なぜ?股関節が硬い原因と、柔らかくする方法とは。柔軟性を高めるストレッチもお届け (3/3)
胸椎の可動域向上ストレッチ
続いて、胸椎の可動域を広げるストレッチも紹介します。胸椎の可動域が低下すると、いくら股関節のストレッチをやっても可動域向上がしにくいためです。
1. 準備
壁に対して横向きに片膝立ちの姿勢を取ります。前脚は90度に曲げて膝を立て、後ろ脚は膝を床につけて固定します。
2. 姿勢の確認
両手を胸の前で合わせ、肘を伸ばします。胸を張り、背筋を伸ばして姿勢を正します。
3. ストレッチ開始
ゆっくりと体を回旋させます。片手は壁に沿って、もう片手は後ろに広げます。
このとき、腰を捻らないように注意し、回旋は胸椎から行います。前足は地面に対して垂直に保ち、安定させます。
4. 保持
この姿勢を20秒から30秒間保持します。呼吸は深く、ゆっくりと行います。
5. 反対側
ゆっくりと元の姿勢に戻り、反対側も同様に行います。
股関節まわりの筋肉を鍛える筋トレ
ここからは、股関節の柔軟性と可動域を向上させるためのエクササイズを紹介します。
1. 準備
床に座り、片脚を前に伸ばして、もう片方の脚を内側に曲げます。写真のように、背筋を伸ばし、手を胸の前で組みます。
2. トレーニング開始
前に伸ばした足をゆっくりと浮かせます。そのまま、足を横に広げていきます。
浮かせたままの状態で、写真のように足を後ろに持っていき、膝を90度に曲げた状態で床につけます。
3. 刺激の確認
腰骨の少し下(大腿筋膜張筋)に刺激を感じれば正しい動きです。
4. 反対側
反対側の脚も同様に行います。
気を付けたいポイント
注意点は以下です。
- 背筋を伸ばし、姿勢を正しく保つことが重要です
- 無理に広げたり、浮かせたりせず、自分の可動域内で行ってください
- 呼吸は自然に行い、リラックスした状態で行います
可動域内を自分の筋力で動かすことができるようにすることが、股関節の健康を維持・向上させる上で重要です。
このトレーニングを日常的に取り入れることで、股関節の柔軟性が向上し、姿勢改善や動きの質の向上につながります。
股関節をガチガチにさせないための予防方法は? 日常生活でできるセルフケア
日常生活で気をつけたいこと
股関節が硬くなる要因は、重心の取り方や姿勢によるものが大きいです。このため、足裏や足指を適切に使うことが重要です。
足裏や足指を意識して使うことで、姿勢改善や重心の最適化が図れます。
五本指ソックスやインソールの使用もおすすめです。これらのツールを使うことで、足裏や足指をより意識しやすくなり、適切な重心の取り方が身につきます。
さらに、適切なケアやトレーニングを行うことも欠かせません。これにより、股関節やその他の関節の動きを改善し、姿勢が良くなり、全体的な身体のバランスが整います。
怪我や不快感を予防し、快適な日常生活を送るために、足裏や足指のケアとトレーニングをぜひ取り入れてください。
デスクワークが多い人の対処法
デスクワークなど、長時間の座り仕事による股関節の硬さを防ぐには、「歩く時間」を増やしましょう。
人間の身体は、長距離移動に適した構造を持っています。しかし、この構造を十分に使わない生活様式が、股関節の硬さを誘発しています。
歩行は、股関節を含む全身の関節や筋肉を自然に動かすため、硬くなりがちな股関節の柔軟性を保つのに役立ちます。
毎日の生活において歩く時間を意識的に増やし、身体本来の機能を活用しましょう。これにより、股関節の硬さを防ぎ、全体的な健康を維持することができます。
股関節を柔らかく保つためにおすすめの運動
股関節をダイナミックに使う種目として、スクワットやデッドリフトは非常に有効です。これらのエクササイズは、股関節まわりの筋肉を強化し、柔軟性を高める効果があります。
さらに、隣接する関節も求められた動きをすることが重要です。そのため、腹部を安定させるデッドバグなどの種目も副次的に有効です。
これらのエクササイズを組み合わせることで、全身のバランスと安定性が向上し、股関節の健康をさらにサポートすることができます。
監修者プロフィール
トレーナー山岸 慎
2011年からトレーナーとして、モデル・アーティスト・俳優のサポートを行う。現在はJリーガーなどトップアスリートをはじめ、運動初心者まで様々な身体レベルの方のトレーニング指導を行なっている。所有資格NSCA-CSCS
・パーソナルトレーニングジム STUDIO KOMPAS渋谷南平台
・ストレッチリラクゼーションサロン ESL(エッセンシャル ストレッチ ラボ)
<Edit:編集部>