インタビュー
2020年6月2日

アップアップガールズ(2)鍛治島彩「バスケの顧問の先生が私の活きる道を示してくれた」(後編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#29 (2/3)

バスケでは輝けなかったけど、ステージには立ち続けられている

――もともとアイドルは好きだったんですか?

大好きでしたけど、自分がアイドルになりたいと思ったことは一度もありませんでした。自分なんて、なにをやってもダメだと勝手に思っていたし、高校でもそれなりに生きていければいいと思ってたから。

勉強はできないけど、追試とかを頑張ってなんとか学校は卒業しよう。友達ともそこそこ仲良い感じを出して、誰にも迷惑をかけずに生きれる道を探そうと思ってたんです。

でも、先生とおばあちゃんの「自分が活きる道を見つけてね」っていう言葉を思い出して、自分の中でなにかが変わりましたね。

――できるならいま、アイドルになってたくさんの観客に応援してもらってることを報告したいですよね。

本当はライブを見てもらいたかったですね。大げさに言えば、これが自分の活きる道かもって思えるんです。アイドルになるまでは自分を応援してくれる人に出会ったことがなかったので。見に来てくれる人、応援してくれる人たちみんなには、いつも心の中で土下座して感謝してます。

――アイドルになって約3年経って、いまも支えてもらっている恩師の言葉はありますか?

たくさんあります! 先生がよく「結果がダメなら、まず自分を疑え」と言っていたんですけど、やっぱり人のせいにしたくなるときってあるじゃないですか。先生の言葉を叩き込まれてなかったら、他のメンバーのせいにしてたかもしれない。でも、いまは自分のダメなところを見直して、次に活かすように頑張ってます。

――グループ結成当初、他のメンバーはダンス経験者ばかりで、ついていくのが難しかったと思います。過去に部活で体力を鍛えていた経験は役に立ちましたか?

バスケをやっていなかったら、体力も人並み以下だろうし、やっていてよかったかもしれません。ただ、ダンスと歌は本当にできなくて、自分だけ居残り練習ばかり。でも、本番は近づいてくる……。かなりプレッシャーは大きかったです。

でも、ステージには立てるんですよ。誰かに見てもらうことができる。自分が立てる舞台かある。バスケは毎日練習しても試合に出られなかったのに。それってすごいことなんです、私にとって。誰かひとりでも、自分を見てくれる場所があるっていうのは、とんでもないことなんです。

――バスケでは一度も試合に出れなかったのに、いまは毎回ステージに立つレギュラーなわけでもんね。

そうですよ! お客さんと目が合うとすごくうれしいんです。あ、見てる、見てる、見てる! って。本当に先生にも見てもらいたいですけど、きっといつも見守ってくれてると思うんです。

――当時バスケ部で一緒だったメンバーとは、現在も交流があるんですか?

この前、成人式で全員集合しました。苦楽をともにした全員が先生に感謝してます。みんなで「成人式、見てもらいたかったよね」って。バスケのトップリーグを目指している子もいるし、もう働いてる子もいるし。全員が「先生に根性鍛えてもらったから、いまも頑張れるよね」っていう話になりました。

――先生のお墓参りに行ったことはあるんですか?

まだ行ったことがないんです。いつか絶対に行きたいとは思うんですけど……。お姉ちゃんからは「きちんとなにかを達成して、先生に合わせる顔をつくってから行きな」と言われていて。いまはグループでZEPPのステージに立つことを目標にしてるので、それを達成したら報告に行きたいと思ってます。

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