妻に購入して帰りました。帰宅後、実際に履いてみてもらったところ、「すごく指が開いて面白いね」とのこと。普段スポーツなどしませんが、デザインが気に入った様子で普段履きに使っています。

 種類が多過ぎて迷ってしまいそうですが、壁には砂川さん自作の各モデルの説明が貼られていました。また、どんな運動・用途に適するものなのかも、◎○△で示されています。これなら、購入後の用途をイメージしながら選びやすそうです。

 ランニングからウォーキング、フィットネスまで。Vibram Islandに行けば、きっと自分に合った一足が見つかることでしょう。砂川さんは、特に膝などを痛めている方にオススメとのこと。そして今後は、エリートランナーにもぜひVibram FiveFingersを試してみてほしいと言います。沖縄県在住の方はもちろん、出張や旅行、あるいはスポーツ遠征などで沖縄を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

[店舗情報]
Vibram Island(ビブラムファイブフィンガーズ)
・住所 沖縄県那覇市銘苅1-2-17 クレセントビル2F
・最寄り駅 ゆいレール「おもろまち駅」「古島駅」より徒歩約10分
・店長 砂川伸彦
・TEL 098-917-2942
・営業時間 10:00〜20:00
・定休日 水曜日
・公式サイト https://www.facebook.com/vibramisland/

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[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランニングクラブ、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】http://www.run-writer.com

<Text & Photo:三河賢文>

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