【高尾山登山】初心者ルート「6号路」の魅力とは。実際に登ってみた (1/3)
「東京都内の山登り」として人気の高い高尾山。高尾山の登山道には1号路~6号路と稲荷山コースがあります。
このうち麓から山頂までたどり着けるのは、1号路、6号路、稲荷山コースの3つ。
1号路は道もよく整えられていて、普段登山をしない人、小さな子ども連れ、お年寄りなど、ハードな運動に慣れていない人であればこの道を行くのが通例です。
そして6号路は、深山を味わいながら登ることのできる気持ちのいいルートで、元・地元民である筆者としては強くオススメします。
というわけで、これから訪れる夏秋の登山日和に向けて、実際に6号路をたどりながらその魅力を紹介していきましょう。
高尾山口駅からいざ出発
高尾山の麓から登り始めるときの最寄り駅は京王線高尾山口駅です(JR中央線の高尾駅ではないので注意!)。駅から少し歩いたところにあるのが、高尾山を登るケーブルカーの清滝駅。6号路は山頂に着くまでお手洗いがないので、心配な人はここで用を済ませていきましょう。
▲高尾山麓にあるケーブルカーの清滝駅
6号路に向かうには、駅に向かって左側にある道を進んでいきます。ちょうどケーブルカーの出口があるところです。
▲清滝駅に向かって左側の道を行くと6号路に入ることができる
しばらくコンクリートで舗装された道を登っていくと、左手側に6号路の入り口が見えてきます。ここが正式な6号路のスタート地点です。いざ出発!
▲6号路の入り口。手前に「稲荷山コース」の入り口があるので間違えないようにお気をつけを
言い伝えが残る祠や滝
6号路は山の上の方から流れてくる沢を辿るルートです。ちょろちょろと流れる水の音は清々しく、水辺沿いで高い木に囲まれているため、とても涼やか。静かに響く鳥の声も聞こえ、歩いているだけで自然に癒やされる気分です。
“チチチ……”や“チョッツツツカーッ”など、鳥の声の種類を数えていくのも面白いですよ。みんな違う鳥なんです。
▲6号路は小さな川(沢)と並走するルート。水の音に心が洗われる
しばらく歩くと、道にゴツゴツとした岩が出てきたり、太い木の根が地表を這っていたりして、だんだんと歩きやすい道ではなくなります。これも6号路のおもしろさのひとつ。きちんと整備された道が続く1号路と違い、生の自然に触れていく体験ができます。
▲しばらくすると道に岩や木の根が出てくる
スタートから30分を過ぎた頃でしょうか、岩屋大師という祠(ほこら)に出会います。2つの祠には、向かって右側に弘法大師、左側にお地蔵様が祀られています。
その昔、高尾山で修行していた弘法大師が、嵐の中、病気で難儀している母子を助けるために祈りを捧げてできたという祠です。
▲橋を渡ったところにあるのが岩屋大師
その少し先にあるのが琵琶滝。ここは6号路から少し外れたところにありますが、すぐに行って戻ってくることができます。
高尾山中で琵琶を弾く老人に出会ったお坊さんが、琵琶の調べに感動して悟りの教えを乞うたところ、老人が美しい音を奏でる滝に変わった、という言い伝えのある場所です。各所に残されたこうした伝説に触れていくと、山歩きもいっそう楽しくなりますね。
▲琵琶滝。一般の人が参加できる滝修行も行なわれる