ライフスタイル
2020年6月17日

ロードバイク人気メーカーの歴史を解説。初心者向けからプロのハイエンドモデルまで種類はさまざま

 近年の健康志向の高まりから、通勤で自転車を利用される方、または検討されている方は多いでしょう。しかし自転車といっても、いわゆるママチャリと呼ばれるシティサイクルから持ち運びにも便利な折りたたみ自転車、プロのレーサーも使用するハイエンドモデルまで、その種類はさまざまです。そして自転車には多くのメーカーが存在し、ブランドごとに特徴が異なります。

 ここでは通勤やスポーツなどによく利用されるロードバイクにスポットを当て、主要メーカー4社についてご紹介します。設立背景を知れば、ロードバイク選びにも役立つことでしょう。

女性にも人気の「DE ROSA(デローザ)」

 イタリアにおけるロードバイクメーカーの名門「ウーゴ・デローザ・エ・フィーリ」(通称:デローザ)は、ミラノ出身のウーゴ・デローザが18歳のときに創業しました。

 デローザのバイクはアマチュアレーサーから評判が広まり、後にイタリアのプロレーサーであるエディ・メルクスの活躍を支えるまでになります。さらには、メルクス引退後の自転車フレームメーカー立ち上げにおいてもデローザが技術コンサルタントとして携わり、レーシングバイクの普及に努めました。

 デローザの特徴は技術力の高いハンドメイドにあり、芸術品のようなデザイン性はもちろん、安定性・運動性も兼ね備えています。数あるロードバイクメーカーの中でも、デローザは上級品のハイブランドに位置付けられます。なお、キュートなハートマークのロゴが特徴的で、女性にも人気のブランドです。

正式名: Ugo De Rosa & Figli(ウーゴ・デ・ローザ・エ・フィーリ)
本社所在地:イタリア
設立:1953年
創業者:ウーゴ・デローザ

幅広い層に支持される「SPECIALIZED(スペシャライズド)」

 アメリカのサイクリングブランドであるスペシャライズドは、1974年に大学を卒業したばかりのマイク・シンヤードによって設立されました。

 創業から5年後に販売されたブランドを代表するロードバイク「Allez(アレ-)」や、1981年に世界初の量産型マウンテンバイクとして販売された「Stumpjumper(スタンプジャンパー)」など、数々の大ヒットモデルを立て続けにリリースします。当時のスペシャライズドのモデルには日本メーカーによる高品質なスチールフレームが使用され、非常に人気がありました。

 スペシャライズドの製品はプロ・アマ、あるいは性別を問わず扱いやすいバランスのとれた優秀なバイクが特徴。プロのレーサーはもちろん、初心者のサイクリストまで幅広く愛用されています。

正式名:Specialized Bicycle Components(スペシャライズド バイシクル コンポーネント)
本社所在地:アメリカ合衆国
設立:1974年
創業者:マイク・シンヤード

最軽量フレームへのこだわり「SCOTT(スコット)」

 1958年にスイスのエド・スコットがスキー用品のメーカーとして創業。スコットが開発した世界初のアルミ製スキーポールは、スキー業界に革命を起こしました。スキー用品の高い技術力を応用して、1986年から競技用自転車業界に参入。1989年には、サイクリングの歴史でも革命的と言われるエアロハンドルバーを導入し、アメリカのプロレーサーであるグレッグ・レモンがツール・ド・フランスで戦略的に使用、勝利を収めました。

 2000年代に入るとフレームの最軽量化に成功しますが、2015年に韓国の企業・永元貿易に買収され子会社化されています。

 現在も主力はスキー用品でありながら、最軽量のカーボンフレームなどバイクの高い技術力は健在です。スコットのこだわりは、やはり業界最軽量のフレームにあると言えるでしょう。初心者向けのエントリーモデルから、プロ向けのハイエンドモデルまで多数揃っています。

正式名:SCOTT(スコット)
本社所在地:スイス
設立:1958年
創業者:エド・スコット

アジア発のトップシェアメーカー「GIANT(ジャイアント)」

 もともとウナギの養殖業を営んでいたキング・リューが、1972年に心機一転して創業した自転車部品製造会社がジャイアント・マニュファクチャリングです。

 当初はOEM(他社ブランド製品)の製造のみで、何度も倒産の危機に見舞われました。しかし、アメリカの大手メーカーシュウィン・バイシクル・カンパニーの下請けに参画したことで、多数のメーカーのOEMを手がけ、技術力の蓄積と業績の飛躍に成功します。

 現在はアジアを代表する自転車総合ブランドとして、街乗りの折りたたみ自転車からツール・ド・フランスで優勝するようなロードバイクまで幅広く展開。バイクの性能・品質ともに高い評価を得ているほか、コストパフォーマンスも高いことで初心者ユーザーから好評です。

 その反面、「ロードバイクは欧州ブランドに限る」といった意識の高いユーザーからは、アジア製であることや価格が安いことを批判する声も一部にあるようです。しかしハイエンドモデルの品質も、世界的なプロレーサーの成績を見れば非常に高いということが言えるでしょう。

 

2018年GIANTはチーム・サンウェブとテクニカルパートナー契約を拡大! GIANTは昨年に引き続き、UCIワールドツアーチームとコンチネンタルディベロップメントチーム、さらにはLivがサポートするチーム・サンウェブ・ウィメンにバイクとギアを機材サポートします。 今年一番のニュースはホイールのサポートです。サンウェブの全3チームは、ジャイアントの革新的なダイナミックバランスドレーシング(DBL)技術を採用したホイールを、チューブラー、チューブレス、様々なリムハイトのオプションからコースや天候に応じて選択します。 #KeepChallenging #CreatingMemories #TeamSunweb #GiantBicycles #Giant_Japan #GiantTCR #TotalRaceBike #GiantTrinity #AllInAero #RideLife #GiantWheelSystem #ジャイアント #チームサンウェブ

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正式名:Giant Manufacturing(ジャイアント・マニュファクチャリング)
本社所在地:台湾
設立:1972年
創業者:King Liu(キング・リュー)

 ここでご紹介したメーカーのバイクは、いずれも高品質で初心者の方からプロ級のレーサーまで愛用されている代表的なものです。自転車を購入する際は「どのように乗りたいか」をイメージしましょう。たとえ購入したいメーカーが決まっていても、必ず一度試乗してみることが大切。乗り心地などから、長く相棒として乗り続けられる一台を見つけてください。

<Text:モトムラ・ハジメ/Photo:Getty Images>