インタビュー
2019年7月11日

「3年間ベンチだったとしても野球を続ける」と約束し、強豪校めざして練習へ。横浜DeNAベイスターズ・山崎康晃(後編)│子どもの頃こんな習い事してました #23 (2/3)

辞めるといえば簡単に辞められる世界、でも逃げなかった

――子どもが挫折しそうなときに親としてはどうアドバイスすればいいと思いますか。

心配になる気持ちはわかりますが、「こうしなさい、ああしなさい」と言うのはよくないと思う。子どもにも自分の意見があるし、伝え方はその子によって違うだろうけど、その気持ちを汲み取って尊重してあげたい。間違った方向に行きそうになったら助言をしたりレールを敷いてあげたりすることは必要かもしれませんが、基本的には親が縛りつけても思った通りにはならないと思う。

子どもの可能性は未知数。そこを信じてあげたら、本人は一生懸命がんばるだろうし、親もあのとき信じてよかったと思えるんじゃないでしょうか。まあ、今は子どもどころか結婚の予定もない状況ですから、まだどうなるかわからないですけど(笑)。

――山崎投手自身は、自分の可能性をずっと信じてきた?

僕らの世界は諦めたら終わり。野球を辞めると言ったら簡単に辞められるんです。逃げるのは簡単。それでも逃げなかったのは、本気で向き合っているから。自分がしていることに対して不信感があったり疑問が生まれたりしていたら、今の仕事には巡り会えていなかったと思います。

――挫けそうなときに自分を奮い立たせる言葉はありますか。

言葉はないですけど、輝いている自分をイメージしています。すばらしいユニフォームを着させてもらって、きれいなマウンドに立って応援されているイメージは、常にどこかに持っていますね。

いろいろな先輩との出会いも大きい。子どものころ、プロ野球選手にサインをもらって本当にうれしかったんです。あのときの記憶があるからがんばってこられた。だから僕も、子どもたちにちょっとでも影響を与えたい。サインをすることで喜んでもらえるのであれば、どんなときでもしたいと強く思っています。

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